最初のCTで早くも「がん細胞消えた」?サニージャーニーさんからは距離を置くのが…、防災さんも… | 2人に一人以上が患う大病!日本で唯一、がんの情報誌「月刊がんでも生きる」を発行するヒデさん日誌

2人に一人以上が患う大病!日本で唯一、がんの情報誌「月刊がんでも生きる」を発行するヒデさん日誌

日系報道機関、経済通信社トムソンロイターを経て情報会社営み
つぶやき中。英語と中国語はやや自信。がんや健康問題を15年以上、取材、出版物多数。海外、エビデンスを重視した最新情報満載の「月刊がんでも生きる」を発行中。ウォーキングなどがんの非薬物療法も探求。

 触れたくないトピックスですが、メッセージで問い合わせが続いているのでお答えします。

 「どう思われていますか?」「確率の低いことが起き続けています」と。

 

 キャンピングカーで全国を旅するカップル、サニージャーニーさんの「ステージ4すい臓がん」を公表された30代の若い女性さんが、抗がん剤治療を開始して最初のCT検査で、「お薬が効いている。がん細胞が消えている」、つまり「奏功している」とのとってもいい結果を告げられたと、先日、相方の男性さんがユーチューブ動画やアメブロで報告された件です。

 

 全国をキャンピングカーで旅するカップルそのものが「レア(希少)」、30代の若い女性が「ステージ4のすい臓がんが判明」も「レア」。そしてフォルフィリノックス療法が奏功する患者さんも、レアとまではいいませんが、内外の治験で「30%台」と全体としては少数派になっています。しかも6カ月から12カ月程度(各治験で差があります)の追跡期間中での「30%台」であり、最初のCT検査でいきなり…は、30%をさらに下回ると思われます。

 

 しかもフォルフィリノックス療法は、現在のすい臓がんの最新の化学療法の中で最も高い効果が得られるとされていますが、毒性も最も高いとされています。つまり「受けられる」こと自体が、あまり高齢ではなく身体状態が良好などの条件が付きます。

 女性さんは30代なので、若く、身体状態が良好という条件はクリアされていますが、あくまで「受けられる」条件であり、さらに「強い副作用に苦しむこともない」はなかなかクリアできません。アメブロで記事を書くくらいがせいぜいで、写真どころか動画にも登場する元気のある方は本当に少数派と思われます。

 「ゼロではないが、確率の低いことが起き続けている…」。やはり実名や病院の実名が出てこない限り、不信の目で見られても致し方ないとみられます。

 がん医療は「信じるものは救われる」などという信仰の世界でありません。「エビデンス」「確証」「確信」がない話には近づかない。距離を置くのが無難です。顔、実名(芸名含む)を出されて、がんとの闘病を語る有名人、秋野暢子さんや古村比呂さんらのブログをこれからも是非、参照、応援したいものです。おそらく、サニージャーニーさんについてはもう触れることはないでしょう。

 

 それにしても…、「がん防災~」などという動画をアップされているお医者さん、「すい臓がんは本当か」などと題した動画をアップして、中身は「個人差がある」では看板倒れ。現在の炎上状態の火消しにまったく役立っておりません。