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あの人はいつも祈っていた
手を合わせるその先に
神様や仏さんがいるなんて
確かめることも出来ないのに
あの人にはずっと見えていた
神様が 仏さんが
祈りが届くその瞬間が
あの人にはすべて見えていた
あの人の祈りは
いつも私を守っていた
その温もりに気づくまで
随分と時間がかかってしまった
あの人がいなくなった今
その温もりは消えることなく
私をあるべき処へと導いて
そうして今度は
私が祈りを捧げる番となった
私にはあの人のように
神様や仏さんに
祈りが届くその瞬間を見ることなど
到底出来ないだろう
それでも
私は祈り続ける
この肉体を離れるその日まで
私の中で生き続ける
あの人の祈りとともに
あなたのことを思いながら
私は祈り続ける
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stand.fmさんで詩の朗読をはじめました
よろしければ遊びにいらしてくださいね
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note 創作大賞2024 応募作品
「いつかまたね」と言える日まで