割れたストローほど微妙に使えないものはない。

何らかの衝撃によって、縦に亀裂が入ったストロー。


飲み物を吸うとき、思っていた量よりも若干少なめの量が口に入ってくる。

それが気持ち悪い。

ついでに、亀裂部分から少量の空気が入ってくる。

それがもっと気持ち悪い。


なんなんだ。


でも、だからといってそのストローを投げ出して、他のストローに替えたり、ラッパのみをしたりするわけではない。

たかがストローの亀裂のためにそこまでする意味がないように思える。

しかし、その「たかが」を放っておくばかりに、その飲み物を飲み終えるまでの、何時間かを微妙な不快感を持って過さなければならない。


違うストローを使うべきか、そこまでするのが癪に障るから、そのまま放っておくべきか。


答えは決ってる。
答えは知っている。


でも、どうしたいかといえば放っておきたい。


哀しい事に「べき」と「たい」はかなりの確率で一致しない。


きっとストローは替えるべきなんだと思う。


私は、ストローを「替えなければならない」から、「替えたい!」と思えた瞬間に一回り大きくなれる気がする。そして、少し快感を感じられる気がする。


って…わかってるのに………。


私は今日もストローは替えないまま終わるんだろう。