第3章
お揃いのシャーペン

その2(・ω・)ノ

静かに本をめくる姿は、
ちょっといつもと違う雰囲気で
大人っぽかった。

ページは本の後ろの方まで進んでいるようで、
話のクライマックスを迎えているのか、
視線がひたすら上下に動き、
私達には一向に気づいていないようだった。
あまりに夢中なその姿に、
私も声を掛けられなかった。


カバンから、筆記用具とノート、
借りていた本を出す。
オカダが薦めてくれた本。
今日返さなくてはならないその本を、
私はギュッと胸に抱えた。

マニアックな歴史の本。
でも私には甘い恋愛小説のように感じた。

背の高い2人組みが 並んで近寄ってきた。
かおりと江藤だ。

「入り口んとこで会ってん」

と、かおりが嬉しそうに言うと、
江藤も、まんざらではなさそうに、
じゃ とオカダのいる席に向かった。

「あ、オカダもおってんな」

と、みゆきが顔を上げた。

「そやね。」

と私は今 気づいたようなフリをした。

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