「そうだ。僕がキラだ…」
原作・大場つぐみ…。

「松田ぁ!おまえなら解る筈だぁ!
キラが正義!キラが必要!…」
漫画・小畑健…。

「リューク書け…
今すぐ全員殺すんだぁ!!…」
掲載・絶望MELANCHOLIC…。
「アハハハハハハっ!!…」
製作・演出・著作
ブラックジャスティス…。
「ちくしょう………」

DEATH NOTE~THE ANOTHER~




わたしは今逃げている。
辺鄙な倉庫から。
手錠の鎖を自力でこじ開け、隙を計らい逃げている。
まだ錆び付いた味が舌の上を泳いでいる。
どうしようもない姿だ。
だがそれでも、そんな惨めな状況でも。
私はそれを確かに継承している。
「…デス…ノート…」
その日、神は死んだ。
己が望んだ世界の扉をあと一歩のところで愚者どもの工作により開きそこね、仕いを見捨て、神は死神の手により死んだ。
わたしは夢を見ていたのかそれとも真実の重さに耐え兼ねて見限ったのか。
「あんたなんか神じゃない!」
わたしが理想・目標とした神のまことの姿は醜態そのものだった。
わたしは何よりも最善を尽くした。
神の召すまま偽のノートを作ったが、やはり目論みは崩れた。
故に、わたしはもう一冊のダミーノートを用意していたのだ。
尾行もつけられていた事だし時間は無かった。
自ずから奴ら愚者どもはわたしの偽ノートと偽ノートをすり替える意味の無いあがきを見せたのだ。
わたしは更に警戒し今回、今持っている本物のノートにも細工を施した。
倉庫に入る直前に書いていたのは効力のない追加した頁。
「倉庫に入れ」と神が直接指示を出したのは想定外だったが、わたしには余裕があった。
どんな非常事態にも対処出来る術は隠し持って来ていたからだ。
案の定、非常事は起き。神はその醜態を曝すハメになった。
演技派なわたしは思わず怒鳴ったり、リアルに落ち込んだフリをしたりして脱出の時を待った。
予想通り神は死んだ。
最初からわたしは神を利用していたのだ。
「神の力には抗えない…ならばその力さえ手に入れれば…」
この時が来るのをわたしは待ち侘びた。
わたしはそれをたった今手にした。
ノート一冊。
ただこれだけで世界を牛耳る事が出来るようになるのだからな。

気がつくと追手の愚者どもは彼方へと消えうせていた。
顔と名前は覚えた。
いつでも奴らは殺す事が出来る。
新幹線に乗って北へ向かう車内。
所有権が自動的にわたしに移ったが故につかねばならなくなった死神が聞いた。
「偽のノートを二冊も作るなんて抜かりない奴だな。
でもそれじゃあなんでその偽ノートに触った奴らが俺を見る事ができたんだ?」
本物のノートは一つ。
尾行の間はわたしが肌身離さず管理していた。
奴らが手にした偽ノートには好奇心でさらに細工を施してあった。
本物のノートの表紙生地を見分けもつかないほど薄く貼付けていたのだ。
偽のノートにはもちろん効力は無いが、本物の表紙はそこにある。
この加工で触った途端に死神が見えるのは検証済みだったので、悩む事なくこの仕掛けを利用した。
神になりえる為にはそれに見合った頭脳・精神力そして柔軟さ。
これらがあってこその器と考える。
神はわたしの存在によりその器量を失っていった。
最後の最後まで抜かりないと思っていた神の策でさえ現にこうして見切られてしまったのだから。
やはりわたししかいない。
「リューク…と言ったな?」
「ああん?」
「わたしは神にはならない
死神が存在する限り、神が栄えるなどあってはならないからだ」
「逃げのびてその後はどうする気なんだ?
このまんまじゃあ捕まるぜ」
「わたしは捕まらない。
わたしを知る者全てを今このノートに書いた。
今ごろ心臓麻痺で皆死んでいるだろう。
わたしは支配者となる。
この世界にさらなる大安を齎すべく、支配を尽くして未来を担う存在となろう」

わたしは新世界の創造主となる。

「楽しませてくれよぅ?
やっぱ人間ておもしろ!」