第7回武道館リサイタル 第一部④

 

 

 

別の男を探すだって・・・

あんまりだよ。

僕は何のことかわからなかった。

なぜ突然こんな手紙が届いたのか・・・・・・

僕は急いで彼女のうちへ電話した

・・・・・・   誰もいない

片っ端から知り合いのうちに電話してやっと親友をつかまえた。

 

いったいぜんたい・・・・・・

 

そう言った後、僕を止めて、

落ち着いて聞いて欲しいの と釘を刺し、こう言った。

 

「彼女はね、小さい時から心臓が良くなかった

 何度も発作をおこし、もう一度発作を起こしたら死ぬと宣言されているの

 最近また具合が悪くてね、今 病院にいるわ

 あなたの事はね、何度も相談受けたの。 本当に心からあなたを愛しているのよ。 でも

 一緒になれないっていつも泣いていたわ

 結婚の話をされたのが一番つらいって言ってた

 あの人には未来がある。 でも私には未来がないの。

 今 別れなければ悲しみは何倍にもふくれあがるわ。

 そう言って彼女はその手紙を書いたのよ。」

 

僕は急いで彼女のいる病院まで走った

寝ている彼女に向かって大声で叫んだ

 

「なんでもっと早く病気の話をしなかったんだよ」

すると彼女はこう言った

「同情される愛なんて・・・・・・ まっぴらよ」

僕は彼女のほほを殴った

あの出逢いのように・・・・・・

彼女は涙をこぼしながら

「私は今、本当に幸せよ・・・・・・ありがとう」

そう言って眠りについた

 

 

 

 

   抱きしめて  わずかな時を

   抱きしめて  せめてもの優しさあるなら

   今すぐ抱きしめて

   私に下さい

   涙を  ふり切る力と勇気を

   抱きしめて

 

   たとえば  どこかで噂を聞いても

   後ろ姿をみかけても

   悔やんだりしないでしょう

   たとえば  死ぬ時が来てもおそれない

   命を懸けて愛し合い

   別れたあなただもの

 

   抱きしめて  すべては終わりに

   抱きしめて  あなたは一人

   新しい旅に出る

   抱きしめて  覚えておいてよ二人で

   重ねた夜の温もりを

   抱きしめて

 

 

 

 

祈るしかない・・・・僕には祈るしかできない

あの笑顔をもう一度見せてくれ

僕に笑いかけておくれ

ひとりじゃ・・・・映画もつまらない

ひとりじゃ・・・・飯もうまくない

ひとりじゃ・・・・ケンカはできないよ

お願いだ・・・・・この愛を消さないでおくれ

 

愛の唄は一人ぼっちじゃ唄えないよ

 

唄えないよ

 

 

 

 

 

 

                    END

 

 

 

 

 

 

 

最後のセリフのあと、心の中で「サンタマリアの祈り」が、ずっーと鳴り響いて聞こえました。

 

 

 

 

 

1975年リリース「ABRAZAME」 Julio Iglesiasのカバー