◆Rain Days◆ -6ページ目

◆若さとは◆

彼が私の躰を触りながら


『歳を取ったね。月日を感じる』




と言った。





無性に腹が立ったが



それよりも




若さを保たなくちゃ

ずっと肌にハリを


もう私は若いとは言えないんだ




と『老い』に対する恐怖心が芽生えた。
すごく怖い。







それはきっと
彼が私の躰に興味があるということを痛いほどわかっているからだろう。





『そんなこと言って、若い子に手出さないでよ』




なんてくたびれた愛人のような台詞を口にした私は『終わってる』と思った。







彼の目には
我慢できなくて
私に触れたくてたまらない

なんていう活き活きとした生命力はとっくの昔に無くなっていた





あぁ
私は10年後、
どんな女になってるのだろうか





行く末が恐ろしい












みなさん、
若さって宝ですよね?




『老い』
というものに対してこんなにも恐怖心を抱いているのは私だけでしょうか?



世の中のみなさん
いかがお考えでしょうか

◆真実◆

不倫している人は絶対に幸せになれない






結婚している
先輩に言われた。







それは真実だ。






私には奥さんの辛さなんてわからない。
奥さんには私の辛さなんてわからない。


彼には2人の辛さなんてわからない。





ただ三人ともわかっていることが一つだけある。






このいつまで続くかわからない日々は
最終的に皆不幸にするということだけ。





私が素直になれたら
狂ったように彼の足を掴んで
泣きわめいて
行っちゃいやだ
と子供のようにすがったら




一瞬で全てが終わる事はわかっている。












いくらなんでも儚すぎると思いませんか?








◆大丈夫。離婚してなんて言わないから◆

彼とのセックスは最高だ。



三年という月日を経て
彼は私の全てを知り尽くしている。



彼に出逢うまではセックスなんてつまらないものだと思っていた。



男の前で裸になることにもさほど抵抗もなく
いやらしい感情も
昇りゆく快感も沸いてこなかった。




今の私は違う。
彼が変えてしまった。




ゆったりと煙草を吸う彼の指を見るだけで
躰が火照り


彼の匂いを感じただけで
とろけそうになる



彼の色っぽさに腹が立ち



私はこれから先どうなるのか考えただけで目眩がする。




しっかりコンドームに手を伸ばす彼の
現実を見据えた冷えた目に孤独を実感し



事の最中に涙を流してしまう私に
『大丈夫?』と言いながらも

心の中では
『しょうがないんだ』と言っている本心が見え隠れする。





寂しさを埋めるセックスも終えた後にはさらに寂しさを増している。






その日は


初めて2人でお風呂に入った。
通い慣れたラブホテルの大きなバスルーム。



今まで男と風呂に入るだなんて
面倒な前戯としか考えていなかった。




でもなぜか今日は一秒でも彼の肌を感じたく、


私から
『お風呂に入ろう』と誘った。



『どうしたの?珍しい』
と言いながらビールを飲む彼を置いて



先に服を全部脱ぎ裸でバスルームに向かった。



それを見ていた彼は


『すぐ脱ぐんだから。。



と呟いた。



彼はセックスする度に私がすぐ裸になることを拒んだ。
『ブラは付けといて』
『キャミソール脱がないで』




下着を脱がし
ゆっくりと躰をたしなめるとこに
彼はエクスタシーを感じている。



私はそれについて何とも思わないが、
止めろと言われて止めたこともない。




ビールを飲みながらテレビに食い入る彼を置いてお湯につかった。





なんだかホッとした。
抱かれたくて興奮していた躰が
高揚して舞い上がっていた内臓が

ゆっくりと撫で下ろされた感じがした。



ぼーっと宙を眺めていると彼が裸で入ってきた。




私に見られるのが恥ずかしいのか
ペニスを手で抑え
ニコニコしながら
『見ないで』と言う。




何を言う。
33歳の熟した立派なそれが私の躰をこんなにも淫らにしたと言うのに。
出刃包丁でぶった切ってこの私に供えろ


誰にも快楽を与えないように



と言いたかったが

無邪気な彼の顔を見たら飲み込むしかなかった。



彼は歯を磨きながらお湯につかった。
なんだか嫌だったので暫くしたら先に上がった。



裸のまま湯船の隣にある鏡の前で濡れた髪を束ねていると
彼が後ろから強く抱き締めてきた。



彼の温かく固いものが
私のお尻に当たっている。


腰を後ろに突きだし
鏡台に手を置いたら、興奮した彼が『このままいれていい?』と囁いた。






『どうぞ』
と言った途端、固く温かいものがゆっくりと躰の中に入ってきた。



私のそこに一寸の隙間もなく収まるそれは
徐々に速度を増し、上へ上へと突き上げる。




なんて気持ちいいのだろう



私の腰に置かれた大きな手
耳元にかかる熱い吐息


彼の全てが私を狂わせる。



いつもコンドームをきちんとする彼だから
今日はどうしたのだろうと疑問を抱いたのだが、
私はこのまま果ててしまいたかった。



だから
『そのまま、そのまま』
と何度も叫んだ



彼は何も言わない。






彼が何かを我慢しようと
低い声を漏らした途端
動きを止めた。




そして背中にキスをしてバスルームを出た。













泣きたかった。
悔しかった。





彼は私を寂しそうな目で見ながら
『ごめん』と言った。











『意気地無し』






そんな言葉を投げ捨てた自分が惨めで、滑稽で
いっそのこと死にたかった。






『大丈夫。子供が出来ても離婚してなんて言わないから』




と言う言葉が浮かんだが
私はその言葉を口から出せる程強い女ではなかった。