◆美人の偏差値◆ | ◆Rain Days◆

◆美人の偏差値◆

仲の良い親戚のゆりねぇがいきなり遊びに来た。



ゆりねぇは都内で税理士をしている。
頭がよくて、スタイル抜群、オシャレで、尚且つ腹が立つ程の美人。


今日はシフォンのブラウスにサテンのショートパンツ、華奢なピンヒールという出立ち


再会するたび、
『おまいは何者だ?』
と本気で警戒する程。





そんなゆりねぇが今朝、
アポなしでずかずか家にやってきて、寝ていた私の顔面に口紅で落書きしながら腹を抱えて笑っていた。



仕事に疲れたから1週間有給をもらって、明日ハワイへ発つんだけど、一日やることないから来た!とのこと。



この人は昔からパワフルな女だ。



私に早く支度をしろと急かし、この雨の中買い物へ出掛けた。



『彼にあげるバレンタインの準備をしたいんだーハート
明日からハワイぢゃない?だからねー、バレンタイン一緒に過ごせないから、帰ってきたら、とびっきりのチョコ作ってあげたいのーハート


とおっきな目をキラキラさせて話している。    ゆりねぇの彼は過去に一度だけ会ったことがあるが、はっきり言ってフツーの人。


アンタならもっと素敵な男性いるじゃない?

ってだれしも思うに違いない。



『ゆりねぇ、なんであの人なの?ゆりねぇ絶対モテるんだからもっと選別したら?』



思い切って聞いてみた。



ゆりねぇはタバコの火を消しながら真剣な顔で

『彼はね、あたしの事をダレよりも大事に思ってくれてるの』


と言った。



ゆりねぇはこれまで色んな恋愛をしてきた。
そして悟ったんだろう。



アッシュブラウンの綺麗な長い髪を左肩に寄せて

『女は愛されてナンボ』



あたしは何も言えなかった。


フタリでランチを食べながら、近況を報告しあった。昔からゆりねぇには何でも話す。



家族よりも友達よりも信頼しているかもしれない。



コーヒーを啜り、
ゆりねぇがボソっと何かを言った。


『何?』
『んー?アンタを見てると昔の自分を見てるみたいで愛おしいなーってさ』
『馬鹿にしてんでしょ?』『してるよ。今のあんたも昔の自分も馬鹿にしてる。』
『だまれ』
『でもさー、いいと思うよーそのうち自分の中で男の存在価値なんてなくなるから。』
『そうかなー』
『そうそう。だから逆に誰と何しようが問題ない。』
『いつか出会えるよ。本物に!』



………………ほんとかよ、ゆりねぇ。( -_-)



あたしゃあ、あんたか心の底から羨ましいよ。



神様、どうか私も彼女のように幸せになれますように。



『恩つけがましい』



背後でゆりねぇが鼻で笑った。