facebookに投稿した記事なのだが、しばらくブログの更新をしていなかったので、こちらにも投稿することにした。
生活扶助8万円(住宅扶助、医療扶助は別に支給)では、1日に1000円しか使えないという生活保護受給者の発言が物議を醸しているという記事があった。
「使えるお金1日1000円しかない」 生活保護受給者の発言に異論(J-CASTニュース)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121014-00000001-jct-soci&1350189218
いずれニュース記事は消去されるだろうから、この際、一部をここに引用しておく。
(引用開始)
生活保護支給額引き下げに反対する会見で、受給者が「1日使えるお金は1000円」と不満をこぼしたところ、ネット上で異論が相次いでいる。
生活保護問題対策全国会議(代表幹事・尾藤廣喜弁護士)は2012年10月10日、東京都内で受給者らとともに会見を開いて、引き下げ反対を訴えた。支給額が引き下げられれば、生活に大きな影響を与えるというのがその理由だ。
会見では、受給者らも窮状を訴え、NHKニュースによると、受給者の60歳男性は、次のように明かした。
「1日使えるお金は1000円なんですよ。食べるだけですよね。電化製品が壊れたとか、服が破れた場合は、替えるお金がない。人として見てもらえているのかどうか、これは疑問に感じます」
これに対し、ネット上では、服代などもかかることに理解を示す声もあったが、男性の主張に疑問の声も相次いでいる。「俺より贅沢じゃねえか…」「食べれるのに何が問題なんだ」「1000円あれば3食食べて、中古の文庫本ぐらい買えるだろ」といった書き込みがあった。
厚労省の保護課によると、東京都区部で60歳なら、住宅扶助として家賃が限度額まで実費で出るほか、生活扶助として最低で月に8万円余が支給される。
生活保護問題対策全国会議の事務局をしている小久保哲郎弁護士は、食費などが1000円になることについて、十分な額ではないと説明する。
「最低生活費ですので、そんなに余裕があるわけではありません。耐久消費財を買い替えられませんし、下着なども破れるまで着る話はよく聞きます」
「確かに、1日1000円以下で苦しい生活をしている人からみれば十分だと言いたくなるのだと思います。でも、生活保護基準が下がれば、最低賃金法の定めによって最低賃金が上がらず、地域によっては下がることもあり得ます。地方税の非課税基準や国保料等の減免基準等も軒並み下がります。生活保護を叩いてその基準が下がれば、自らの首を絞めることになるのです。むしろ最低賃金や年金の低さを叩くべきで、叩くべき相手を間違えていると思います」
(引用終わり)
私が、一人暮らしを始めた昭和62年、月給は手取り約12万円、風呂なしアパートの家賃は3万9000円だった。ボーナスはあったが、夜学に通っていたので、ボーナスで学費を払っていたし、独身だったので、いろいろと享楽的に(ここはご想像におまかせ)パーっと使って、ボーナスは生活費にはならなかった。物価水準を昭和62年と平成22年(そこまでしか統計がないので)と比較すると、「主要品目の東京都区部小売価格」は、品目によってばらつきはあるが、全体としてはむしろ今の方が安い。また、当時私は、手取り12万円から通勤交通費も支出していたから、実際に使える金は、今8万円の生活扶助費を受給している人よりも少なかったはずだ。それでも、たまには飲みに行っていた。そのおかげで、給料前にはスッカラカンになり、1000円札や500円玉が隠れてないかと、持っている服のポケットや引出の中を捜索したことも一度
や二度ではなかったが。
記事によると生活保護問題対策全国会議の弁護士は、「食費などが1000円では十分な額ではない」と言っているそうだ。しかし、なぜ、8万円受給していて1日に使える金が1000円なのかは何も言っていない。外食するのに1日1000円では食費として足りないかも知れないが、自炊であれば月に3万円あれば食費として十分だ。食費月3万円、光熱水道費月2万円、日用品費月1万円、小遣い月2万円で、十分に生活できる。「耐久消費財を買い替えられない」というが、そんなに耐久消費財を買い替えることがあるのか(因みにウチのテレビは私が独身の頃から使っている27年前のものだ。洗濯機は14年前のもの。炊飯器は昨年、扇風機は今年、それぞれ買い替えたが、それまでは家内が独身の頃から使っていた30年前のものだった。)。月2万円の小遣いを月1万円にすれば、相当の貯蓄だって出来る。生活保護問題対策全国会議の弁護士は「健康で文化的な最低限度の生活」の水準が、貧乏人出身の私よりも高いのだろう。きっと貧乏の経験がないから、どの程度の金があればやっていけるか分からないのだ。
米国のケネディ元大統領は、就任演説で「あなたの国があなたのために何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるのか問うてほしい」と述べた。その道徳心がなければ、民主主義は機能しない。わが国の公債残高は、今年度末で約709兆円に達すると見込まれている。税収の約17倍だそうだ。単純に勘定すると年収400万円の人が6800万円の借金を抱えていることになる。その借金は、我々の世代が作ったものだが、もう我々の世代では返しきれない。我々は勤勉、忍耐、質素、倹約、廉恥、愛国心などの父祖の遺産を食い潰し、借金を重ね後世にツケを回しているのだ。「生活扶助費が8万円では足りない」という人に、それを支援する人に、「あなたがあなたの国のために何が出来るか」を問うのは、無駄なことなのだろうか。
