職場へ行く途中の電車から、空気の澄んだ朝には富士山がよく見える。
遠く離れた埼玉からでも、ハッキリと見えるのだ。
高くそびえる霊峰富士を眺めながら思うのは、リタイヤに終わった「第23回チャレンジ富士五湖」の記憶、そして同じ轍は踏むまいと誓って臨む「第24回チャレンジ富士五湖」。
よっぽど悔しかったのか分からないが、ほぼ毎日のように思い続けて丸1年が過ぎた。
年に1度の荒行。そして、年に1度の大道楽。
2014年4月22日の、富士五湖の天気は「くもりのち雨」
今年も富士山は雲の向こう。
埼玉から望めた富士山が、こんな近くにいてなぜ見えない?
あくまで確率論だが、4月の下旬というのは統計的に週末の天気が悪くなるようだ。
「世界遺産を愉しもう」なんて、何を呑気な。
今回も、過酷な試練が待っている。
当日は2時40分に起床。
目覚ましが鳴る前に起きた。5時間少々ながら、案外よく眠れた。
例によって早すぎる朝食。
いそいそとテーピング等の準備。
3時40分過ぎにホテルを出て、
バスで富士北麓公園陸上競技場へ。
・・・緊張はない。違和感もない。
きわめて淡々と、スタートまでの時間が過ぎていった。
富士北麓公園。標高が上がると様子が変わる。
弱いながらも霧雨。風はないが、冷える。
今年から「100kmの部」は参加者の増加により、スタートが5時と5時15分の2グループに分けられるようになった。これによって「72kmの部」のスタートも例年より15分遅い、8時15分に変更された。
5時にスタートする第1グループに割り当てられたのだが、
自分にとっては今思えば、この第1グループからのスタートが及ぼす影響は悪い意味で小さくなかった。これは追々、記していきたい。
全身を軽くストレッチ。スタート地点まで歩くだけのノーアップ。
スタート時刻の5時が近づく。
インナー+ネックつき長袖シャツに、レインコートをしっかり羽織る。
去年ほどではなくとも、今年も寒さと雨が敵になる。
手を合わせ、今日1日の無事を祈って、号砲。
山中湖1周、河口湖、西湖、精進湖1周、本栖湖の入り口で折り返して再び西湖、河口湖と巡って富士北麓へと帰ってくる100km。
2年ぶり2度目の完走を目指して、長い長い1日が今年も始まった。
(つづく)