前日までに決まっていたこと。
レース後、自宅近くの焼肉屋へ行く。
グロスで4時間を切ってゴールできたら、食べ放題のランクが1つ上がる。
※グロス=スタート時刻(9時10分)からゴールするまでのタイム。整列位置からスタートラインをまたぐまでのタイムロスも含まれる。
ネットの自己ベスト(3:54:48)を更新できたら、食べ放題のランクが2つ上がる。
※ネット=スタートラインをまたいだ瞬間からゴールするまでのタイム。
東京マラソン2013当日。
快晴。朝の風はそれほど強くなく、寒さもあまり感じない。
2年前に続いて2度目の参加。ありがたいこと。感謝の一言。
沿道の声援は絶えることなく、2年前に比べてもはるかに多かった。
頭につけた、埼玉県のマスコット「コバトン」に気づいてくれる人もたくさんいた。
仮装までいかなくとも、何か声を掛けてもらえるものを装着しておけば「自分への声援」が返ってくることもある。それが疲労を和らげてくれる。
予定スプリットは5分30~35秒/km。
序盤から身体が軽ければ、自然とそれ以上のタイムが出る。
15kmまでの実際のスプリットは、だいたい5分20~25秒/km。
もちろん無理はしていない。むしろ意識的に抑えて走っているつもりだった。
つまり、走る前の燃料タンクが軽かった。
よって後半、間違いなく脚が止まる。
皇居を抜けて品川を折り返し、日比谷に戻ってくるまで、
時に5分20秒を切るペースまでになりながら、軽快すぎる今日の自分に歯止めを掛けられない虚しさというか、あきらめというか・・・
朝食もしっかり摂って、レース前の補給もしたが、
それでも足りなかった。バナナ1本ぐらい足しておけば良かったのかもしれない。
有楽町。ハーフの通過が1時間55分50秒ぐらい。
単純に2倍すれば食べ放題2ランクアップまで狙える時計だが、余力はとっくに残り半分を切っていた。
でも、身体にさえ変調がなければ押し通せるかもしれない。
攻めていったと考えて、このまま粘り込んでしまえばいい!
・・・と考えはじめた22km過ぎで、右脚のふくらはぎに違和感がくる。
つかの間のポジティブシンキングだった。
こんなに早くふくらはぎが痙攣することはない。
明らかに今日はおかしい。
もう楽しんで走る余裕すらなくなってしまい、
浅草を折り返して日本橋、銀座まで帰ってくる頃には右のふくらはぎは痛みに変わり、
多少かばって走るフォームになったためか、両太ももにまで痛みが回ってくる。
決定的だったのは、銀座和光の交差点を曲がる時。
ふくらはぎの痛みがピークに達して・・・
明日の仕事のことを考えてしまった。
もう無理はできないと、自分にブレーキをかけて、
記録へのアタックは終わった訳である。
しかしレースは終わっていない。
まだスプリットは5分40秒台でなんとか保てている。
途中トイレで2分ほどロスしたものの、6分/kmを超えない限り、
グロスのサブ4は十分いけるペースだ。
築地を過ぎ、佃大橋へ向かう。
2年前より脚が重い。視界も狭くなっていく。
はっきりスタミナが切れたと自分でも分かった。
豊洲、東雲のあたりはぼんやりとしか記憶がない。
もうフォームもへったくれもない疲れっぷりだが
なんとかストップウォッチを無意識に押してはいたようだ。
後で見たところ、38kmからスプリットが6分台に入り、
39~40kmは6分20秒/kmまで落ちていた。
・・・ここまでが、私の中での「東京マラソン・前半戦」である。
今回は41km、左にゴールの東京ビッグサイトが見える
有明からの記憶が、このレースの印象の大部分を占めるものだった。
(つづく)