本栖湖から、復路の30km。
コースの大部分は往路と異なる道を走ります。
精進湖、西湖、河口湖も往路ではそれぞれ上半分をなぞったので
帰りは残りの下半分を走り、ゴールの富士北麓を目指します。
当然ながら、脚はかなり重くなっておりまして、
エイドのごとに水は飲むだけでなく、頭からかぶり、背中も冷やし、
両脚も太もも、ふくらはぎ、足首と、CW-X(タイツ)の上から
シューズが濡れない程度にぶっかけて冷やします。
気温はスタート時から2度下がって14℃。
徐々に風が強くなりそうだったので、手袋、アームウォーマーは
ゴールまで外すことがありませんでした。
スタート前から考えていたのですが、
これはウルトラマラソンを走る上で「戦術」ともいえるテーマですが・・・
初めてフル以上を走るということで、無理に「完全完走」を考えない。
終盤、どこかで「歩く」ことを含んだレースプランを立てていました。
ただ、前半から無理に貯金を作りすぎる速さではいけないし、後半の早い段階で歩いて貯金を使ってしまうことも、制限時間との戦いという意味ではリスクになる。
自慢ではない・・・いや、自慢ですが(どっちやねん)過去、出場した大会の全てにおいて私は「歩いた」ことが1度もありませんでした(エイド等は別です)が、ウルトラ初心者の身ではそうはいきません。
エイドでの小休止に時間を割きすぎない代わりに、時計を見ながら無難に歩く時間を取る。ウルトラは頭を使う要素も多分に含む、計画的なスポーツです。
往路よりさらに短い精進湖を抜け、樹海を渡す橋の連続を登りきり、野鳥の森公園のうどんはパスしてサプリをしっかり摂り、
「とりあえず西湖までは走ろう」と気合いを入れて、身体が傾くほどに風が強く吹く湖畔に苦しみながら、西湖を抜けました。
ここまで58km。あと14.5km。
予定通りのタイムで距離を踏み、やっとこさ、ゴールまでの「計算」ができる場所まで来たようです。
奥には青々とした河口湖が見える、トンネルの手前。
軽い登り坂を前に、思わず・・・
「歩こ。」
(つづく)