夏休みの課題図書-④ | 小学校での読み聞かせ活動記録

夏休みの課題図書-④

重松 清
その日のまえに

凝りもせず、第52回青少年読書感想文全国コンクール の課題図書の読書感想です。今回の作品は、高等学校の生徒が対象の作品ですが、図書館では一般書籍として配架しているところが多いように思われます。図書館員の多くが、大人を対象にした作品に分類できると判断しているということでしょう。


確かに、死というものをテーマにした短編集で最終話に向けて収束してゆく構成力は圧巻ですし、その盛り上げ方も、結末も優れています。「死」という概念を核としいますから、どうしても重圧感がありますが、死を見つめた先に生きることの大切さを訴えているので、やるせなくなるような読後感はありません。


思春期の多感で、生きることに貪欲な時期にこういう「死」という形もあり、「死」というのも、受け止め方一つで色々な見方があるのだということを学ぶために必読だと思いました。思春期の少年少女は、そのような読み方ができるのですが、最終話にまつわる三部作は、中年女性が夫と子ども二人を残してガン死する内容ですから、私にはリアルで怖い作品でした。課題図書になっていなければ、手に取ることのなかった作品ですし、知ることのなかった作者です。


これを期に、少し重松清作品に手を染めてみたいと考えています。