これはノンフィクションというか回顧録や伝記に近いものになりますが、金融関連職についているので大変興味深く読みました。著者は「オリンパス巨額粉飾事件」の簿外処理の指南役だったとして966日間も長期拘留されてしまった横尾宣政氏。


(画像お借りしました)


横尾氏の現在について少し調べたところ、2019年2月の時点で最高裁に異議申し立て(第一審、第二審は共に有罪判決)をしていることがニュースになっていますが、それ以降についてはよくわかりません。私は常々日本の司法制度は信用できないと思っているので、こういう人にぜひどんどん書籍を出してもらって毒抜きをしてほしいと思っています。本人からしたら966日間(約2年8ヶ月)の間家族とも会えず、好きなこともできず拘留されるなんてとんでもないと思いますが。


さて、こちらの書籍の内容としては、7割が横尾氏の野村證券における半生についての回想で、3割がオリンパス事件を横尾氏目線で見た記録が書かれているものです。逮捕・勾留されてからの話も多少記載はありますが、そちらにより興味のある方は、横尾氏のご息女が編集しているこちらの本を読んだ方がいいかもしれません。



横尾氏とご高齢のお母様とのやりとりをまとめたもので、私はまだ読んでいないのでいい本かはわかるませんが、題名からして泣かせにきてるな( ´ ▽ ` )


横尾氏は野村證券に入社後すぐに頭角を現し、瞬く間に出世街道を駆け上る猛者であったようです。読んでいて面白かったのはやはり、働き方そして仕事に対する考え方の違いですね。彼も典型的な仕事に生きる熱血タイプで、夜中や週末まで仕事に明け暮れていたことを懐かしく思い出す一方、「最近の若者は」節を繰り出してくる普通のおじさんです。家庭は妻に任せきりで、もう自分はひたすら仕事仕事仕事、上司にいたら面倒くさそうなタイプ。


本当に時代によって人は変わりますね。横尾氏始め、今のおじさんたちを反面教師にして、Z世代の子たちがどんどん入社してくるようになっても、「最近の若者は根性がなっとらん」とか言いはじめないように気をつけないとな。


内容としては面白かったけど、横尾氏の伝記的要素が強いので、司法とか検察の闇とかそういうのに興味が出てきたので今度はこちらを読もうと思います。


あとは、この2冊も合わせて読了しました。


さすが名作。後世の残るものはやはり一流の作品が多いですね。久しぶりに、本を読んでいながら、ヨーロッパの田舎の風景の中で、陽の暖かさを頭と肩に感じながら、草の匂いがする風を顔に受けて、主人公の少年が魚を釣っているのを横で見ているような感覚を味わいました。今後も息抜きに、昔の文学作品を入れていこうと思います。



これもまあ息抜き。「この1冊ですべてわかる」っていう文言からして内容が薄いのがわかりますよね( ´ ▽ ` )うんうんそうだよねえ、と思いながら一気に読みました。


これで11月に読んだ本は8冊。でもイノベーションのジレンマは10月末から読んでたし、Edge ofChaos は飛ばし読みしちゃったし、気分的には7冊ですね。


そんな感じ。