いやー衝撃的というか刺激的というか、薄目で読むくらいがちょうどいいな、と久々に思った書籍でしたねうん。著者は中国四川省生まれで、2007年に日本国籍を取得されている元中国人です。


(画像お借りしました)


中国共産党の創立(ソ連のコミンテルンが共産主義を広めるために作った)から、習近平政権にかけての100年間の歴史を特に暴力の観点に著しく焦点を当てて書かれています。中国では恐らくこの辺りの歴史は書き換えられているか、抹消されているのでしょう。


事実だけを完全書き下ろし、という売り込みですが、そもそも著者は中国の民主化運動に関わったこともあり、日本国籍をとって中国人を辞めるとうなんとも徹底した中国嫌いなので、随所に著者の嫌悪が見え隠れしておりました( ^∀^)読むの疲れるう。


初めから終わりまで、共産党が今までどんな虐殺、拷問の限りを尽くして、自国民や少数民族を弾圧する一方で、党幹部が汚職の限りを尽くして贅沢三昧してきたか、について赤裸々に暴露されています。これ、前書きに、日本人が知っている共産党の歴史は、中国共産党が作り上げた虚構であって、これが真実ですっていうふうに書かれているんですが、実はこの本、脚注もないし参考文献も載ってないんですよねえ。アフリカ関連の似たような書籍読んだときは、かなり懇切丁寧に情報源が載っていたので、ギャップに驚いています。正直後者の方がどう考えても説得力あります。いや、別にこの本が嘘だって言ってるわけじゃないですよ、要は体裁の話。


ここで私の意見を書かせていただくと、私は中国共産党の政治活動について全面的にネガティブに考えています。この本の他にもいくつか書籍を読んでいますが、ウイグル人、チベット人をはじめとする少数民族の弾圧、過度な抗日(反日)運動、アジア各国での国境紛争など、やることなすこと全然気に入らないし、国際社会の対応が緩いことや安保理(そもそもこれもより良いな代替組織がないから受け入れざるを得ないのであって、別にいい仕組みだとは思ってないが)で中国がいまだに拒否権使えることとか不満に思っています。


ただし、だからと言って「中国人」が嫌いなわけではないし、「中国文化」を軽視してる訳じゃないんだけど、ここのところ混ざっちゃう人が多いのが問題ですね。


で、こういう本を読むときに気を付けているのは、これは著者石平氏の私見である、ということを念頭に、彼の思考をそのまま私の思考に置き換えないように気をつけています。そりゃあぶっちゃけ反日運動の章とか読むと、大して愛国心があるわけでもないのに腹立ちますけどね。だからと言って、よっしゃ、ここは一丁反中で対抗や!とかやっちゃう人が増えるとファシズムが台頭しちゃうのでね。扇動されない、自分で多様なソースから調べて、考えて行動することが大事。


ということで、扇動されない自信がある人はどうぞ読んでください。残念ですが、事実に基づいているのかどうかは私にはわかりません、だって引用がないから。ここで買えます。



次は経済誌挟んでこれかなあ。ちょっと箸休め。アフリカ関連本を探していて見つけてノンフィクション作家。


そんな感じ。