読了。ちょっと土日祝日と予定詰め込みすぎて読み始めてから10日もかかってしまった。Nudge The Final Edition というタイトルで、2009年に出版されているものを一部改訂して、昨年の8月に出版された書籍です。



(写真お借りしました)


行動経済学の本で、さすが売れているだけあってかなり内容が濃くそして何より、面白い。Homo Deusや脳科学の洋書を読んでたときは、正直難解な単語が結構出てきたり医療用語が出てきたりで、時々心折れそうになりながら読み進めてましたが、今回はほとんど辞書(というか携帯でググるだけですが)使わずにスイスイ読めた。結構声出して笑っちゃう描写もあって楽しかったです(・∀・)


詳しい内容は山ほどあるであろうまとめサイトに譲りますが、Nudge(本書内では「Libertarian paternalism」として定義されています)とは、我々がより良い決断を下せるように、指でチョンチョンと肩を叩いてより良い方向を向かせてくれるような仕組みのことで、一番最初の例として、大学生が使うカフェテリアのオーナーの話を出しています。このオーナーは、育ち盛りの大学生たちがより健康的な食事を取るように、カフェテリア内の食事の配置を入れ替えて、野菜や果物を目線が行きやすい箇所に置き、逆にオヤツやピザなどは奥まった場所に配置するように指示を出すことで、大学生の食事の傾向を大幅に健康的に改善します。このオーナーの行動によってできた環境をNudgeと呼び、オーナーのような立場にいる人のことをChoice Architectと呼んでいます。


ポイントの一つは、大学生たちには「ピザを食べる」という選択肢がまだある、というところ。もちろん野菜を食べた方が健康にはいいけど、だからと言って食べるもの全てをコントロールするのではなく、選択肢は残しつつ、あくまでもより良い結果に至りやすいような環境を整えるというのがミソ。


本書では、まず人間が行動経済学にどれだけ影響されやすい生き物であるかを紐解いた上で、さまざまな例からどういったNudgeが有効かについて説明していきます。その上で、社会生活の中で特にNudgeを必要とするお金周り(クレカ、ローンなど)や社会問題(臓器提供など)について、具体的にどういったNudgeを使えばどういうアウトカムが期待できるか、について書かれています。なんと一番最後の章では「The Complaints Department」と題して、2009年の初版以降寄せられたNudgeに対する批判に答えています。いや、おもしろすぎ( ^∀^)


大変おもしろかったのでこれはおすすめです。和訳があったかどうかは知らんけど、多分中学校英語マスターしてれば読めそうな気もする。どうぞ自己責任で購入してください。



次はこちらを読みます。


プーチンについても書いてあるらしい。


ところで、世の中でまだロシアの肩を持っている人間が、徹底的なプロパガンダで洗脳されているロシア人以外にもまだいることに驚きを禁じ得ません。私はネットでの個人攻撃や、過激なことを書くことには興味がありませんが、ここまできてもロシアを庇うようなことを言う人間に対しては、1回は説明のチャンスを与えますが、説明がロジカルでないと判断した場合、心の中でそいつの存在を無かったことにします( ^∀^)


そんな感じ。