クローバー(ノンフィクション小説) -217ページ目

事件‐1‐

学校へは毎日片道1時間はかかる距離を自転車で通った。

家は山に囲まれ、聞こえてくるのは川のせせらぎぐらい。
田舎、ど田舎。街灯なんてない……

夜は真っ暗闇。恐ろしい程静寂に包まれる。
変質者が頻発した。
だからみんな親に送り迎えしてもらうんだ。

そんな中、1人自転車で通い続けた。


その時は別に親に送り迎えしてもらう程の事でもないと思ってた。

18歳-2-



やりたい事?

……ねぇよ。
三者面談……上の空

机の前に担任、隣には母親がいて交互にそれを見ながらまるで他人事のように話しを聞いていた。


分かった事……あたしは看護学校を受験する。

18歳 ‐1‐

ルナ18歳。高校3年……

褐色の木の葉が散りゆく秋。
期待に胸膨らませる者がどれくらいいるんだろう……


人生の別れ道。
進路……


心は空っぽだった。