死ぬはずだった夜‐61‐
だが知り合いの男も付き合った男も全て
犯人とは一致しなかった
調書は教科書のように分厚くできあがり、
その1枚1枚に自分の指紋を捺していく……
調書に間違いがない事の
証である指紋の捺印。
すぐに警察を呼ばなかった事も
部屋の指紋を消し重要な証拠を失くした事も……
自らの証言で捜査を混乱させてしまった事も……
誰のせいでもない。
犯人は
未だ見つかっていない……
今背負うトラウマは
自分がついた嘘の代償。
教官はこの寮ができて以来
前代未聞の事件だと言った。
そして卒業してから
同様の事件は起きていない。
それが救いだ……
自分がした事は間違っていると
批難されても仕方ない。
ただ……
その時の自分は
何度同じ目に遭ったとしても
同じ道を選んだだろう。