死ぬはずだった夜‐55‐ | クローバー(ノンフィクション小説)

死ぬはずだった夜‐55‐


「強姦はされてません」

「ほんとに? こういう犯罪は加害者に脅されて口止めされてる事が多いの」

実際強姦などされていなかった。
高校の時に変質者に襲われた時も
暴行だけで済んでいる……


「いや、ほんとにされてないんです」

「……分かった。 じゃあ犯人に見覚えは?」


「ないです。顔は覆面していたので分かりません」

男は痩せ型で小柄の筋肉質
歳は自分より年上な気がした……

上下ジャージ姿で
ジャージのロゴまでちゃんと覚えていた。

「そっか。あなた抵抗はしなかったの?」

「してません」


「声もださなかったの?」

「はい」


「何故?」

「抵抗しても無駄だから」


抵抗した時などによくできる
かすり傷などは一切なかった。

ずれのない首の手形からも
抵抗していない事が分かったようだ。