死ぬはずだった夜‐34‐
はっと我に返った。
生きてる?
死んでる?
わたしは
……まだ生きていた。
男の手元が緩んでいる。
死んだと思って怖くなったんだろう……
男は小刻みに震えていた。
そして意識が戻った私は
再び男を見つめた。
次は何だ?
何するつもりなんだ?
この生と死の狭間の異様な空気は
誰にも味合わせたくない。
心臓が握り潰されるような
そんな感じ……
極度の圧迫感と
張り詰めた緊張感。
これを経験した者は
心に一生の傷を背負うだろう……
良かった
これが自分で
よ か っ た 。