死ぬはずだった夜‐29‐ | クローバー(ノンフィクション小説)

死ぬはずだった夜‐29‐


男の手は震えていた。

やはり男は動揺している……

この状況で言葉も発さず
抵抗もしない女。


何故なら……
男の力に女は敵わない。

だから抵抗しても
無駄だという事は分かっていた。


そして冷静な理由は
もう一つ

生への執着がなかったから


だけどこの時は
少しだけ怖かった……

今まで同じ様な目には何度か遭ってきた。

九死に一生も経験した。


なのにその時とは違う感情……



わたしは恐怖を感じていた。

何故ならそれは
生きる希望を見つけ始めていたから。





まだ




……死にたくない。