李相日監督が好きで、観に行きたいと思っていた『国宝』。日に日に良い評判が増えるので、気になって仕方がなくなり、観に行って来ました。
芸の魅力に心奪われた者のお話。
映像がとにかく美しく、歌舞伎の完成度の高さに圧倒され、生き方について考えさせられました。
大きなものを掴むためには、何かを捨てたり、傷つけたり、マイナスなことも必要なのだろうか。
身近な人を傷つけたり、騙したりして得た地位ではあるが、その何倍もの多くの人々の心を救う芸ができる。傷つけた相手でさえ、複雑ではあるだろうが感動させる芸ができる。
本人はわかっていたのかもしれない。
上に行くには生まれた血筋などが関係してくる世界で、自分の考えや力だけで国宝まで辿り着いたのは、本当にすごいと思う。
やっぱりそこまでさせる芸の魅力なのか。魅力と、喜久雄くんの心情と。
あまり何を考えているのかわからない喜久雄くんが、彰子ちゃんと屋上にいるシーンで、彰子ちゃんがいなくなってから笑いながら踊るシーンがありましたが、心が壊れてしまった時の、どうしようもない感情が痛いほど伝わってきて、とっても辛かった。
もしかしたら、そのどん底の経験や、傷つけるとわかって傷つけた経験や、いろんな経験をしたからこそ、人を救ったり感動させたり、圧倒的な演技ができるようになったのかもしれない。
ちょっと私の中では複雑な気持ちだが、きっとそれがその人のこの世界での役割であるのかもしれない。
個人的には、きくちゃんとしゅんぼうがきっとライバル心はありながらも仲良く練習したり、学校通ったり、大人になってからも悔しさとかはあったとしても、お互いを認めて優しい関係でいてくれたことが、すごく良かったなと思った。ふたりの交友シーンは見るたびにほっとさせられました。
あとは、彰子ちゃんがお父さんに放った『出てって!』が本当に良かった。かっこよくて、スカッとしました。
舞台のシーンも声の調子だったり仕草や動き、すべてに釘付けで、緊張感もすごくて、観入ってしまいました。
どのシーンを切り取っても素敵で、どの場面も映像が生きていた。
改めて李相日監督の作品は本当に楽しませてくれるなぁと。。やっぱり好きです。
とっても面白かったです♪