従業員のモチベーションの話をした。
また,ちょっとダメな大企業の話もした。
で,常々考えていること。
我が国は,ここ10年,さらに凋落が進んだ感がある。
その原因について。
バブル崩壊と前後するように,
戦後焼け野原から我が国を復興させた世代(生きるか死ぬかを潜り抜けた世代)
から,戦後教育を受けた世代への世代交代が起こった。
戦後教育を受けた世代は,GHQから自虐的な歴史観を強制された世代であり,
人を大切にするという意識が希薄だった(仮説につき要検証)。
だからこそ世代交代を経て,日本企業のトップになった面々は,
バブル崩壊後の不況の中で,
人を,使い捨てするコマくらいの感覚になって,大切にすることをしなかった。
派遣業法の改正が象徴的である。
つまり,「働き方の自由」などという詭弁を弄して
(民法上正社員であっても2週間前の告知により会社を辞めることは自由であるにもかかわらず),
派遣労働が解禁されたことにより,
労働者の地位が著しく不安定なものとなり,
本来,労働者へ届くべき富が,中間のブローカー企業に搾取されるようになってしまった。
雇用環境が不安定なものとなれば,国民は将来のビジョンを描くことができず,
結婚も遠のくし,子どもをつくることもしなくなる。
それが,不幸にも,第二次ベビーブーマー以降が婚姻適齢期を迎える時期と重なってしまった。
少子化などは必然である。
ここに来て,人を大切にしない国は亡びるという現象が顕著になる(何と分かりやすい)。
ドラッカーなどが,日本が人を大切にする国であると見ていたにもかかわらずのテイタラクである。
しかし,派遣業法改正に走らせたのは,
我が国の硬直化した会社人事に関する法制度(解雇権濫用法理)にも一因がある。※
企業は,いったん正社員として雇用したら,容易に解雇することができないため,
企業にとって人を正社員として雇用することのリスクが大きくなり過ぎてしまった。
生涯面倒を見なさい,生涯収入を保証(補償)しなさい
と求められるとすれば,その負担はあまりに大きい。
この点については左派法曹と裁判所の罪である。
左派法曹も裁判所も,「人を大切にしろ」という理念は同じであったはずであるが,皮肉である。
さて,何から手をつけたらいいのか。
個々の事象に対する手当もあるが,
大上段に構えるとすれば,
現役世代は,次世代のための捨て石として,世代交代が進んで行くのであるから,
希望は,将来我が国を背負う子どもたちにある。
ということで,教育が非常に大事になるのだ。
※なお,解雇権濫用法理は,資本の大小に関わらず適用されることに大きな問題がある。
個人経営や中小企業では,経営陣もヒイヒイ言いながら労働して給料を支払っている。
もはや,強大な資本家VS搾取される労働者という構図は当てはまらない。
左派法曹と裁判所は,そのあたりを見誤ってしまったようである。


