ディジタル時代ニューヨークの老舗古本屋さん | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

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日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

 
 
 
子供の頃、わたしは
古書独特の紙の匂いが好きでした。
 
 
学校の図書館の隅っこに追いやられた
装丁がボロボロになった古本を開いて
まずはあの匂いを嗅ぐのです。
 
相当に変な子ですよね。
 
 
けれど、大人になって
アメリカのファッション誌で
香り嫌いな山本耀司さんが
香水を開発するとなり
まず浮かんだ香りのイメージが
「古書の紙の匂い」だったというのを読み
ああ、私だけじゃなかったんだと
とても嬉しかったのを覚えています。
 
 
 
 
先日、娘たちが連れて行ってくれた映画
役所広司さん主演の
「Perfect Days」
 
じわじわっとくるとてもいい映画でした。
カンヌ映画祭で役所さんが
主演男優賞を受賞されたのも納得です。
 
 
その中で昭和にしか存在しなかったような
下町の古本屋さんが登場します。
 
主人公の平山(役所広司)の行きつけです。
 

 

実際に存在する本屋さん
東京都台東区浅草1丁目39−9
 
 
今度帰国した際には行ってみたいです!
 

 

 

 
 

 

このシーンを見ていたら急に

古本屋さんのなんとも言えない

カビ臭さと古い紙の匂いを思い出し

 

 

たまらなく岩波文庫の本を

直接手にしたくなりました。

 

 

 

カバーを外すと出てくる

あの肌色に唐草模様の飾り罫の装丁

 

 

岩波文庫は文庫本の元祖なんです。



かすかな匂いと共に

懐かしくフラッシュバックしました。

 

 

手のひらサイズの文庫本は、

アメリカのペーパーバックとはまた違って

本好きにはたまらない「お供」です。

 

 

 

 
このディジタルの時代
本を読む人の人口は
めっきり減ったと思います。
 
それはニューヨークも然り。
 
けれど、ニューヨークには
名物と言っていい
老舗古本屋さんがあります。
 
 
strand」です。
 
上記の地球屋とは違い
スケールはうんと大きいです。
そしていつもとても混んでいます。
 
828 Broadway, New York, NY 10003
古書ばかりか新書も売っています。
哲学や金融など、さまざまな分野の新刊本、
古本、希少本を取り扱っている有名書店。
 
 
 
 
 
なんとこの本屋さんの
トートバックまで発売されています。↓
 
 
Strand Bookstore toto bag
 
 
 
やっと目がよく見えるようになり
また本を読むのが
とても楽しくなりました。
 
 
 
 
100年以上前に出版された
世界を旅行する際のガイドブック
 
不思議なことにアメリカの古書は
日本の古書のような
紙の匂いはしません。
湿度が違うからでしょうか。
 
 
 
 
我が家の一軍の本棚には古い本がいっぱい。
けれど岩波の文庫本はありません。
アメリカにくるときに
処分してしまったようです。
 
 
 
 

岩波文庫で買う本は

純粋な娯楽というより

ちょっとハードルが高い本や

教科書的な大作が

多かったと記憶しています。

 

 

夏目漱石、太宰治

マルクス・エンゲルスなどは

岩波の文庫で読みました。

 

 

※岩波書店のサイトによると

カバーをはずすと出てくるあの表紙は

1927年の創刊以来90年間変わらず

平福百穂画伯(1877―1933)装丁の唐草模様.

奈良・正倉院所蔵の古鏡「鳥獣花背方鏡」の

模様を模した図案です。

 
 
 
 
 
 

 

 

 

映画「Perfect Days」

この映画を見終わった時
娘が、この映画を好きになるとは
到底想像できませんでした。
 
 
が、かなり感銘を受けたようでした。
 
 
 
たくさんあるその理由の一つは
平山が手にした本でした。
 
 

 

1冊百円の古本屋で平山は、

パトリシア・ハイスミスの

「11の物語」を手にします。

 
 
娘もこの作者の作品が好きで
たくさん読んでいたのです。
 

パトリシア・ハイスミス「11の物語」

fwiw6180さんの批評が素晴らしい

(一部抜粋)

 

不安な心持ちを自分のなかで育ててしまうような人は、ハマるかもしれない。

90年ごろに、パトリシア・ハイスミスの小説が、次々と翻訳、文庫化されたことがあった。

この短篇集も90年に初版発行されたハヤカワ・ミステリアス文庫と同じものだと思う。

11の短篇と、グレアム・グリーンが書いた4頁ほどの序文が付いている。

あらためて読み返してみると、自分の若いころの不安定な心持ちが甦ってくるというか、こういう何かつまらないことが気になってしょうがなくなって、不安な心持ちになる登場人物たちに共感していたことを思い出す。

 

不安な気持ちをつきつめて、本人はまっとうだと思っているのに、他人からみるとおかしな行動をとっていく、日常を逸脱していく人々が面白く、読んでいる者も、のめりこんでいく。

 

この短篇集は、そんなパトリシア・ハイスミスの世界への入口として、いいかもしれない。

 

年をとると、若いころにヒリヒリとあった不安な心持ちは封印して、ドイツの教養小説などを読みながら、平穏に生きているつもりだったが、パトリシア・ハイスミスを読むと、またぞろ不安な心持ちが顔を出してきて、また封印していた蓋をあけるんかい!?というような気分になってきた。

 

心の琴線に触れるレビューです。

 

 

 

 

 

「Perfect Days」
一見地味な映画なのに
アメリカでの評判も上々。
 
それもそのはず、カンヌ映画祭で
役所さんは主演男優賞を
受賞しているのですね。
 
 
平山が映画の中で
本を読むのを見ながら
また文庫本が読みたくなりました。
 
 
今度、Strandにも行ってみようと思います。
 
 

 

 

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意外や意外

40年前のワイドパンツと

シルエットが似ている。

ポイントはパンツ丈。

当時より今は2cm長めバランスです。

 

 

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靴がすっぽり隠れる床丈

 

 

このバランスだと3〜4cm短く

その分足が短く見えてしまいます。
 

 

 

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