心がザワザワした邸宅美術館 | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

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日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

夫の所用につきあって
ワシントンDCに2泊で行ってきました。
 
 
火曜日、夫は朝から晩まで
ずっとミーティングが次々と入っていたので
わたしは、昼間はいつものように
コンピュータに向かい
閉館間近になって
これまで行ったことがない
美術館に行ってきました。
個人美術館フィリップスコレクションが
なかなかよかったです。
 
 
 
 
そして最終日は、
二人で自転車をレンタルし
 自転車で20分ぐらいの郊外にある
やはり初めて行く
(ヒルウッド庭園美術館)に
行ってきました。
 
 
ここは、20世紀初頭に
27歳という若さで
父親のビジネス(シリアルの会社)と
莫大な財産を一人で相続し
アメリカで最も裕福な女性となった
マージョリー・メリウエザー・ポストが
自分の趣味で建てて住んでいた大邸宅です。
 
1970年代に彼女が亡くなった後、
一般公開されるようになりました。
 
 
 
四度結婚したマージョリー。
長寿をまっとうしましたが
ありえないほどラッキーな人生を
歩まれました。
 
 
 
 
三度目の夫は弁護士兼外交官
フランクリン・ルーズベルト大統領の側近で
ソビエトやオーストリア大使を務めました。
その関係でこの邸宅では
政府の要人を招いた晩餐会が
かなり頻繁に開かれました。
 
 
 
お天気にも恵まれ
本当に気持ちの良い場所でしたが
 
 
 
こういうところに来ると
ついついザワザワしてしまうんですよね。
 
 
 
 
その理由を考えてみました。
 
 
 

 

 

 

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先日爆発的にご注文いただいた

カシミアのセーターの白蝶貝のボタンとお揃いで

真珠母貝のピアスを合わせてみました。

 

 

 

 

 

 
その理由は。。。
 
 
彼女はロシアやヨーロッパの
最終的には滅亡した王侯貴族の所有品に
固執しすぎている気がするのです。
 
 
 
 
 
また、
これほどまでの富が1箇所に
集中していたということは
一方で圧倒的な貧困が
対照的に存在する証拠。
 
 
眩しいほどの光があれば
色濃い影が必ず存在する。
 
 
表の眩しさを見れば
ついついその裏の影の部分を
想像してしまうのです。
 
悪い癖かもしれません。
 
 
 
また、マージョリー自身が
目も眩むほどの富を謳歌できた
20世紀初頭、アメリカには
州税が存在しませんでした。
 
 
 
 
マージョリーが使っても使っても
湧いてくるほどの富を注ぎ込めたのは
この税金面での
アドバンテージも大きいのです。
 
 
さらに彼女は、
ロシア革命の後に放出された
王侯貴族のファベルジェ、
セーブル陶器、王冠や
マリーアントワネット、
ナポレオンなどの宝飾品や
家具などを集めました。
 
 
 
 
 
 
マージョリーと
二番目の夫ハットンの間に生まれた娘
後に女優として活躍するデイナ・メリル
 
二度目の夫と結婚している間
父から受け継いだ会社は
ゼネラルフーズとして躍進し
冷凍食品やマヨネーズ、Jell-Oなど
今も愛され続ける食品を開発しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
マージョリーの寝室に隣接した
巨大なクローゼットにディスプレイされていた
コロンビア産のエメラルドのブローチ。
上記のポートレートにも登場します。
 
指輪はメキシコで3年だけ王位についた
マキシミリアン皇帝の21カラットのエメラルド。
この皇帝は最後は処刑されています。
 
 
 
 
 
ポスト・グレースケリーとして売り出した
女優デイナ・メリルとなった
娘ネデニア・マージョリー・ハットン
 
 
 ライブラリーにはペットのベッドも当時のまま
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
文字通り銀のスプーンをくわえて
生まれてきたマージョリー。
 
 
最後の最期までお金の苦労をすることなく
長寿をまっとうしました。
 
 
彼女がコレクターとなるきっかけは
三度目の夫がソビエト大使として
1935年ソ連に同行した時でした。
 
 
革命で崩壊した元ロシア貴族の
ただ同然に放出された財宝を
一挙に買い漁る機会に恵まれたのです。
 
 
それは後にアメリカで
批判の的となったほど。
 
 
 
彼女のコレクションには
印象派の絵もアールデコやヌーボーの
芸術品もありません。
 
 
 
多くがロシアやフランスの
滅亡した王族などが
所有していたものが中心なのです。
 

 

1840年ロマノフ王家に嫁いだ花嫁の王冠。
無数のダイヤモンドは女帝エカテリーナの
オーナメントから移したもの。
ロシア国外に存在する
唯一のロシアの王冠。
 

 

 

 
 
ディスプレーされている食器は
200年以上前のものも含まれ
全てが日常に使用されていたそう。
 
 
 
 
 
マージョリーは
前世期に栄華と贅の限りを尽くし
民衆たちの不興をかった
階級が所有したものを
集めたともいえます。
 
 
彼女自身も世が世なら
王侯貴族のような生活を
所望し夢見たからでしょうか。
 

 

マージョリーの寝室に隣接する巨大なクローゼット

 

 

花柄の箱のラベルは「黒いレースのブラウス」
 

 

 

 

 

部屋の伝統のスイッチも当時のまま
とても趣があります。
 
 
全て手描き。
 
 
 

 

 

 
各部屋のサインも凝っています。
 
 
 

 

 

マージョリーのドレッシングルーム
 

 

 

壁に飾ってあるのはご自身と
娘のデイナの結婚式のお写真など

 

 

ピカピカに磨かれていた銀の手鏡など
 
 
 

 

とはいえ、マージョリーは
 
第一次、第二次世界大戦中
ゼネラルフーズを通じて
数々の賞を受賞するほど
慈善家として尽力をしました。
 
また、彼女のもとで働く人たちは
長く彼女に仕えることで有名でした。
 

 

当時最新の厨房。
全て完備していますが、
食洗機だけがありません。
どれほど大きな晩餐会を開いても
使った食器は全て手洗いだったそう。
 
 

 

 

 

 
ただ彼女は使用人たちを
とても大切にし
彼らが気持ちよく働ける条件を
心を込めて整えたからだと
言われています。
 
 
 
従業員たちは3食全て
お抱えシェフが作った食事をたべ
休憩時間はくつろげる広い部屋があり
執事ともなると
立派な一軒家が用意されていました。
 
 
 
 
見どころはお庭です。
 
 
敷地内には12の庭があり
その一つは日本庭園です。
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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