週末、Kバレエ鑑賞。
【カルミナ ブラーナ】
バレエ、合唱、ソロの歌、オーケストラ。
予備知識0で鑑賞したので、後からパンフレットを読み、復習。
すごかった。そして難しかった。
私がした解釈。
悪魔の子が、イタズラするように、人や自然界のものを翻弄して堕落させていく。そこに、あらがおうとして立ち向かう姿。
現代なら、コロナや戦争、物価高騰。
自分について考えると、生きている中でぶつかる様々な壁。人間の妬み、嫉妬など、人間が生み出す負の感情や、病気、別れ、人の死など、予測不可能なことに、立ち向かっている。
「カルミナ ブラーナ」は、ドイツ南部、バイエルンの修道院で発見された詩歌集に、カール・オルフが、作曲をした世俗カンタータとある。
(カンタータは、歌曲)
時代は、ドイツ、ナチスの時代。批判できない、抑圧された感情を、詩集にこめたのかな。
舞台冒頭、オーケストラ、歌、バレエが一体となり、迫ってくる重厚感。おどろおどろしい雰囲気に、一気に荒波にのみこまれ、世界に入り込む。
美しいヴィーナスが悪魔に翻弄され、エロスの象徴のようになるシーン。バレエでよく表現したな、と思う激しさに、ダンサーの気迫が伝わる。クマテツ演出のパッション!こんなに激しさ表すんだー!凄いエネルギー!これまで見たクラシックバレエにはあまりない世俗的なシーン。
男性ダンサー達の、コンテンポラリーダンスも好きだった。鍛えられた肉体の美しさから、圧倒的な力強さを感じた。
激しさの中、後半訪れた、少年少女合宿団の癒し。優しい光を感じて、やっとほっとする。
初めと、ラストシーンに熊川哲也が登場。
悪魔が支配する世界から、再び静寂へ。
哲学的。
悪魔は、人間の中から飛び出して、また帰っていくイメージ。
しばらく、頭の中をカルミナ ブラーナの冒頭が流れ、聴きたくなり、また音源をYouTubeで探す。
音楽、バレエ、絵画、建築。芸術は、時代を超えても、エネルギーがありつづける。それを生み出す人は、もちろんものすごい才能で、さらに継承することも、すごいエネルギーだと感じた。
さらに、受け取る側も、エネルギーを使ったのかもしれないな。