【ゴッホのあしあと】

原田マハ。

図書館で借りて、読みはじめた本。

原田マハさんの、アート小説が好き。

好きな作家のエッセイは、好きになることが多い。(村上春樹さんにはまった頃、村上ラジオはまったみたいに...)

この本は、マハさんのエッセイ&ゴッホ裏話が興味深い。

前半読みながら、「私、いつゴッホ好きになったかな?」と振り返る。

【自分の美術史】

小さな頃から、地元の富山近代美術館(現在の新しい美術館とは違う場所にあった。)に、たまに家族で出かけていた遠い記憶。


自分が初めて好きになった画家は【マティス】20代、上野の国立西洋美術館で開催中のMOMA展(=NY近代美術館展)。マティスのひとつの絵の赤が、強烈に心に残る。


それ以降、マティス作品を見たくて、上野に大きな企画展がくると、足を運んだ。


すぐに、印象派という言葉に出会う。

【ルノアール、セザンヌ、モネ、ドガ】と画家の名前を覚えていくのだが、マティスの次に好きになった画家が【モネ】。モネの作品【印象日の出】が、印象派の由来と知るが、晩年にたくさん描き続けた作品【睡蓮】を見た時に、もっと見てみたいと思った。(この頃、フランス語の勉強も10年近く、真剣に続けていた。)


そして同時期に好きになった【ゴッホ】うねうねした絵画がこわかったが、何か引き寄せられて、強く記憶に残った。


25歳、初めてパリの【ルーブル美術館】に行く。ただし、旅の目的は1998フランスワールドカップ(サッカー大会)。ルーブルは完全に不完全燃焼だった。とにかく膨大な展示量。【モナリザやサモトラケのニケ】を慌ただしく見て、次は、ゆっくり一人で観たいと思った。


27歳、一人でフランス再訪。3ヶ月の観光ビザ。1ヶ月は、フランス語学校に通い、残りは、イギリス、フランスを旅した。


フランス旅前半はモネ旅。イギリス留学中だった友達とノルマンディーへ。途中、教会を描いたルーアンでは下車しなかった。モン・サン・ミシェルに行く際、【エトルタ】の崖を見た。モネや印象派の絵に登場する景色だから、感動した。パリの【オランジュリー美術館】【マルモッタン美術館】でたくさんの睡蓮を見てから、【ジヴェルニーのモネの家】へ出かけた。モネの家を見た時、庭は確かにすごく美しいのだが、モネの瞳って、どう見えているの!!と驚くぐらい、モネの光やリフレクションが美しかった。またパリの美術館へ戻り、睡蓮の絵を、座って眺めた。とにかく幸せな時間だった。


フランス後半はゴッホ旅。【アルル】の町で、ゴッホが描いた場所を探し歩いた。一番好きなゴッホ作品【夜のカフェテラス】今も、カフェがそこにあり感動した。ゴッホ晩年の地【オーベルシュールオワーズ】も訪ねた。ゴッホが描いた教会や、なくなる前に描いていた原っぱの景色にカラスの絵。すごく鬼気迫る作品だったが、実際の景色も、寂しげだった。ゴッホとテオのお墓には、その日も、ひまわりが飾られていた。


50代になり、また新しいゴッホと出会う。娘を小さい頃から、抱っこ紐に抱えて、美術館に同伴していたが、最近は付き合ってくれない事も増えた。ただし、東京都美術館と東京藝大のプロジェクト【MUSEUMスタートあいうえの】のワークショップは好きだったようで、1年ぶりぐらいに娘希望で、参加した。その際、子供達がzoomで鑑賞した作品がゴッホの【星月夜】

子供達の感想を、ファシリテーターさんが、親達にシェアしてくださり、子供視点の自由さに、感動した😊娘は、初めてゴッホという名前を覚えた。

左、夜のカフェテラス

右、星月夜

(↑冷蔵庫にはるマグネット)


最近、娘の友達が、我が家にお泊まりした。

塾通いで忙しい彼女は、お疲れ気味だが、多分すごく本好き。我が家に泊まる際、我が家の散らかる蔵書をチェックして、気になる本を手に取り、ベッドやリビングで読み始める。


友達が、図鑑エリアから選んだのは【はじめての絵画】←新刊です‼️😊

今まで、あまり開かなかった娘も、友達が気になり、一緒に感想をシェアしてる。

【ムンクの叫び】では、娘「この前、〇〇さんがさ、〇〇あって、本当ムンクになってたよー😆」「やっばっ😊」【最後の晩餐】では、娘「この人、うらぎりものなんだよー」「えっ、この人も悪そうじゃない?」「これも悪そうな顔してる。」


この本を蔵書していて、本当良かった‼️と嬉しい瞬間だった。

絵画と記憶は、一緒に思い出に残る。子育て開始してから、パリへ旅する気力、体力、お金もないけど、絵と記憶はすごく連動している。

娘も、友達とこの本を見て語り合ったこと、絵と一緒に記憶に残るといいな。