「ここが新宿か...」
街を寒そうに行き交う人々の中佇む、
漆黒のコートを纏った男の姿があった。
彼の名はダジャーン。
天空都市から舞い降りた漆黒の堕天使だ。
今日は土曜日。
人間界では一般的に休日らしい。
「天界の休日はいつだったかな...」
堕ちてから大分時間が経ってしまった。
ぼそりと呟きながら、なんとなく人間界に舞い降りた「あの日」の事を考えていると、
そう時間もかからずに目的地に到着した。
「かなり広いな...」
出来て間もないのだろう。
建物の中は活気に溢れ、真新しさを感じさせている。
辿り着いたのは、最近巷で有名な「ビックロ」という店だ。
ここにあの伝説のアイテムがあるとの噂を聞きつけ、やってきた。
7階層..
随分親切なようで、
何処に何があるかがすぐにわかるようになっている。
堕天使の決断は早い。
特に苦労する事もなく、
探し求めていたものを発見した。
ブゥィイイイイイイン!!!
こいつは凄い...
圧倒的な迫力に思わず手が伸びた。
「待ちな」
いつの間にそこに居たのか。
気配を感じさせずここまで近づいてくるとは..
この人間は、どうやらお店の店員さんのようだ。
「こいつは防御力の高い奴向けだぜ?見たところ、あまり高そうに見えないが...」
「よくわかったな。俺は攻撃特化だ。」
「それならこっちにしておきな」
店員さんが渡してきたものは、
漆黒のフォルムにギラリとしたシルバーが特徴の..
「いいグリップだ」
堕天使の決断は早い。
足早にレジへ向かい会計を済ませようとする。
刹那
「...グッ!」
(まさか...50円足りない...だと!何故だ......!!!....しまった!電気代を払ったせいか...!!クソッ!...だが...)
あろうことか所持金を確認するのを忘れていたようだ。
同じような事が前にもあったな...
ぼそりと呟いた彼が思い出したのは、
皮肉にも天界から堕ちたあの日の事だった。
堕天使に負ける事は許されない。
「いいだろう」
漆黒の財布から取り出した一枚の奇跡。
もう二度と同じ過ちを繰り返さない為。
あの日誓った堕天使の意志をもつそれは、
あまりの輝きを放つため人々にこう呼ばれている。
「クレジットカードだ」
「何回払いにいたしましょう」
「一括だ」
季節は冬。
街を行き交う人々は寒そうに、
だがどことなく楽しそうな表情をしている。
今日は休日。
「天界の休日はいつだったかな...」
人間界に堕ちた「あの日」を思い出す。
過去は変わらない。
大きな傷を乗り越えた者の証だろう、
強い決意に満ちた瞳はまるで光さえも飲み込むような..
「もう6時か..」
堕天使は、漆黒に染まるコートを翻し闇に消えるのであった。
-------------------------------------------
↑ここまで堕天使
さて問題です!
何を買ったのでしょうか!!
iPhoneからの投稿