第3回ツクフェス自主コン
長編部門投稿作品
「眼力勇者☆とらじろさん」
クリアしました!
はじめに
開幕自分語りで申し訳ないのですが……
自分が「名作だった!」と感じる
ゲームの定義の話をしますと、
それはプレイヤーの寿命を
無駄に奪ってこない作品だと思っています。
"無駄に"というのは
"時間がかかる"という意味ではなく。
長編か短編かに関わらず、
今までした冒険全てが、エンディングの頃に
意味のあったものとして繋がるなら、
時間がかかってもそのプレイ経験は
"良いもの"だったと思います。
そういう観点で考えると、今作
「眼力勇者☆とらじろさん」は
プレイ中に評価がガラリと変わりました。
ふざけたタイトルに反して、
自分が見てきた旅の意味を知り、
納得のエンディングを迎える……
ぜひ最後まで遊んでほしい名作でした!
ストーリー
城下町に暮らす、すこし特別な一家の話。
祖父母、母親、少年兄弟2人。
あとペットの犬扱いされる同居人。
おじいちゃんの「ウマジロ」は、
かつて世界を救ったという
なぜかエキセントリックな元勇者。
そんな家庭で育った少年2人……
兄「トム」と、弟「とらじろ」は、
夜眠る前になると、おばあちゃんに
勇者の物語を読みきかせてもらう。
──少年が王の命令で少女を助け、
やがてその少女と結ばれる話。
──少年とその仲間が、
かつての封印から解かれた
魔族たちと戦う話。
──少年がまだ「勇者」と呼ばれる前の話。
この作品は、構成がちょっと特殊で、
少年とらじろを操作する"現在パート"と、
読み聞かせの話を追体験する"物語パート"が
交互に入れ替わるストーリーです。
しかし、どうも同一人物や
同じ建造物が出てきているようで、
はじめは「今なんの話を観ているのか」
分からず混乱しました。
とりあえず共通しているのは、
主人公を取り巻く登場人物たちの
オモシロトークが楽しめるという点。
どのキャラもいい味が出ているんですが……
やはり強烈なのが"おじさん"こと
ウマジロおじいちゃん。
かつて勇者だったウマジロは、
今は家庭菜園にいそしむ一般人ですが、
精神を病んでいるのか
事あるごとに目をガン開きしたり
奇行を働いたりします。
他にも、しょっちゅうウマジロを呼び出して
「勇者ウマジロくんグッズ」を販売するため
権利書にサインを貰おうとする国王様とか。
そういう元勇者世代が昔を懐かしみながら
終わりの見えない長話をしてるのを
居心地悪そうに見ている主人公くん、
という構造がしばらく続きます。
「元勇者パーティーの会話劇が
メインの作品なのかな?」と
最初は思っていました。
……怒涛のストーリー展開が始まるまでは。
話を進めていくと、だんだん
2つの物語の関連性が分かってきて、
「あの登場人物の言動には、
あのアイテムには……
こんな意味があったのか〜っ!」
というような驚きが待っています。
伏線回収、というよりは
深い意味のないギャグ要素は
束ねてみると本筋だった、という感触。
自分はこの作品を説明するのに
「実質カムカムエブリバディ」という
フレーズを何回か使いました。
※カムカムエブリバディ……
2021年に放送された、NHKの朝ドラ。
ヒロイン3代による、
100年間のファミリーストーリー。
これはウケ狙いの誇大表現ではなくて、
マジでそう例えるのがしっくりくるから。
子供ができたり、成長していったり。
過去の世代に登場した要素が、
現代に再び登場したり。
キャラの過去のつながり全てを
知っているのがプレイヤーだけ、
というのがまた楽しい。
1番好きなアイテムは
"自家栽培の野菜"でした。
正直、このゲームで感動することに
なるとは全く思ってなかったです。
そういう"要素回収"が抜群のゲームでした。
もっとも、プレイヤーを笑わせにくる
ギャグ展開も豊富なので、重い気分で挑まず
軽い気持ちで触れるのも良いと思います。
息子にちょっかいをかけるためだけに
魔法を乱発するウマジロさんとか、
プチトマトのくだりがツボです。
元勇者世代の長話を聞かされるくだりは
本当に長かったりするので、
なるべく時間がある時、
話を忘れないうちにまとめて
プレイするのがオススメかもしれません。
ゲーム性
通常戦闘。
ゲームオーバーにはなりませんでしたが、
長期戦になるとキツキツのMP管理を
させられる感じが好みでした。
マップも、目新しいものは特に無いですが、
そういうスタンダードな作りが
世界観ともマッチしているふうに感じます。
わたしの記憶が確かなら、
ファンタジー素材以外の
マップ・音楽・グラフィックを
一切使っていない気がするんですよね。
いつ制作された作品なのか分かりませんが、
そこもこだわりなのかな、と思いました。
また、公式サイトのサンプル画像にある
「待ちくたびれましたわよ。。。」
というネタを使ってきたりと、
ツクールフェス愛を感じさせる
仕上がりでした。
△待ちくたびれましたわよ。。。
プレイ序盤はなんとなく終わりが見えなくて
面白い体験ができるのか不安視しましたが、
最後まで遊んでおいてよかったです!
プレイまだの方はぜひ。

