ブログ小説です☆

高校二年生の主人公、新宿ネロの学園ストーリーがメインとなるお話しです☆

 

 前回のお話しは、こちら

https://ameblo.jp/rum-xxx-03/entry-12561492974.html

 

一話から読みたい方は、こちら

https://ameblo.jp/rum-xxx-03/entry-12439136779.html

 

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【本編】

 

「お前は、来るな!」

ネロは、恋華に怒鳴るように言い放ちつ。

ネロは、家の玄関を勢いよく閉めた。

 

ネロは、夜道を駆け出した。

 

-さっき伝え忘れちゃった事があってね・・・大崎くんの事だけど・・・-

 

ネロは、那智が電話で話していた事を思い出していた。

 

-実はね・・・保健室の大塚知恵先生、もうじき留学しちゃうそうなの・・・私もね、今日合コンがあって・・・その時、生徒会の木村(新八)センパイが来ててね・・・そこで、トイレに行った時にこっそり教えてもらったの・・・・この事は、まだ他の人には言ってないんだけどね・・・最近、大崎くん早退してから、学校休んでたじゃない・・・もしかしたら、その事が原因じゃないのかな・・・って、ほら・・・大崎くんって、大塚知恵先生と仲良かったじゃない?って・・・そう思ったの・・・私が直接話すより・・・アナタが、・・・新宿くんが話した方が良いかと思って・・・-

 

――大崎、・・・オマエそんな事で悩んでたのか?・・・だったら、話してくれても良かったじゃないか・・・

 

――夏休みに、大崎の家に言った事があったな・・・確か、こっちの方・・・・ん?・・・あれは・・・

ネロは、夜道を駆け出していると大崎秀らしき人影を見つけた。

 

「大崎ィィ!!」

ネロは、大きな声で呼んだ。一度ぶん殴って目を覚まさせてやろう!そう思ったのだが・・・

振り返った大崎秀は、疲れきった顔つきで頬は殴られたように赤く腫れあがっていた。

 

「あ・・・大崎・・・オマエ・・・・」

「やぁ・・・新宿かぁ・・・・どーした?こんな所まで・・・」

ネロの呼びかけに、力なく答える大崎秀。

秀が腰かけている横に並ぶように、ネロも近くまでやってきた。

「ハハハハハ・・・・・とうとう、親父にキレられたよ・・・学校を早退して、風邪を引いた訳でも無いのに休んで、挙句の果て家出したんだ・・・キレられても仕方ないさ・・・」

「その顔は・・・・」

 

 

 

「親父にボコボコに殴られたよ・・・ん?どーやら・・・その様子だと、俺が学校を休んだ理由とか、誰かに聞いた様だな・・・」

「あぁ・・・神田さんから聞いた・・・心配してたぞ?」

ネロは、秀に話した。

 

 

「そーいえば、新宿には話したよな・・・、俺が1年生の頃・・・目黒恋華に告白して、フラれた事・・・」

「あ・・・あぁ・・・」

「その時、俺は・・・もう、この高校生活は終わりなんだって思えてきて、先が真っ暗な気がしたんだ・・・その時、俺に声をかけてくれたのが、ちえモン・・・いや、大塚知恵先生だった・・・・」

 

秀は、自分が生徒会に所属した経緯を話し始めた。

 

-・・・・・・ゴメンなさいね・・・覗き見をする趣味は無かったのですが、たまたま通りかったら、見えてしまいました・・・結果としてアナタの行動、一部始終見てしまいました・・・もぉ。これは覗き見ですね・・・フフフ・・・でも、大崎くん?-

-私は、アナタの堂々とした思いを伝える姿、素敵でした。-

 

 

「目黒からフラれた俺は、完全に自身を喪失していた・・・それでも、先生は俺の事を素敵だと言ってくれた。」

 

-いつか、アナタの良さに気づく人が、必ず現れるわ・・・・-

 

「俺の良さに気づく・・・そんな人、誰も居ない・・・そもそも俺に魅力なんてないのだから・・・」

 

 

-フフフフ・・・・誰も居ない?なんて、どうして解るの?少なくとも・・・一人は、居るわ☆-

 

「先生のススメで、生徒会へ所属する事になった・・・今の俺には、誰かの為に役立つ役割が必要だと・・・先生から言われたままに、地味な事務仕事や雑用等を学校が終わった後、山程やらされて・・・」

 

「・・・帰宅部だった昨年の俺とは、エライさだな・・・」

ネロは、秀の話を聞いて自分が帰宅部だった頃の事を思い出した。

 

「ハハハハ・・・・そうやっていくウチに、段々周りから頼られるようになって・・・解らない事を周りに説明したり、手助けしているウチに・・・段々自分に自身が持てるようになってきた・・・気づいたら、俺は・・・自然に笑っていた。」

 

 

「そーいや、オマエ・・・誰よりも、くじけずに高らかに笑っていたな・・・ハッハッハッハ!俺に任せろってな・・・」

「あぁ・・・俺が笑っていると、自然と周りの者も笑顔になっていくのが、解ったんだ・・・だから、俺は・・・どんな逆境でも、どんなピンチでも笑っていよう・・・俺が、胸を張っている姿を見ると・・・先生も笑ってくれたからだ・・・」

秀は、大塚知恵の笑顔を思い出すと、自然と涙があふれてきた。

もうすぐ、自分の大好きだった先生は、居なくなってしまうのだ。

「俺が、こーやって・・・いままで堂々と胸を張って・・・俗にいう優等生って奴でいられたのは、・・・大塚知恵先生に認めて貰いたからなんだ・・・そして、生徒会長になった暁には、卒業した後に堂々と告白しようと思っていたのに・・・」

 

「なんだか、あの人が居なくなるって聞いた途端に、何もかもが嫌になっちまって・・・」

 

 

「ホントは、俺が今やっている事は、間違っている事も解ってたんだ・・・」

 

秀は、眼鏡を外し・・・目に浮かぶ涙を拭った。

 

「大丈夫・・・・俺は、もう・・・大丈夫だ!」

「大崎・・・」

「新宿・・・オマエという話を聞いてくれる親友がついてるんだ・・・俺は、大丈夫だ・・・」

 

 

☆☆

 

次の日の朝、大崎は学校復帰し、生徒会長の立候補届けを提出した。大崎が立候補届けを提出した事は、すぐにも学校中に知れ渡り、他の候補者は辞退したらしい・・・「大崎には勝てない」と知ったのか・・・「大崎がより相応しい」と感じたのかは定かではないが・・・

 

そして、生徒会選挙演説会の当日・・・当然ながら、他の生徒会長候補生とは辞退した事により、大崎が一人で行う事になった。まぁ・・・こーなると、全校生徒は、大崎意外に投票する者が居ないので当選は確実なのだが・・・

 

体育館で全校集会が行われ、大崎は・・・俺達の見守る中、一人演説を行った。

 

 

「ご紹介をいただきました・・・大崎秀(オオサキ トオル)です。私は・・・いや、俺は・・・・」

 

「大塚知恵先生!!アナタの事が好きだァァァァァァ!!!」

 

「俺が、今ここに立っていられるのは・・・大塚知恵先生!アナタという女性に恋をしたからです!!・・・・何も、目的が見つからなく・・・フラフラと当てもなく俺を・・・人の役に立てる場所へ導いてくれたアナタに出逢えたからこそ・・・前に進む一歩が踏み出せたのです!」

 

「でも・・・アナタは、留学する為・・・この学校を旅立ってしまう事になりました・・・・ホントは、最後まで・・・俺達が卒業するまで見届けて欲しかった・・・ずっと居て欲しかった・・・・」

 

「だから、せめて・・・行ってしまう前に、せめて聞かせてください!望みはゼロですか?俺とちえモン(大塚知恵のニックネーム)先生の間に、特別な感情は無かったのですかァァァ?!」


――なんという展開だ・・・選挙演説会が、全校生徒の前の告白場になっちまった・・・それにひきかえ・・・いままで、大崎に思いを寄せ続けていた恋華にしてみれば・・・公開処刑に等しいぞ・・・って、あぁぁぁ・・・恋華の奴・・・なんて顔してやがる・・・見ちゃいらんねぇよー・・・せめて、大崎だけでも恋が成就してくれないと・・・浮かばれねぇ!

「と・・・いう事デス☆・・・今、ここに立っているのが・・・現在副会長の大崎くんデス☆・・・うふふ♪面白いパフォーマンスでしょ?こんな彼が、これからこの学校をもっと・・・面白くしてくれマス☆人望熱く、頼りになる、ルックスも良し!みんなの頼れる彼氏になってくれマス☆」

 

ちえモン先生は、静かに全校生徒の前に現れ・・・明るく大崎秀を紹介した。

告白そのものを、公開パフォーマンスという形で丸く収めた。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

大崎は、その場で唇をかみしめ・・・全力で涙をこらえる為上を向いた。

「是非、清き一票を彼に☆」

ちえモン先生のシメの言葉により、全校集会は終了となり・・・その後、大崎は生徒会長になると同時に・・・「全校生徒可哀そうな男ナンバーワン」の座に就く事になった

 

 

全校集会が終わったあと、俺はちえモン先生を追いかけた。流石に、大崎が可哀そうに思えたので・・・ちえモン先生の真意が知りたかったからだ・・・

 

「ん?新宿くん・・・どーしたの?教室に戻らないの?」

 

「流石に、あれは可哀そう過ぎます!・・・どーして、大崎にちゃんと返事をしてやらなかったんですか?・・・全校集会で告白しちまう、アイツ(大崎)もやり過ぎですが・・・大人であるアナタなら・・・こーなる前に、大崎だけでも事前に話をしてやっても良かったんじゃないんですか?」

俺は、ちえモン先生を引き止めて自分の腹にたまっている事を言った。

 

当時は、自分でも気づかなかったが・・・

俺は、先生に大崎の事を言っているつもりだったが・・・ホントは、俺に突然連絡をくれなくなった彼女(代々木詩織)に言いたかったのかもしれない・・・・自分の都合で、あっさり終わらせる・・・それじゃ、俺達みたいに不器用に相手を好きになった者にとっては納得できない。

 

大人には、都合がある・・・と良く言うが、俺達だって17歳・・・説明してくれれば物事を理解する事は出来る歳だ・・・

 

ちえモン先生から、納得できる説明はもらえず・・・彼女は去っていった。

しばらく、立ち尽くしていた俺の所に恋華がやってきた。

 

「ねぇ・・・大崎くん・・・生徒会室で泣いてたって・・・私じゃ、大崎くんには何もしてあげられないから・・・」

恋華は悲しそうな顔をしていた。

 

「今は、ネロが傍に居てあげて・・・・」

4月頃、俺と恋華は学校の最寄駅の待合室で弁当を食った・・・食ったというより、大崎にあげる弁当の毒見・・・という形だったが・・・その事が噂になり、俺と恋華は付き合っているとの噂になり、学校中の誤解を招いてしまった事があった。

俺は、当時渋谷実尋の事が好きで・・・その渋谷にすら誤解を招いてしまった。

そんな誤解を解くために、恋華は学校でみんなに解りやすく、大崎の手を引いて校舎の外に連れ出して、全校生徒が認識しやすい様に大崎告白した。

 

そして、恋華は見事玉砕した。

昨年度は、大崎から恋華に告白している経緯もあり、恋華は大崎からフラれているにも関わらず諦めず・・・好きで居続けた。

 

そんな恋華が思いを寄せる、大崎秀は・・・万感の思いで全校集会で大塚知恵に告白した・・・

そして、結果がこの有様である・・・・

 

「おい・・・恋華、オマエは・・・大丈夫なのか?」

「私なら、平気だから☆・・・ネロ、行ってあげて☆大崎くんの傍に・・・」

恋華は、(全力で)無理して笑った

 

☆☆☆

 

俺は、恋華と別れて大崎の所へ向かったが・・・・

恋華自身は、ちえモン先生の所へ殴り込みに向かったらしい・・・

 

その知らせを聞いて、俺は職員室の目黒ギン(担任の)先生の所へ向かった。

止める必要があったが、あの恋華が暴れたとなったら・・・止められるのは、兄である目黒先生くらいだと思ったからだ・・・

「ふーん・・・放っておけ、どーせ恋華じゃ、大塚先生に勝てないって・・・5秒でガッチリ抑えつけられるだけだって・・・」

目黒先生は、カップラーメンをすすりながらぼんやりと書類を眺めていた。

 

「えっ?」

「大塚先生・・・あー見えて、昔すっげぇ・・・怖いヤンキーだったんだぜ?俺と、田端景親先生、高田馬場ムラオ先生で3人で束になってもかなわなくて、負けっぱなしじゃ頭にくるからって、恥を承知で30人で襲いかかった事もあるけど・・・1分以内に、地獄絵図のように・・・俺達みんなやられちまった~・・・・」

 

「そんな、昔話が・・・・」

「まっ、そーいう事だから・・・アイツ(恋華)が一人で襲い掛かろうと・・・心配することないだろー・・・あっ、新宿ー・・・アイツ(恋華)に会ったら伝えとけー・・・・あんまり騒ぎが大きくなると停学処分になるってなー・・・」

「げっ!やっぱり、早く止めないとマズイじゃないか!」

 

俺と目黒(ギン)先生がそんな話をしている中、廊下を勢いよく駆け出す足音が聞えてきた。

 

ダダダダダダダダダ

 

「!!」

「ふーっ・・・ったく、生徒会長さん自ら、廊下を走ったら・・・生徒達の手本にならないでしょーがー・・・」

「えっ?今の足音って・・・大崎なの?」

俺は、職員室を慌てて出て、廊下を見渡すが大崎の姿は見えなかった。

 

「目黒先生・・・なんで、大崎が走っているって思ったんですか?」

「あーっ・・・勘だよ。勘☆」

「それは、教師としての勘ですか?」

 

「ふふふ・・・いや、男としての勘だよ☆」

「・・・・なぁ、新宿・・・自分の為に、女のコが停学覚悟で暴れていると解ったら、止めにいくだろ?お前でも・・・」

 

 

 

☆☆☆☆

「大塚ちぃえもん!!!覚悟ォォォォォ!!!」

恋華は、知恵の背中に向かって大きな声で叫び、背中のシャツから木刀を引き抜いて構えた。

 

 

知恵も、振り返り・・・眼鏡を外し、来ていたコートを脱ぎすてた。

 

「自分の感情を抑制する事もできないバカが・・・いいだろぉ・・・いい加減、アタシもイライラしていたとこだ・・・」

恋華は、端にある花壇に飛び乗り勢いよく駆け出し、飛び掛かって木刀を振り上げた。

 

知恵は、降りかかる木刀を蹴り上げた。木刀はクルクル回り壁に突き刺さった。

知恵は、木刀を蹴り上げた右足でそのまま回し蹴りをした。恋華は避けたが、その回し蹴りは電柱に直撃し・・・コンクリートで出来ているハズの電柱にヒビが入った。

 

「ウラァ!」

今度は、知恵は左足を高く上げかかと落としをする。恋華は避けるが、かかと落としの風圧でゴミ箱が真っ二つに割れた。

 

「こんのぉぉぉぉぉ!」

恋華の右ストレートのパンチは、知恵に簡単に避けられ腕を掴まれ、合気道のような形で恋華は捻られるように押し倒された。

「うぐっ・・・・」

 

「ちえモン先生・・・・」

ここで、大崎秀が駆け付け・・・知恵は、一瞬力を抜くと

「ぬあああああああ!!」

恋華が、両足で知恵を蹴り上げる。

 

「ぐっ・・・!」

知恵は蹴りを避ける為、身を少し離すと恋華は、知恵を捕まえ乗りかかった。

「アンタは、臆病者だぁぁぁ!好きになる事も、嫌いになる事も、自分の意志を伝える事すら出来ない臆病者だ!自分が傷つくのが怖いだけの卑怯者だ!!」

 

「くっ!!」

 

「その臆病さが、卑怯さが・・・大崎くんを傷つけるんだ!それが嫌なら、大崎くんの事を嫌いって言ってみろォォ!」

 

「辞めろォォ!恋華ァァ!」

そこに、ネロが駆け付け恋華を力づくで引き離した。

 

 

「大崎くんの事を嫌いって言え!」

「言えぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

「恋華ァァ!!オマエ、これ以上大事になると停学処分になるぞぉぉ!」

ネロは、背後から恋華を羽交い締めにして動きを封じた。

「止めるなァァ!!止めるなァァ!!」

恋華は、脚をジタバタさせるが、恋華は身長が低い為・・・ネロが少し持ち上がれば足は地面につかない。

 

「・・・・・・・・嫌いだ・・・なんて、言えないわよ・・・私は、大崎くんの事嫌いじゃないんだから・・・」

知恵は、悲しそうな顔で言った。

「ちえモン先生・・・・」

 

「私は、教師として・・・生徒達みんなの事が好き・・・新宿くんの事も好き!」

 

「!!」

 

「恋華ちゃんの事も好き!」

 

「・・・・・っ!!」

 

「そして、渋谷(実尋)さんの事も、恵比寿(イ・ヤムチャ)くんの事も・・・みんなの事が好き・・・それでも、私の教師である前に、一人の女性です。誰か一人の人間に恋をする事だってあります・・・それが、叶わぬ恋であっても・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「私ね・・・実は、勉強するのが大好きなんデス☆・・・・だから、教師の仕事についたんだけど・・・・生徒達が勉強している姿をみたら、自分もなにか勉強したくなってきてね・・・もっと、知らない世界にいって学びたい・・・そう思うようになってね・・・・つい、留学する事に決めちゃいました☆」

「私が、恋した相手に・・・私が好きだって言ったら・・・私が、離れたくないって素直に言ったら・・・その人は、私についてくるでしょ・・・きっと、自分の周りのモノを全部犠牲にして・・・私についてくるでしょ?」

 

「私が、恋した人は・・・恋したら一直線で、周りの事が考えられず・・・早退したり、家出したりする・・・おバカさんなんデス☆・・・だから、好きだなんて言えません☆」

「その通りだァァァァ!!ちぃえもん先生の事を考えたりすると・・・眠れなくて、早退したり・・・家出したりして・・・ちぃえもんさんを追いかけてしまうストーカ・・・もとい!姫を守るナイトは、俺だァァァ!このムラ・・・・」

 

「やかましい!!」

 

「あぁぁぁーーーーーれぇぇぇぇぇ!!」

突然草むらの影から出てきた、金色に輝く(全身蜂蜜だらけの)男は、知恵のアッパーカット一撃で吹き飛ばされた。

 

「ごほん・・・仕切り直して、さんざん私の事を言ってくれた恋華ちゃんには、ちょっとだけ訂正をいれマスね☆」

知恵は、咳払いを一度すると恋華の方へ向き直った。

「えっ!」

 

「私は、自分のキモチを伝えられない臆病者でも、卑怯者でもありません☆私は・・・ただ・・・・」

 

「あっ・・・ゴメンなさ・・・」

恋華は、慌てて謝ろうとするが・・・恋華が謝る前に、知恵は話続けた。

「恋華ちゃんの100倍・・・・

 

「モテ過ぎるだけデス☆」

 

「うっ・・・!」

 

――流石、ちえモン先生・・・あの減らず口の恋華を黙らせた!!

 

「100倍モテるから・・・私は、自分から言わなくても・・・みんな言い寄ってくるのデス☆」

知恵は、「デス☆」「デス☆」と・・・恋華の額を人差し指でなんども小突いた。

 

 

 

「大塚知恵さん・・・アナタは、ホントに優しい人です・・・」

秀は、知恵の瞳から眼を離さずに真剣な顔をした。

そして、静かにゆっくりと、万感にキモチを込めた話した。

 

 

 

 

 

 

「好きになれて、恋をして・・・

 

 

 

 

ホントに良かった・・・・」

 

 

 

 

 

 

「アナタと出逢えてホントに良かった・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたァァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秀は、全力で頭を下げた。

 

胸に込みあがるキモチの全てを感謝のキモチに変えて。

 

「もぉ、泣かないで・・・よしよし☆」

ちえモン先生は、大崎の頭を何度も撫でた。撫で続けた・・・撫でられる度に、大崎は大粒の涙がこぼれ落ちた。

その涙は、今までに無い程熱いモノだったに違いない。

 

木刀を持って殴り込みにいった恋華は、800字以上という超文字数の多い反省文を書かされる事となった。

 

後日、大崎は俺の所に来て何度もお礼を言った。

 

俺は、何もしてやれる事は無かったが・・・それでも、話を聞いてくれた事が「自分には、一番力になった」と言っていた。

 

「新宿!・・・俺、卒業したら・・・アメリカに留学するよ・・・」

「アメリカ?・・・ちえモン先生が留学した国じゃねぇか☆」

「あぁ・・・俺、大人になって・・・立派に働けるようになったら、プロポーズするよ!今度は、同じ大人だ!どこに移動になっても必ず、追いかけて何度でもプロポーズするんだ!」

「何度でもって・・・それじゃ・・・ストーカーじゃねぇか・・・」

「あぁ☆ストーカーさ!俺は、何にでもなってやるさ!今度は、宇宙の果てまで、追いかけてでも・・・必ず!」

 

大崎秀と、大塚知恵は10年後・・・

アメリカのNA●Aに勤める事になった。

そして、大塚知恵は宇宙飛行士として月面に着陸する事に成功する。

 

知恵

「・・・・こちら、大塚知恵☆やっぱり地球は青かった~☆ どーぞ!」

 

「こちら、ヒューストン・・・快適な月面着陸おめでとうございます・・・無事な帰りを心待ちにしております。どーぞ!」

 

知恵

「・・・・無事に帰ったら、まずは・・・美味しいうどんが食べたいです☆どーぞ!」

 

「こちら、ヒューストン・・・・・・」

 

知恵

「・・・・・・・??」

 

「・・・・・・・・・・・結婚してください!」

 

知恵

「・・・・・・・・・・・・了解した////」

 

 

fin

鯖学は、まだまだ つづく☆

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