現在、ブログを書いている日にちは

11月23日!!

 

そして、ブログ小説の内容は9月半ばか10月序盤の頃(秋)のお話しだったと思いますw

 

大分進行が遅れてますね・・・

 

そんな感じで、「鯖学シーズン3」は、学園の文化祭のお話し「後編」を描いて行きますw

 

高校生、新宿ネロを中心とした学園ライフです。

前回までのお話しは・・・・

 

鯖学の文化祭が始まった!

クラスは1組と2組といった2クラス合同で出店等を開催する形となり、一番多く儲けを出した2クラスが「最新型のエアコンへ切り替えの権利が貰える事となった。

渋谷実尋の提案で、くじ引きを行い・・・「前半(A)グループ」と「後半(B)グループ」に別れ店番をする組、出店を回る組を交代で行う事になる。

 

くじ引きの結果、

実尋、恋華、イ・ヤムチャはAグループとなり・・・ネロはBグループとなった。

ネロ達Bグループに店番を託し・・・先に出店を回る実尋達Aグループであった。

 

 

前回のお話しは、こちら

https://ameblo.jp/rum-xxx-03/entry-12540710424.html

 

最初から読まれる方は、こちら

https://ameblo.jp/rum-xxx-03/entry-12439136779.html

 

URLをクリックすると各話に進みます。

 

 

 

【本編】

「渋谷実尋さんね・・・ちょっと、いいかしら?」

 

「!!」

実尋が振り返ると、そこには黒いスーツ姿の女性が一人立っていた。

日の光を反射させると、ブラウンのボブヘアの艶がより目立つ、品の良い大人の女性だった。

忘れもしない・・・このOL女性は、新宿クンと一緒に喫茶店に居た・・・あの代々木詩織さんだ・・・

 

 

 

――代々木さんは、初めて会った時は、ボサボサの髪を強引に後ろで纏め眼鏡をかけて、ヨレヨレの白いトレーナーを着ていた、ごく普通のお隣のオバサンと言った感じの容姿だった・・・しかし、新宿クンと一緒に喫茶店に居た時、そして今!目の前にいる女性は、通りすがりの異性を振り向かせるほどの美人になった・・・・まるで、恋する女性・・・そんな感じがする・・・。

 

実尋は、詩織に誘われ学校の正門を出た。

 

「みひろーん?・・・あれ?みひろんは・・・先に学校の校舎に戻ったのかな?」

恋華は、実尋と一緒に持ち場(こなもの屋のブースである学校の校舎内の教室)に戻るつもりだったのだが、近くには居ない様だった。

人差し指を唇に当てながら途方に暮れた顔をしながら・・・恋華は一人で教室に戻った。

 

「いやぁ~・・・・大変だったぜ・・・・」

フラフラの状態で学校の持ち場(学校の教室)に戻るのは、イ・ヤムチャだった。

 

「ん?どーしたの?」

そこに、持ち場に戻ってきた恋華が声をかけた。

両手には、ダンボール紙で作られた平たい箱型のお盆をもっており、上には紙コップに盛り付けされたフルーツパフェが4個程乗っていた。

 

「おぉ!恋華か・・・聞いてくれよ・・・さっき、せっかく実尋さんとグランドにある出店を一緒にまわろうと思ったら、身体デカイ・・・まるで、熊の様な女のコ達が・・・いや、多分オッサンだと思うが・・・・イ・ヤムチャく~ン☆って、俺の名前を呼び続けながら追いかけてきたんだ!どーやら、鯖学の喫茶店を開いた時に、俺のファンになったらしい・・・」

 

「ふーん・・・モテ気到来じゃない・・・喜びなさいよ。」

恋華は、イ・ヤムチャの話を切り捨てるかの様に答えた。

 

「そうか☆モテ気到来・・・じゃない!!」

イ・ヤムチャは一瞬喜びガッツポーズを取った様に見せかけ、すぐに怒った顔になりツッコミを入れた。

 

「熊の様な怪物の女のコが3人も追いかけてきて、ジェットストリームアタックとか叫びながら俺の事を包囲するように追いかけてきて、もう少しで俺のファーストキッスを奪われるトコだったんだからな!!」

イ・ヤムチャは怒鳴る様に恋華に話した。

 

「あ・・・あのね、私に怒鳴られても困るんですけど・・・・」

目を細くする恋華。

 

 

「ヒューヒュー!仲良いね!6組のお二人さん☆」

「文化祭を通じて付き合っちゃうか☆」

恋華とイ・ヤムチャを茶化すように入ってきたのは、店番をしていた5組の上野明(ウエノ アキラ)と秋葉原幸(アキハ ハラユキ)だった。

 

「お、おい////なんでそーなるんだ・・・」

イ・ヤムチャは一瞬恋華と目を合わせて顔を赤くし、少し台詞を噛みながら言った。

イ・ヤムチャは、背も高く、容姿は良いのだが・・・異性と付き合うどころか、噂される事すら今まで無かったので茶化されることに慣れていなかったので、照れてしまった。

 

「ふー・・・・アンタ達、いくら台詞が少ないモブ(脇役)だからってもう少しマシな台詞無いの?」

恋華は、目を細くしたまま顔色一つ変えず、冷めた口調で上野と秋葉に言った。

 

「うっ・・・それを言われると・・・・」

「俺達立場が無いじゃーん・・・・」

上野と秋葉は、一瞬顔を引きつらせショボンと下を向いた。

 

「で・・・・私達Aグループ(前半に出店を回るグループ)が抜けてる間の売れ行きは??」

恋華は、期待してませんと言った細い目をした顔で、上野に聴いた。

 

「あ・・・・あはははは・・・・なぁ、?秋葉・・・・・」

上野は、目を逸らして秋葉に話を振った。

 

「いやぁ・・・まぁ・・・・まだ、みんなお腹空いてないじゃないのーー??ね?ネロっち?」

秋葉は、新宿ネロに話を振った。

 

「え!俺に振るのかよ・・・・」

「まさか・・・・」

ネロの微妙な顔を見た恋華は、固まった。

 

「アハハハハ・・・・その、売り上げゼロ・・・・とか言ったら、怒るよな??」

ネロは、顔を引きつらせながら言った。

 

 

「えっ・・・・ゼロって・・・アンタ・・・」

 

「いや・・・そのよ、俺も頑張ろうとは思ったけどな・・・・ここの教室の前、誰も人が通らなくてな・・・」

ネロは、焦りながら説明した。

 

「よし!という訳で・・・Aグループが持ち場に戻ったって事は、俺達Bグループが出店を巡ってきて良いんだよな・・・」

上野は言った。

「そっかぁ!俺達のターン☆だな~・・・よーし!俺も、この文化祭をきっかけに彼女をつくるぞー☆」

秋葉は、拳を握りガッツポーズをとった。

 

「・・・・・じゃあ・・・俺も、ちょっと約束があるから・・・・・」

ネロは、これ以上この場に留まると恋華から蹴りを喰らいそうな予感がしたのは、少しずつ教室を出ようと後ずさりをした。

 

「ちょい待ち!」

 

教室を出ようとした3人(上野、秋葉、新宿ネロ)は恋華から呼び止められた。

 

うっ!!

ついに、俺達は蹴りを喰らうのか?と少し覚悟する3人だったが・・・

 

 

「え??」

 

恋華は、平たいダンボールで出来たお盆に乗っている。フルーツパフェを3人に渡した。

 

「えっ・・・・これ、もらって良いの?」

上野は目を丸くした。

 

「マジかよー☆やったーーー♪」

秋葉は喜んで食べた。

 

「うん。さっきお父さんが買ってくれたからさ・・・みんなで食べなさいって☆」

 

「お、サンキューな☆」

ネロも、上野、秋葉に続いて恋華からパフェを受け取った。

 

「食べたわね・・・・という事で、ビラ配りよろしく・・・」

上野、秋葉、ネロは恋華から大量のビラを受け取ってしまった。

 

「おい・・・・新宿・・・・結局俺達の出店巡りって、あちこちの出店に行ってビラを配るという・・・・外回りの仕事じゃねぇか・・・」

上野は、眼鏡の内側で目を細くした。

 

「あ・・・あぁ・・・・」

ネロも固まった。

 

「冷てぇよー・・・恋華ちゃんにもらったパフェ、すっげぇぇ、冷てぇよー・・・・なんか、強い風が吹いてきたみてぇだよォォォ・・・」

ビュゥゥゥ・・・といった強い風に吹かれたかのような感じで震える秋葉。

 

「あぁ・・・まだ、室内なのに・・・・俺も強い風を吹いてきたような気がした・・・・」

ネロも風に吹かれた様に震える。

 

「絶対に、アイツ(目黒恋華)って、ブラック企業の幹部になりそうだよな・・・」

上野も同じ風に吹かれたように震える。

 

ビラに書かれている貴公子(プリンス)除闇の「今夜はキミを返さない☆」という文字がやけに目立った。

 

 

「ねぇねぇ・・・よかったら、俺達と一緒にお茶しない?」

「ねぇ~・・・・俺達一緒にいこーーよーーー」

上野、秋葉は、学校の文化祭を訪れた女性客(他の高校の)や、他のクラスの女子等に同行を誘い一緒に出店巡り(という名目のナンパ)をしようとしていた。

 

その頃、新宿ネロは以前同じ中学だった友達が文化祭に来ることになっており、待ち合わせて案内をする事になっていた。

「よう!新宿☆」

茶髪の男性が、ネロを呼びとめた。年齢はネロと同じ位で他校からの来客の様だった。

 

「おぉ!是野じゃないかぁ☆着いてたなら、LINE(連絡)くらいよこせよー」

ネロが呼びかけに気づき小走りで駆け寄った。

「おぉ!ワリィ・・・今、ついたトコさ。この娘(コ)新しい彼女。可愛いだろ?」

ネロの友人・・・是野は、隣の彼女を紹介した。

 

「お・・・彼女連れかァ?」

「おぉ!いいだろ?オマエ(ネロ)も早く彼女作れよー」

是野は、彼女gた居て当然と言わんばかりにネロに言った。

 

「フフ・・・実は、俺も今日彼女をここに呼んでるんだ・・・・」

ネロも負けずに言った。自慢には自慢でかえそう!今の俺は昔の俺じゃない・・・リア充の仲間入りだ。

 

「マジで?オマエについに彼女が出来たのか?どこだよ?紹介しろよ・・・」

是野は、ネロに興味深々で聞いた。

 

「あぁ、スーツが似合う年上の彼女なんだぜ☆・・・この近くまで来てる見たいで・・・・学校の正門付近で待ち合わせしてるから、ちょい迎えに行こうかと思ってな・・・」

ネロは、人差し指を鼻の下に当て少し得意げな顔になった。

 

「スーツが似合う女性で、年上って・・・ちょっとその人って・・・・」

是野の彼女が是野に思い出すように聞いた。

「あぁ・・・新宿、その人ってブラウンの髪のセミショートくらいの髪の長さだったりするか?」

是野は、ネロに聴いた。

 

「えっ、もしかして見かけたのか?俺の彼女・・・・どこで見かけたんだ?」

ネロは、是野に聴いた。

 

「あぁ・・・オマエの彼女かは、解らないけど・・・・この学校の正門の向かい側の‘うどん屋‘の近くで、スーツの女性と金髪の女子高生が向かい合って話しているのをチラっと見かけたけどな・・・・」

「なんか、入りにくいピリピリした空気だったわよね・・・」

是野と是野の彼女は、ネロに知っている情報を教えた。

 

――!金髪の女子高生って・・・渋谷(実尋)しかいないだろ!!

 

「ちょっと・・・俺、行ってくるわ・・・・」

ネロは、走って向かおうとすると、

 

ドン

 

 

と後ろから勢いよく走ってぶつかって来るものがいた。

 

「痛てて・・・って?あれ、イ・ヤムチャ??一体どこに??」

ネロを追い抜くように全力でイ・ヤムチャは走っていった。

イ・ヤムチャは、猛ダッシュで本校舎の放送室へと走って行った。

 

 

 

「・・・・・・・・・・」

うどん屋の近くで、張り詰めた空気の中・・・・

渋谷実尋と、代々木詩織は向かい合っていた。

 

 

「・・・・話って、何でしょうか?」

呼び出された実尋は、先に切りだした。

勿論、なんとなく話の内容は解っていた。

 

 

「単刀直入に言わせてもらうわ・・・・渋谷さん、ネロくんと・・・・少し距離を置いてもらえないかしら?」

詩織は、冷静に話した。

 

 

 

「・・・・・・・距離といいますと・・・」

 

「この際、言っておくわ・・・私達、真剣に交際していこうと思っているの・・・だから、アナタには邪魔をしてほしくないの・・・」

詩織は、淡々と話した。

 

 

「だからね・・・新宿くんとは・・・

 

 

離れて欲しいの・・・」

 

「いやです」

実尋は、即答した。

 

 

 

 

ネロが、たどり着いた時には実尋と詩織は話が終わっていたのか・・・

無言で向き合っているだけだった。

 

 

「あ・・・詩織さん・・・・・」

ネロは、呼びかけると・・・・

 

「ごめんなさい。ちょっと・・・急ぎの仕事が入ったから、今日は帰るわね・・・・また、この埋め合わせはするわね☆」

詩織は、その場から去って行った。

 

「渋谷!詩織さんと・・・一体なんの話をしていたんだ?そろそろ、オマエAグループなんだから、持ち場に戻らないと・・・」

「・・・・・・・・・・」

実尋は、下を向きながら唇を噛みしめていた。

 

ネロは、二人がどんな話をしたのか聞きたかったが・・・とてもじゃないが、全部聞き出せる状態ではない・・・・

いつも明るくフレンドリーな表情をしている実尋が、感情を押し殺そうと必死に唇を噛みしめていた。

 

「新宿クン!!」

実尋は、顔を上げてネロに何かを聞き出そうとしたその時・・・・・

 

 え~、5・6組では「こなもん屋」を絶賛営業中《

 

「!!!」

ネロと実尋は、ハっとした。

カナリ大きな声量である、館内放送をしているのは、イ・ヤムチャである。

この声量なら、マイクの音量は下げるべきだ・・・・

 


》このオレ、イ・ヤムチャ様が焼き上げる絶品お好み焼きと目黒恋華のたこ焼きが販売中だ《

イ・ヤムチャは、こなもの屋の売れ行きが乏しい為、起死回生として自身が放送室で宣伝を始めたのだ。

 

》まあ、オレ様の腕には到底及ばないがな・・・食べ比べしてみれば、オレのお好み焼きの方が上なのがわかるぜ・・・《

 

「あの野郎ー・・・私の作ったたこ焼きの方が美味しいに決まってるわ!」

館内放送を聞きながら持ち場で、愚痴をこぼす恋華。

 

》フフン・・・

嘘だと思うなら確かめてみれば良い《

 

 

 

「自信たっぷりだな・・・・」
ネロが少し笑った。
 
「今頃、恋華はお怒りだね・・・ふふふ」
実尋も顔を上げて笑った。
 
そこへ、是野と是野の彼女がやってきて・・・
「オイ!オマエの彼女って・・・その娘(コ)かよ!俺の彼女より、可愛いじゃねぇか・・・・」
実尋を見た是野が言うと、
「ちょっと・・・それ、どーいう意味よ!」
是野の彼女が少し怒った。
 
更になんとぉぉ!給仕はあの実尋さんがやっている!
これは一見の価値あり!
 
いや・・・
十回見ようが
 
百回見ようが
 
価値は下がらん!
 
寧ろ、上がる!!《
 
興奮して勢いが出てきた、イ・ヤムチャの声量はどんどんあがっていく・・・
学校の外の町内じゅうに響き渡った。
「んも~・・・イ・ヤムチャさんったら・・・//////」
実尋は、一気に恥ずかしくなった。
実尋は、恥ずかしいが・・・イ・ヤムチャに「恥じらい」というキモチはゼロだった。
 
オレ様のメチャウマお好み焼きに実尋さんの給仕!
これは鬼に金棒!
いや、∀(ターンエー)に月光蝶!!《

 

》来ない奴は人生損するぞ!!

 

後悔したくない奴は今すぐ5・6組にGoだ!《

 

暑苦しい程の勢いのある、館内放送に、ネロと実尋は笑いを堪え切れないかった。

 

――こんなにシリアスな場面も、勢いで吹き飛ばしやがった・・・やっぱり、イ・ヤムチャは凄いな・・・

 

 

「ふふふふ・・・・さて、ワタシは持ち場に戻って、こなもの屋の店番してくるわ☆」

「おう!俺も、コイツら(友人の是野とその彼女)を連れて、食いに行くわ!」

実尋とネロのやりとりを見ながら・・・

 

「うわー・・・めっちゃ、可愛い彼女だな・・・紹介しろよ~」

「もー・・・・ちょっと、是野くん!鼻の下伸びてる~・・・・」

実尋の笑顔にメロメロになる是野。そして嫉妬する是野の彼女。

 

 

 

 

「あ・・・ワリィ・・・・ちょい、俺トイレいくから、待っててくれよ・・・」

是野は、トイレにまっしぐらで駆け出した。

 

「・・・・あ・・・・」

トイレに行く途中の事だった。

 

是野は、見覚えのある女性とすれ違った。

「お?もしかして・・・仁児か??」

 

「・・・・あ・・・・是野くん・・・・」

「もしかして、仁児・・・一人でここに来たのか?」

是野は、トイレに行く事をすっかり忘れて、仁児に話しかけた。

 

「あ・・・中学時代の友達(神田那智、大崎秀、ついでに親しくは無いが・・・上野&秋葉)が、この学校で文化祭やってるみたいだから・・・」

仁児は答えると・・・

 

「あー・・・そっか、じゃな!俺、新しい彼女が待ってるから・・・いくわ☆」

と是野は答え走って行った。

 

是野が走っていく所へ、新宿ネロが走って追いかけてきた。

 

「うそ!」

仁児は、慌てて隠れた。

 

「おーい・・・是野!トイレそっちじゃないぞー」

ネロと是野は、再び走ってトイレに向かった。

 

「・・・・そっか、ネロって・・・なっちー(那智)と同じ学校だったんだ・・・そんで、是野くんは・・・ネロの友達だから、ここに来てたのか・・・・」

仁児は、静かに下を向いた。

 

是野は、仁児の元カレだったのだ・・・

そして、新しく話の合う密かに思いを寄せていたバイト仲間だった男子・・・

それが、新宿ネロだったのだ・・・

 

是野には、新しい彼女が出来た。

しかし、自身は新しい恋を発展される事が出来なかった・・・

 

いま、自分がハッキリと一人(恋人が居ない)である事が改めて痛感させられた仁児。

 

 

「お?どーした・・・トイレは混んでたのか?・・・・ん・・・オマエ、泣いているのか?」

仁児の傍に来たのは、新しいバイト先の店長の大崎ラルであった。

 

「大崎店長ォォォォ・・・・」

仁児は、ガバっと胸に飛びついて泣いた。

 

「ふ・・・・理由は聴かん・・・今は、泣くと良い・・・少し、キモチが落ち着いたら・・・帰りに美味いラーメン屋にでも連れて行ってやろう・・・渋谷軒という名の店でな、二郎出身の店長が拘りの麺を打っている店だ・・・身体が温まるぞ・・・・」

大崎ラルの言葉に泣きながら頷く仁児だった。

 

 

 

☆☆

 

「イ・ヤムチャさん☆」

校舎内のブース(こなもの屋の出店をやっている教室)に戻った実尋は、素早く割烹着姿になった。

 

「おぉ!実尋さん☆割烹着姿も良いっスね!後半は俺達Aグループが店番ですね・・・やってやりましょう!今の現状、一番売り上げが、1組2組のプロレスショー・・・そして、続くのがから揚げ屋、パフェ屋、メイド喫茶・・・・このメイド喫茶ってのが、カナリ勢いを伸ばして初めていやがる・・・・しかし!ここらで・・・お遊びはいい加減にしろ!って所をみせてやりましょう!!」

イ・ヤムチャは燃えていた。

 

「おぉよ!!イ・ヤムチャさんの館内放送で気合入ったよォォォ!!」

「ま・・・まぁ、突然ブースを飛び出して走って行っちゃったときには、ビックリしたけど・・・・・中々やるわね・・・まぁ、アンタのグチャグチャのお好み焼きより、私のたこ焼きの方が100万倍美味しいだけどね・・・」

イ・ヤムチャの館内放送で後半の逆転劇に燃え上がる実尋と、「オレ様の腕には到底及ばないがな~」という一文に対抗心を燃やす恋華。

 

「ははは・・・やっぱり、そこ拘ってるのね・・・・」

「当然よ・・・」

ムスっと膨れる恋華に、なだめる実尋。

 

 

そんなやりとりが行われる中で、こなもの屋は賑やかな調理が始まった。

トントンと小気味よくキャベツを刻む実尋の隣で、額の汗を拭いながらたこ焼きを焼く恋華。

 

 

実尋のキャベツを受け取ると、手早くお好み焼きを焼き上げるイ・ヤムチャ。

 

こなもの屋は、前半の売れ行きとは全く違い、勢いよく客が流れ込んできた。

「お好み焼きくださーい!」

「こっちも、お好み焼きくださーい!」

実尋の切った千切りキャベツを大量に使う為は、男性客の50%以上がお好み焼きを頼み始めた。

 

「フフフ・・・どーやら、勝負あったな・・・」

勝ち誇るイ・ヤムチャ。

 

「ちょっ!それなら、私もリーサルウェポンを使わせてもらうわ・・・・ピィィィ!」

恋華は、人差し指と中指をくわえて戦国武将が馬を呼ぶような音をあげた。

 

キラキラと星の様な光を纏う長身の男が現れ・・・

たこ焼きをもりつけた所に、サッと青のりを振りかけた・・・

 

「たこ焼きの青のりは、これくらいが丁度いいんだ・・・覚えておくといいよ・・・恋華くん☆さぁ、恋華の作った・・・たこ焼きに、このプリンスの魔法が降りかかたぞ☆プリンスの魔法の粉がかかると3000円増しだが・・・買ってくれる人は居るかな?フフン☆」

青のりを一つまみ振りかけただけで「ぼったくり」価格に跳ね上がったが・・・・何故か、女性客が一気に買い始めた。

 

「オーホッホッホッホ・・・・これで、一気に逆転ね☆」

「卑怯だぞ!!!」

女性人気ナンバー1の貴公子(プリンス)除闇を召喚し、青のりを振りかけるだけ・・・という「ぼったくり」技で一気に逆転を計り、勝ち誇る恋華。勿論ルール違反といえる行為に激怒するイ・ヤムチャ。

 

「なんとでも仰って~♪みひろんのキャベツ使ってるから人気なイ・ヤムチャのお好み焼きなんて、タイマンで対決でしたらイチコロよ~♪」

「なんだとー!クソー・・・言わせておけばぁ!!実尋さん!俺のお好み焼きに、実尋さんがマヨネーズをかけてくれ~!こーなったら合作だ!」

恋華の言いっぷりに腹を立てたイ・ヤムチャは、実尋にマヨネーズをかける様に指示した。

 

「あいあいさぁ~♪」

実尋は、マヨネーズをハート型に盛り付けた。

 

「うおおおおおおお!実尋さんのハートマヨ、お好み焼きキターーー!」

一気に男性客がお好み焼きを追加注文をした。

 

「除闇!!」

恋華は割烹着を脱ぎ捨て、スーツに着替えた。

 

「ちょ・・・恋華!そのコスチュームは・・・・」

実尋は、固まった。

 

恋華は、除闇と並んでかつての「学園喫茶」のお客様サービスのポーズを取った。

 

 

「そーきたか、ならば・・・こっちも!ふっ!!!」

イ・ヤムチャも素早く白いスーツに着替え、「学園喫茶へようこそ!」と言った。

 

「あ・・・・喫茶店じゃないのに、つい・・・言っちまった・・・」

イ・ヤムチャは我に返った。

 

「お?なんだなんだ・・・5組6組のこなもの屋は、大繁盛じゃないか!」

大崎秀がやってきて「うんうん」と大きく頷きながら感心していた。

 

「あ・・・お、大崎くん・・・プロレスショーじゃなかったの?//////」

「あぁ・・・前半と後半の休憩時間なのさ・・・だから、ここに貴公子さんも居るのさ☆・・・・お?もしかして・・・目黒(恋華)のたこ焼きの方が、ちょっとリードしてる感じか?勝負してるんだろ?イ・ヤムチャと☆・・・よーし!旧知のよしみだ!たこ焼き・・・60箱くれ!ウチのクラスの連中に差し入れしたいんでな☆」

 

「なにーーー!60箱だとォォォ!オイオイ・・・たこ焼きばっかりじゃなくて、お好み焼きも買ってくれよォォォ・・・・」

肩を落とすイ・ヤムチャ。

 

「ハッハッハ・・・悪く思うなー☆俺は、1年の時ミスコン対決時代から、少数派の目黒(恋華)派だったのだよー☆ハッハッハッハ・・・・」

秀は、両手を腰に当てて高らかに笑った。

 

「まぁ、渋谷(実尋)派の諸君!俺は、このたこ焼きをウチのクラスに配り終わったら、生徒会の連中にも差し入れしないとイカンのでな・・・さらに、120箱程追加で買いに来るぞ!」

 

「なにぃぃぃ!120箱だとォォォ!」

 

「そーだ☆まぁ、お好み焼きを勝たせたいのであれば、一人10枚程お好み焼きを追加で注文するか、客を増やさん限り勝てんぞォォォ・・・ハッハッハッハ・・・・」

 

カツカツカツカツ・・・・

 

「大崎くんったら/////もぉ・・・目黒(私)派だなんてぇぇぇ・・・・そ、そんなにハッキリ言わなくても・・・・」

「恋華・・・さっきから、たこ焼きに火が通ってない状態でかき混ぜてるから、グチャグチャだぞ・・・120箱なら・・・もう、ちょいペース良く焼かんと結局負けるぞ・・・・きちんと焼いて売らないと負ける・・・」

恋華が、大崎の登場で舞い上がり上の空になってしまっている為、たこ焼きが上手に焼けていなかった。

 

「イ・ヤムチャさん!勝負は・・・こっからだ☆頑張って焼こう!」

実尋は、千切りキャベツを作るペースがカナリ早かったようで、テーブルに山の様にキャベツが出来ていた。

 

「よーし!俺と実尋さんのお好み焼きは負ける事はない!」

 

「イ・ヤムチャくぅぅぅぅん☆」

 

「ほーら、イ・ヤムチャさんのファンがまた来たよ☆」

「なに・・・・でへへへ/////俺のファンだってぇぇ・・・・ったく/////この忙しい時にサインは後だぜ☆」

「ん??」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!また、ゴリラみたいなのがきたァァァァァ!!」

 

「ちょっと!駄犬!!どさくさに紛れてつまみ食いしようとしないでよ~・・・せっかく、焼きなおしたのにぃぃ!」

「あっちぃ・・・・・バレたか・・・」

 

「もしかして、コイツがオマエの新しい彼女か?・・・・結構可愛いな・・・・ってか、金髪のコといい・・・・たこ焼き焼いてるコといい・・・オマエの周り可愛いこが多いな・・・・一人紹介してくれよ・・・」

「ちょっとォォォ・・・・知り合いの文化祭に来て浮気とか!マジありえない!」

 

「キリエは、新宿センパイの焼いたお好み焼きが食べたかったです・・・センパイは、焼かないんですか?」

「あ・・・・今度交代した時かな☆・・・・ん?御徒町さん・・・なんで、布被ってるの?コスプレか、何かかな?」

 

「あ・・・・み、見ないでぇぇぇぇ!!」

「あ・・・御徒町さん・・・・逃げちゃった・・・・」

「オイ・・・その布被ってるコも、割と可愛いな・・・・今度紹介し・・・・痛てててて・・・ちょっと、つねるなよ!」

「ちょっと、話があるから来て!」

「オイ・・・引っ張るなよ・・・・・あ、ゴリラみたいなコより、オマエの方が可愛い・・・」

 

 

バシ

 

 

 

「あっちゃー・・・・こーなると、思った・・・・」

「みひろん・・・私、ビンタのシーンって・・・初めて見た・・・」

「あ・・・そういえば、恋華?こんなモノが校庭に落ちてたよ・・・除闇の写真付きのビラ・・・これって、学園喫茶のだよね?」

「あ・・・・・」

恋華は大量に冷や汗をかいた。

 

「もしかして、出店巡りの時に・・・こっそり、抜け出して・・・バスケ部の出し物(学園喫茶)の出店と掛け持ち・・・なんてしないよね~?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「5組6組の売り上げが悪かった時は、部活の出し物で売り上げナンバー1を目指して、最新エアコンの権限を貰っちゃおう・・・とか・・・除闇と計画してりしてないよね☆」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「してないよね☆・・・・・ね☆」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

最後まで読んで下さった方に大きく感謝します!

写真は、もっと貼りたかったのですが・・・

やはり、限界があるので貼れてません・・・・

もっと書きたい部分もありますが・・・・それは「ポロリ編で」公開していきましょうw

12月のお話しが控えているので・・・・文化祭編は、この編でw

 

 

共有鯖船学園文化祭編 おわり

 

 

鯖学はまだまだ

つづく