*今回は鬱です、かなり鬱です。人によっては見ると気持ち悪くなります。無理な人はお引き取り下さい




















本日は土曜日。
つまり学校は休みである。

と、いうわけで……


「お邪魔しまー……す?」


寮の保健室にお邪魔しようとしたら、軽装で両手剣を背負った、年下の黒髪の少女がいた。
ただし、その右手にはナイフ装備で。


しかも、その顔は知り合いで。


「「……あ」」

声がそろう。
同時にこっちを振り向く。


やっぱり、私の知り合いだった。



「キミって……、あの寮の『ルライト=メイローゼ』?」

「えっと……、それってわたしの名前ですか?」

「……はい?」


ちょっと待て。
私は多分、というか絶対間違ってない。

彼女は『ルライト=メイローゼ』。
私がお世話になってる部屋の人々(通称:ミカヅキ勢)からは、
シスコンとか過保護とか暴走とか言われてる、4歳下の妹持ちの姉だったはず。

なのに、「それってわたしの名前ですか?」ってことは……、



「じゃ、キミって誰?」

「知りません」

「即答!?」


これって、俗にいう記憶喪失というアレか?
うわー、すぐにでもノスフェラとかが捜索しに来そうだn『ポタ……』……え?

何故か水が零れるような音が聞こえて、思わずそっちを向く。


向いた方は、思いっきりルライトの方で、


彼女の左手首から、ポタポタと赤い雫、つまり血が流れ出ていた。

ついでに何故か右手に装備していたナイフが血塗れていて、
彼女はそれを左手首に当てて、横に引いて……



「ちょ、ちょっと待って、ストップストップ」

「……っ!!」


とりあえず、『人として』どうかと思う行動の元凶であるナイフを取り上げる。
彼女の左手首は、いつも巻いている包帯が無い代わりに、
いま血が流れ始めたナイフによる傷に加え、不自然なほど直線な切り傷が多数。

しかも、ほとんど真新しい。


ばきっ。


「………!?」

ついでに再発しないようにナイフの刃をブチ折る。
ほぼ毎日椅子を振るっている腕の力をなめんな。


「……で、なにリストカットしちゃってんですか?」

「……貴方には、関係ないです」


人に分かりきった隠し事をするのは、記憶を失っても大差が無いようで。


「いや、関係ないけど、ここでリスカして死なれたら私に殺人の容疑がかかるのですが」

「え………、ご、ごめんなさい」

「なんで謝るんですか?」

「だって、今、『わたしがいると迷惑』だって……」

「言ってないですね」


相変わらず、自分を傷つけるように言葉を歪めて受け取るのも大差がないようで。


「とにかく、どんな事情があろうとも、ここでリスカは勘弁して下さい。
ついでにこっそり剣で代用しようともしないで下さい。
ここの先生はかなり恐ろしいので」

「……はい」


ホント危ない人だな……、簡単に命を投げ捨てる方面で。
ノスフェラが嘆く理由がわかる気がする。



その後、フラグを回収するかのようにやってきたジェスト先生が、
ルライトではなく私を怒ったのはご想像のとおり。






・あとがき

まさかのルライトさんが登場、しかも若干崩壊気味で;;
一応裏設定としては、
『事情により空間移動をしようとしたところ失敗して、
記憶を失ってぶっ倒れてたところをジェスト先生に助けられた』
という設定です。

次回も(書けば)ファキとルライトの過去話をやりたいと思ってます。


……リスカネタでごめんなさい
~希望と恐怖は紙一重~


「ギィィィィィィィィィィィィィ!!」

地面を踏みしめて来たのは返り血に塗れた魔物、ツヴァイク。
多分……、じゃなくてもわたしが倒しそこなった奴だ。
その証拠に、体の一部が何かに『斬り落とされた』かのように無くなっていたからだ。


「ぁ……、や、やだ……!」


終わった、と思った。
後ろには木。さっきは剣を持っていたけど、パニックになったときにどこかに落としてしまった。


つまり丸腰。戦う術がない。


「ギィ……ギャギギギギ………!」

突然、わたしが斬り落としたのとは反対の部分が伸びて、鋭くなって、
矛先がこちらに向けられる。


殺される、この魔物に。


助けて、って叫びたいのに、声が出せない。
ボロボロと涙が溢れる。叫び声じゃなくて、嗚咽しか出ない。
そうしてる間にも、だんだん鋭い部分が後ろに引かれていって……、止まる。




そして、わたしの心臓に向かって勢いよく貫こうとして………っ!!







「戦陣乱舞(センジンランブ)!」

ザァァァァァァァァァッ!!







「………え?」

魔物じゃない誰かの声と、物が吹き飛ぶような音がした。

自分でもわからない内に閉じていた目を開くと、
目の前にいたはずのツヴァイクがいなくなっていた。

「ギィ……、ギャァァァァァァァァァァ!!」

いや、かなり離れた場所に、さっき鋭くなっていた部分が斬り落とされた状態でいた。
……あ、ツヴァイクだけじゃない。
黒髪の、(多分)年上の男の人が双剣を両手に握ってツヴァイクのそばにたっている。
知らない人だ。誰だろう?

「ギギャギャギャギャァァァァァァァァァ!」

何の前触れも無しにツヴァイクの残った部分が伸びて、
さっき以上の速さで男の人に襲い掛かる。


「……攻撃が単純すぎる」


でも、男の人は一言呟くと、握っていた双剣で全て斬り落とす。


「双響月砕(ソウキョウゲツガ)!!」


ツヴァイクの動きが止まった瞬間、男の人が技名らしきものを叫んで双剣を振るうと
衝撃波らしきものが2発放たれ、


ツヴァイクが上下に真っ二つに分かれてあっけなく消滅した。


「………、ぁ」

ツヴァイクが消滅したのを確認した途端、足に力が入らなくなってわたしは座り込む。


……死なずにすんだ。ちゃんと生きてる。

それを確認すると同時に、恐怖のあまり忘れていた左腕の痛みが戻ってきて、
感情がごちゃごちゃになって、また涙が零れた。


「……おい」

声をかけられて顔をあげる。
そこにはさっきの男の人がいた。

「ぇ、ぁ…………えっと、えっと」

感情がごちゃごちゃになりすぎて、まともな返事を返せない。
どうしよう、ホントにどうしよう。

わたしの様子を見て、また男の人が口を開く。

「大丈夫……そうじゃないな、って、その血はどうした」

左腕を見て言われる。
返す言葉を探していると、急に左腕をつかまれる。痛い。

「い、痛い………っ!」
「さっきの奴に斬られたのか……、少しまってろ」

男の人はそういうと、左腕をつかんだまま息を吸う。



「♪~♪~~♪♪~~~♪~~♪~」



息を吸って、『何か』を唄う。
すっごい綺麗だと思った。

……しばらくすると、まるで嘘だったかのように左腕の傷が塞がる。
血はついたままだったけど、痛みはない。

「す、すごい……」
「……治ったみたいだな」

わたしの傷が塞がったのを確認して、男の人は唄を止める。

「えっと……、あ、ありがとうございます」
「礼なんていらない。……ところでキミは誰だ?」

名前を聞かれる。
……どうしよう。『どっち』の名前を言おう?


「わたし……、わたしは『ホロウヴァード』と言います。学校の生徒です」

とりあえず、『こっち』の名前を言う。
男の人は「そうか……、珍しいな」とだけ言った。

「あの……、貴方は誰ですか?」

今度はわたしが聞くと、男の人は(気のせいかもしれないけど)少しためらってから答えた。




「俺は『フォルツァッタ・タイムラグ』。……一応旅人だ」




―――ところで、『あの人』は何をしてるの?―――






・あとがき

というわけで、やっとナマコさんから借りたフォルさん登場!かなりお待たせしました;
頑張った、うんマジで頑張ったよ私!(オイ

最近の作業用BGMが、まさかの「愛ト茄子ト平和ナ果実」な件について(←


次回は主人公カムバーーック!……の予定です(殴




一応載せてみる。いろいろ中途半端ですが、設定が出来しだい増えます。
何故か空いてる部分はネタバレですので、嫌な方はお引き取りor反転しないで下さい。


・世界観

舞台は『レイディアン・カースト』と呼ばれる大きな島。通称『レイディアン』。
たまに雨や雪が降る程度で、気候がいい。四季も存在する。
災害とかは一切なし。絵に描いたような平和な島。

島の中央には、白と金色の巨大で美しい城『輝きの城』と城下町があり、
西には住宅地や学校、国立図書館、たまに吟遊詩人や道化師がくる広場がある。





あとは流れを現在時点で分かってる部分だけ載せます。
ネタバレ上等な人は反転してどうぞ。責任は取りません。








第1章 『日常(いつも)の中の異常(そうどう)』

・メインは現時点での4人とゲオルグさんとフォルさん。
・プロローグと日常編とロスト・フォレス編の3つで構成(予定)
・前半はアモルの日常、後半は『ロスト・フォレス』での話がメイン。
・この章でのボスは狂暴化した鳥人状態の『戦闘鳥』


第2章 『Countless Days(無限の日々)』

・(今のところ)メインはアモル、メーシュ、ライさん、ラウムさん
・第2プロローグと補習編と創造祭編の3つで構成(予定)
・前半は普通に1章でサボった補習、後半は創造祭の1日がループする原因を探すことがメイン。
・ボスはまだ決めてない。でも時に関係するようにしようかなとは考えてる(←


第3章 『戦闘乱闘トレジャーゲーム』

・メインはアモルとエレオスとフラグ(オリキャラ)とフラルとカマツさん。
・第3プロローグとゲーム編の2つで構成(予定)
・レイディアン・カーストを一週間かけて巡るトレジャーゲーム(という名の学校イベント)がメイン。
 多分一番長くなる。
・中盤に敵らしき謎の2人との戦闘(予定)
・ボスは……秘密!(ぇ


第4章 『Closed fortune(閉じた運命)』

・(今のところ)メインは4人とフォルさんとカマツさんとゲオルグさんとラウムさん
・トラウマとグロと流血と暴走と闇堕ちと狂気でつっぱしる(←
・↑で同士討ちもあり得る(
・このあたりで4人の過去などが分かる(予定)
・ついでに鬱とダークな展開を追加。でも乗り越える(予定)



あとはまだ未定です;;すみません;;


痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。
さっきからこれしか考えられない。でもさっきよりは落ち着いた気がする。

始めは3匹の『戦闘鳥』(ファイティングバード)を回収するだけだった。
でも、ヴェリが逃した最後の『戦闘鳥』を追いかけて森に入ったら、
木に似た魔物―――ツヴァイク―――に遭遇して、無謀にも戦ってしまった。
……その結果、わたしはツヴァイクの一部(木で言ったら枝の部分)を斬り落とした。
けど、左腕を縦に深く斬られてしまって、パニックになって円状に開けたこの場所まで逃げてきた。



……痛い、無理やり違うことを考えても痛みから逃れられない。
中央に生えていた枯れかけの木に寄り掛かりながら、左腕を見る。
斬られた部分からは、絶えず赤い血がダラダラと流れて制服と地面を染めていた。
余計に痛く感じて、見なきゃよかったと後悔する。




……何となく、左手を触る。
そしたら、氷と同じぐらい冷たくて。




怖くなった。
このまま自分の血が全部流れてしまったら、死んじゃうかもしれない。




そう思った瞬間、
視界がにじむ。
頬に何かが伝う。
言葉を心に押し止められない。





「えぅ……、痛い………。怖いよ…………、死にたくないよぉ……!
誰かぁ………ひっく、……助けて、誰か助けて……!!」


気付けば、わたしは言葉と嗚咽を零して泣いていた。
血がたくさん流れたせいなのか、体が冷たい。
加えて、自分で何を考えているのかわからない。



それが怖い。死ぬ前のようで恐ろしい。




「誰でもいいよ、何でもいいよ……、死にたくないよぉ……、助けてよぉ………!」



……ザッ。



突然、何かが地面を踏みしめる音がした。
誰かが助けに来てくれたんだ、と確信して顔をあげて





「グ……、ギィィィィィィィィィィィィィ!!」




絶望した。




―――『何か』は、何時になったら間に合うの?―――







・あとがき

はい、また短いです。
次回へのかなりの伏線です戦闘思いつかないんですねはいありがとうございました(ぇ