闇も光も。

使い手によって、傾く、好まれる、象徴になる。
もちろん、他の何かもそうだと思う。

自分が思うだけで、本質はもっと違うのかもしれないけれど。



でも、『何か』にすら入れない『ナニカ』はどうなんだ。


きっと、これが……





いや、駄目だ、そんな事を考えたら。

自分が自分でなくなってしまう。



でも、それでも、叫ばずにはいられないよ。






「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」







だけど、叫んでも、泣いても、地面を叩きつけても。



元には、戻らない。



全部、ぜんぶ、ゼンブ。




……ここがこんなに壊れた原因?


決まってる。


『わたし』が、壊したから。


母さんが眠ってる場所に気付くまで、分からなかったから。



わたしが、わたしのせいだ。



あのときもそうだ、わたしが川辺でおまじないをしたからだ。



こんなことになったのは、全部わたしのせいだ。


もう、何度謝っても、きっと恨まれ続けるんだ。
きっと、きっと。






………気づいたら、たくさんの雨粒がわたしの上に落ちていた。


わたしを、責めてるみたいに。


涙と雨粒が混ざって、焼け焦げた地面に滲む。
けれど、直ぐに他の雨粒に混じってわからなくなった。




初めは、この生活が終わったら絶対に村に帰ると思ってた。


でも、わたしは、帰りたいと願った村を壊した。


いや、殺した。





今、この生活が終わっても、帰る場所はない。

だって、わたしが殺したから。




もう、何もないよ。






わたしは、何だったの?








誰でもいいよ、何でもいいよ。



善でも、悪でも、天使でも、悪魔でもいいよ。







「…………たすけて」








わたしの声は、雨の中に溶け込んで、






誰にも、届かなかった。




当たり前だと、わかっていた。
わからないはず、ないじゃんか。









左手を見る。

大嫌いなモノが浮かんだ手。
今では多分、頬まで浮かんでいるんだろうな。




もう、いい。


もう、元に戻らないんだ。







「……『陽無下月光祝福の証』」






戻れない場所に、手を伸ばしていいですか?







「『ロックモード:解除。及び、強制解放』」









さようなら。














もう二度と、逢えませんように。




と、いう訳で逝くぜ!


・忘却石とは
ルライトが某寮でアウアに渡した、白い結晶のペンダントを指す。
ルライトの魔力で出来ており、アウアにかかっている忘却術の補助、及び強化する効果がある。
その他にも、簡易的な防御魔法が込められている。


本当は禁術『ソウルジェム』の一種、『リスィクリスタ』
『ソウルジェム』とは、
『対象の魂と身体を切り離し、物質化した魂が紛失か破損しない限り死亡しない』という魔法。

『リスィクリスタ』は、
『対象の記憶を使用者の魔力と共に物質化して閉じ込め、
完全に破壊しない限り記憶を取り出せない』というモノ。
両方とも、物質化した魂等の色は対象によって様々。
つまるところ、上記の白い結晶(忘却石)はルライトの魔力とアウアの過去の記憶そのもの。
それを破壊しない限り、アウアに過去の記憶が戻ることはない。


忘却石を創り出す(過去の記憶を抜き出す)ことが出来れば、反対(違う記憶を入れること)も可能。
例えば、都合の悪い記憶を忘却石に閉じ込めて、創った偽りの記憶を入れて操ることも出来る。

ただし、忘却石に閉じ込められる記憶の量は使用者によって限りがある。
そのため、限界以上の記憶を閉じ込めることはできない。
使用者によっては、1年分の記憶を閉じ込めるためにいくつもの忘却石が必要なこともある。
ルライトの場合は、忘却石1つに5年分の記憶を封じることが可能。
平均は忘却石1つに1年分の記憶。

ちなみに『防御魔法』などは、魔力と共に誰でも閉じ込めることが出来る。
呪いとかも同じく出来る。







フリー設定なので、適当に改良したりして洗脳ネタなどにどーぞ。




むかしむかしのことです。
わたしたちが知らない場所に、大きな国と美しいお城がありました。

お城には、金色の髪のとてもきれいなお姫さまが毎日お空を見ていて、
国の人々を虜にしていました。
それほどに、お姫さまはきれいなのです。


あるとき、国の男を集めて王様は言いました。
「この中から、新しい王子を選ぶ」と。
新しい王子になればお姫さまと一緒にいられるので、男たちは喜びました。

そして一人の優しい男が王子に選ばれ、人々は祝福し、お姫さまは嬉しそうに笑いました。

しかし、一人の男だけは、王子になれなくて怒り狂いました。
もっとも、その男はお姫さまといたいのではなく、国のお金が欲しいだけでしたが。


男の怒りはあまりにも強く、炎となり、いつしか男は天に輝く「太陽」になりました。


「太陽」になった男は、王子になれなかった腹いせにずっと輝き続け、
人々を暑さで苦しめたり、泉や草を枯らしたりして、
仕舞いには国から全ての灯りを奪って真っ暗にしてどこかに消えてしまいました。


人々が暗闇の中で困り果てたとき、一人の男が立ち上がりました。
それは、新しい王子になった優しい男でした。
新しい男は、お城のてっぺんに立って言いました。



「                   」



するとどうでしょう。
王子の体は天に昇り、「太陽」に奪われた灯りの代わりに「月」として国を優しく照らしたのです。


新しい灯りに照らされた人々は安心しました。
けれど、お姫さまは悲しみました。


なぜなら、王子になる前から優しい男のことが好きだったのです。


お姫さまが流した銀色の涙は、好きだった王子と同じように天へ昇り、
「月」と一緒に輝く「星」になりました。


その後、国の人々は優しい月明かりの下で幸せに暮らし、
お姫さまは、死ぬまで空ではなく「月」を見続けたそうです。



……おしまい。


・呪印
ルナヴィアースの国家兵器人々についている、太陽に鎖を巻いたような印。
正式名称「陽無下月光祝福の証」(月光印)

表向きは「選ばれた者への力添え」として身体強化や魔力増幅などが挙げられるが、
本当は国家兵器と属性持ちの管理や監視をするために、精神や深層心理、身体に干渉する呪術。
メイローゼ姉妹が最初の被害者。その後改良されていった。

一部の人々の印は時間がたつにつれ進行などの変化が起こる。
人によって色や場所が違う。


この印の解呪条件は一つ。
対象者が死ぬことのみ。

理由は印が生命維持に干渉しているため、解呪されると生命維持力が暴走して死亡するから。




・メイローゼ姉妹の呪印
基本的な効果は上記と同じ。だが、その他に色々と上乗せされている。

上乗せされているのは「破壊衝動の強化、進行」・「自己再生能力」・「精神干渉の進行」など。
当時は「実験」として実用化する訳ではなかったが、メイローゼ姉妹の変化を見て実用化が決まった。

アウアは相性が良く、(国にとっても)問題なかった。
しかしルライトはかなり相性が悪かったために、「精神干渉」が出来ない等の問題が起きた。
そのため彼女の呪印進行時には変色し、(印からの)流血、苦痛が襲う。
反対に、相性が良いアウアの呪印進行時は何もない。


ちなみにアウアの印は白色、ルライトの印は青白い色で、進行時は紅。