第3章 プレーについての規則
◎ ゲーム
規則1 ゲーム
球の動きに影響を及ぼす、あるいは物理的条件を変える
1-2/0.5
規則1-2の重大な違反とは
質問: 規則1-2の重大な違反が起きたかどうかを決定する基準はマッチプレーとストロークプレーで同じでよいか。
回答: プレーヤーに規則1-2の重大な違反があったかどうかを決定する際、委員会はその出来事のすべての状況を考慮すべきである。マッチプレーとストロークプレーでプレーヤーへの異なる影響があることを考えると、同じ行為であってもストロークプレーでは規則1-2の重大な違反となるが、マッチプレーではそうならないこともある。ストロークプレーでは、例えば、プレーヤーが自分の球がウォーターハザードに入るのを意図的に止めた場合には、重大な違反に対して競技失格となるべきであるが、マッチプレーでは多くの場合そのホールの負けという罰で十分である。場合によっては、(例えば、裁定1-2/1で言及するパットの線を意図的に損傷する行為)、マッチプレーでの競技失格の罰も妥当かも知れない。
(2008年追加、2012年小改訂)
1-2/0.7
「単にコースを保護する目的」とは
質問: 規則1-2例外2の「単にコースを保護する目的」という言葉の意味は何か。
回答: この例外の「単にコースを保護する目的」という言葉は、それが適切な時期に、規則で認められている方法で行われることを条件として、規則のエチケットの章で奨励されている行為の履行を意味している。規則1-2の規定は、プレーヤーが単にコースを保護する目的のため、そのプレーヤーの組やマッチのプレーヤーの球の動き、あるいはプレーに影響する物理的な条件に意図的に影響を及ぼすことなしに行う限り、プレーヤーがエチケットの章と一致する行動をとることを妨げない。例えば、プレーヤーは相手、同伴競技者、あるいはパートナーの球の動きに影響を及ぼすためにホールのふちの凸凹を平らにしたり、スパイクマークを軽く叩いて修復することはできない一方で、そのプレーヤーは、一般的に、後続の組やマッチのプレーヤーたちへの配慮あるいはコース保護としてホールのふちの凸凹をならしたり、スパイクマークを軽く叩いて修復することができる(裁定1-2/3.5参照)。同様に、プレーヤーは球の動きに影響を及ぼす意図を持って、動いている球が止まる可能性のある区域や、球がドロップされたりプレースされる区域にある芝土を押さえつけることはできない一方で、そのプレーヤーは、一般的に、自分の組や自分のマッチのプレーヤーのそのホールのプレーに影響しないディボット跡を修復したり、ディボットを元に戻すことによってコースをきれいにするように努めることができる(裁定1-2/8参照)。
(2012年追加)
1-2/1
相手(または同伴競技者)が、故意にパットの線を踏む
質問: 相手(または同伴競技者)がプレーヤーのパットの線を改善しようとしたり(例えば、毛羽だった芝を押しつけるなどして)、パットの線を傷つけようとして(例えば、スパイクマークを作るなどして)故意にプレーヤーのパットの線を踏みつけた。この場合、どのように裁定すべきか。
回答: どちらの場合も、相手(または同伴競技者)は規則1-2に違反している。委員会が競技失格の罰を課すことにした場合を除き、罰はマッチプレーではそのホールの負け、ストロークプレーでは2打の罰(規則1-2の罰打の規定参照)。
ストロークプレーでは、パットの線が傷つけられていれば、競技者は、公正の理念(規則1-4)にしたがって、パットの線を元の状態に修復することができる。ライとパットの線については、プレーヤーは自分の球が止まった時点の状態でプレーする権利がある。パットの線の修復は誰が行ってもよい。
(2000年改訂、2008年小改訂)
◎1-2/0.5と1-2/1に関連する裁定:
*13-2/36 パットの線上のスパイク跡を、同伴競技者が修理してくれるのを黙認
*16-1a/13 相手、同伴競技者(またはそのキャディー)が偶々プレーヤーのパットの線を傷つける
*17-3/2 相手(または同伴競技者)が旗竿を抜かなかったため、旗竿に球が当たる
*19-1/5 同伴競技者が故意に動いている球の方向を変える
*索引「公正の理念」も併照のこと
1-2/1.5
競技者が同伴競技者のプレーの線を変える
質問: ストロークプレーで、Aの球は折れかかっている木の枝の下にあり、Aは罰なしに救済を受けることができると思って裁定を求めた。Aの同伴競技者であるBはレフェリーとAのケースについて議論している間にその枝を持ち上げ、Aのプレーの線を改善(または改悪)した。この場合、どのように裁定すべきか。
回答: BはそのホールのAのプレーに影響を及ぼす意図を持って物理的条件を変えたわけではないので、Bは規則1-2の違反とはならない。Aに罰はなく、Aはその枝を元の位置に戻すことができるが、Aは必ずしもそうしなくても良い。
(2006年追加、2012年小改訂)
1-2/2
パットの線の風除け
質問: 風を除けるために、パットの線に平行してゴルフバッグを置いてもよいか。
回答: 認められない。球の動きに影響を与える意図を持って行われたそのような行為は、そのゴルフバッグをストロークを行う前に取り除いたとしても、規則1-2の違反となるだろう。
(2012年小改訂)
1-2/3
ドロップ後に球が転がり込む可能性のある区域の茂みを折って取り除く
質問: プレーヤーはスルーザグリーンの修理地の区域から救済を受けることを選んだ。そのプレーヤーは救済のニヤレストポイントと規則25-1b(i)に基づき球をドロップしなければならない1クラブレングスの区域を正しく決めた。そのプレーヤーはそのドロップ区域の外側に小さな茂みがあることに気付いていた。ドロップしたときに、規則20-2cに基づき再ドロップが求められることもなく、自分の球がその茂みに近づいて止まる可能性があることを心配して、そのプレーヤーは意図的にその茂みの一部を折って取り除いた。この場合、どのように裁定すべきか。
回答: そのプレーヤーは、球をドロップする区域 (すなわち、規則25-1b(i)に基づきドロップしたときに球がコース上に最初に落ちなければならない区域)を改善していないので、規則13-2は適用されない。しかしながら、そのプレーヤーは物理的条件を変えることにより、そのホールのプレーに影響を及ぼす意図を持って行動したことに対して規則1-2の違反となる。
同様の原則がプレーヤーの球が止まっていたが、そのプレーヤーが、球が動くかもしれないと心配している状況にも適用される。例えば、プレーヤーの球がスルーザグリーンの急斜面に止まっており、その球がその傾斜を10フィート転がり落ちることがあったときにスイングの妨げとなるかもしれない木の枝をそのプレーヤーが折る場合、そのプレーヤーは物理的条件を変えることにより、そのホールのプレーに影響を及ぼす意図を持って行動したことに対して規則1-2の違反となる。
(2012年追加)
1-2/3.5
ホールアウトした後で損傷したホールを修理する(相手、同伴競技者またはパートナーがホールアウト前の場合)
質問: ホールアウトしたあとで、ホールのふちが凸凹しているのを見つけ、プレーヤーは手で凸凹しているふちを叩いて均したが、相手、同伴競技者またはパートナーがまだホールアウトしていなかった場合、そのプレーヤーは規則1-2に基づき罰を受けるか。
回答: プレーヤーが単にコースを保護する目的でホールのふちをならした場合、プレーヤーは規則1-2の違反とはならない。しかしながら、凸凹しているふちをならすことが多少なりともプレーヤーの相手、同伴競技者、あるいはパートナーの球の動きに影響を与えるつもりであった場合、あるいはそのホールのプレーに影響を与える意図を持って物理的条件を変えた場合、プレーヤーは規則1-2の違反となる。プレーヤーはその組またはマッチのすべてのプレーヤーがそのホールのプレーを終えた後にだけホールの凸凹しているふちをならすことが勧められる。プレーヤーはホールアウトしていたので、規則16-1aや規則13-2に基づく罰はない。
フォアボール競技で、プレーヤーのパートナーがホールアウトを済ませていなかった場合、そのパートナーは規則16-1aにより罰を受けることとなる……定義42「パートナー」参照。
(1991年追加、2010年改訂、2012年小改訂)
◎関連裁定:
*16-1a/6 ホールが損傷している場合、プレーヤーのとるべき処置
*33-2b/2 パッティンググリーン上のホールの近くに球が止まっていたのに、そのホールの位置を変える場合
1-2/4
ホールの近くで故意に跳びはねて、ホールインさせる
質問: 球がホールのふちからせり出しているとき、プレーヤーは地面が揺れて球がホールに入れることを期待してホールの近くで飛び跳ねた。プレーヤーはインプレーの球の動きに影響を及ぼそうとしたことに対して規則1-2に基づく罰を受けるか。
回答: プレーヤーの球が止まっていて(あるいは規則16-2に基づいて止まったものとみなされて)、動かなかった場合、規則1-2は適用しない。なぜなら、プレーヤーは止まっている球を動かそうとしており、このことは規則18-2aによって扱われているからである(規則1-2例外1参照)。球は動かなかったので規則18-2aに基づく罰はない。
プレーヤーの球が止まっていて(あるいは規則16-2に基づいて止まったものとみなされて)、球が動いた場合、規則1-2は適用しない。なぜなら、プレーヤーによって止まっている球が動かされたことは規則18-2aで扱われているからである(規則1-2例外1参照)。プレーヤーが自分の球を動かす原因となったものとみなされ、マッチプレー、ストロークプレーいずれの場合も規則18-2aに基づいて1打の罰を受け、その球はリプレースされなければならない。
プレーヤーが飛び跳ねたとき、球がまだ動いていた場合、規則1-2が該当する規則となる。なぜなら、プレーヤーは球の動きに影響を及ぼす意図を持って行動したからである。マッチプレーでは、プレーヤーはそのホールの負けとなる。ストロークプレーでは、プレーヤーは2打の罰を受け、球は止まった所からプレーしなければならない。球がホールに入った場合、プレーヤーは最後のストロークでそのホールのプレーを終えたことになり規則1-2に基づく2打の罰を受けなければならない。
(1986年改訂、2012年小改訂)
◎関連裁定:
*2-4/2 次のストロークをコンシードしたあとで、その球がホールに落ち込む
*16-2/2 ホールのふちからせり出している球を、プレーヤーが止まったかどうか確認する前に相手がすぐにコンシードしてどける
*18-2a/23 ホールのふちに止まったので、怒ってその球を叩いてどける
*18-2b/10 アドレスしたら球が動き、ホールの中に落ちる
1-2/5
片手でパットし、片手で球をホールの中で受け止める
質問: ホールのふちに止まったので、プレーヤーは片手でパットし、その球がホールのふちよりも下に来たときに片手で球を受け止めた。この場合、どのように裁定すべきか。
回答: プレーヤーは動いている自分の球を止めたことになる。
マッチプレーでは、プレーヤーはそのホールの負け……規則1-2。
ストロークプレーでは、競技者は2打の罰を受け、球をホールのふちにプレースし、ホールアウトしなければならない……規則1-2。なお、競技者がこれを怠った場合、競技者は、ホールアウト不履行で規則3-2に基づき競技失格となる。
球が「ホールに入った」(定義27「ホールに入る」参照)ことになるには、球がホール内に停止しなければならない。
◎関連裁定:
*16/5.5 球がまだ止まらないうちにホール内の球を取り出したとのクレーム
1-2/5.5
プレーヤーが意図的に球を止めたり方向を変えた場合;次打をプレーする場所
質問: プレーヤーの球はスルーザグリーンにあって、そこから上りのピッチショットをしたところ、球が自分の方へ転がり戻り始めてきたのを見て、プレーヤーは転がってくる球の前にクラブを置いて球を止めた。そうしなかったらその球はあと数ヤード転がっていくところであったが、スルーザグリーンに止まるはずであった。この場合、どのように裁定すべきか。
回答: プレーヤーは意図的に球を止めたので、規則1-2違反となる。しかしながら、それほど重大な違反ではないので、プレーヤーはマッチプレーではそのホールの負け、ストロークプレーでは2打の罰を受ける。ストロークプレーでは、競技者はクラブで球を止めた所からプレーしなければならない(規則1-2注2参照)。
プレーヤーが意図的に球の方向を変えたが、球を止めることにはならなかった場合、マッチプレーではそのホールの負けとなる。ストロークプレーでは、重大な違反がなければ、競技者は2打の罰を受け、その球は止まった所からプレーしなければならない(規則1-2注2参照)。ストロークプレーでは、重大な違反があれば、競技者は競技失格となる。
規則19-2はプレーヤーが偶然に球の方向を変えたり、止めた場合のみを扱っているので適用とならない。
(2002年追加、2006年改訂、2012年小改訂)
◎関連裁定:
*20-2c/4 ドロップされた球が止まる前に、キャディーが球を受け止める(罰がつく場合)
1-2/6
(保留)
1-2/7
プレーヤーがパッティンググリーン上で動いているパートナーの球の方向を意図的に変える
質問: A・B組とC・D組のフォアボール・マッチプレーで、全員がパッティンググリーンに第5打でオンしていた。Aの球はホールから4フィートの所にあり、Bの球はホールから30フィートの所にあった。AはBがパットをしている間、Bのパットの線に対してホールの後方近くに立っていた。
Bの球はホールを通り過ぎ、Aが立っている方に転がっていった。AはBの球が止まるのを待たずにBの球をBに打ち返した。この場合、どのように裁定すべきか。
回答: Bの球の動きに対するAの意図的な妨害は規則1-2に違反する。しかしながら、違反の罰は、動いている球の持ち主であるパートナーのB に課せられ、結果としてBはそのホールについては失格となる。Bの規則1-2の違反はAを援助していないので、Aは罰なしにそのサイドの代表を続けることができる。
(2006年追加、2012年小改訂)
1-2/8
球がプレーした場所に向かって転がっているときにプレーヤーが芝を押さえつける
質問: プレーヤーの球はスルーザグリーンの傾斜地の底にあった。プレーヤーはストロークを行ったところ、自分の球が今プレーした場所に向かって傾斜を転がり戻ってくるのを見た。その球が今プレーした場所に到達する前に、プレーヤーは自分の球が盛り上がった芝の部分に寄り添ったり、ディボット跡に止まらないようにする意図を持って、その区域の盛り上がった芝を押さえつけた。プレーヤーは規則1-2に違反するか。
回答: プレーヤーは意図的にインプレーの球の動きに影響を及ぼし、そしてそのホールのプレーに影響を与える物理的条件を変える意図を持って行動したので規則1-2の違反となる。盛り上がった芝を押さえつけることは単にコースを保護する目的のためのものではないので、規則1-2例外2は適用しない。
球がその区域に戻ってくることにプレーヤーが気付かなかった場合は規則1-2の違反とはならない。
(2008年追加、2012年小改訂)
1-2/9
プレーヤーが球をパッティンググリーン面に押しつける
質問: リプレースする過程でまだ球をインプレーに戻す前に、プレーヤーは球が風や傾斜によって動かされないようにするためにその球をパッティンググリーン面に強く押し付けた。この場合、どのように裁定すべきか。
回答: パッティンググリーンの表面を変えた場合、プレーヤーは意図的にインプレーの球の動きに影響を及ぼし、そしてそのホールのプレーに影響する物理的条件を意図的に変える行動をしたことに対して規則1-2の違反となる。
マッチプレーでは、プレーヤーはそのホールの負けとなる(規則1-2)。
ストロークプレーでは、プレーヤーは2打の罰を受け、球はあるがままの状態でプレーしなければならない(規則1-2)。
(1987年追加、旧裁定18-2a/6-2012年改訂)
◎関連裁定:
*14-5/2 揺れている球をストロークする
*18/2 アドレスの際、偶然に球をぐらつかせる
*20-3d/2 バンカー内の動かせる障害物を取り除いたために動いた球を、ホールに近寄らずにはそのバンカー内にプレースできない場合
1-2/10
スタンスをとる前にタオルを自分に巻きつけたり、サボテンの上に置く
質問: プレーヤーの球がサボテンの近くに止まっており、その球をプレーするためにはプレーヤーは自分の脚をサボテンに密着させて立たなければならなかった。サボテンのトゲから身を守るために、プレーヤーはスタンスをとる前に自分の脚のまわりにタオルを巻いてからその球をプレーした。この場合、どのように裁定すべきか。
回答: プレーヤーが規則13-2に違反していない(例、フェアにスタンスをとる)ことを条件に、罰はない。しかしながら、プレーヤーがサボテンの上にタオルを置いた場合、そのプレーヤーはそのホールのプレーに影響を及ぼす意図を持って物理的条件を変えたことに対して規則1-2の違反となり、マッチプレーではそのホールの負け、ストロークプレーでは2打の罰を受ける。
(旧裁定1-4/11.5-2012年改訂)
◎関連裁定:
*13-3/2 タオルを敷いて、その上に膝を乗せてストロークを行う
◎規則1-2に関連する裁定:索引「球の位置や球の動きに影響」を参照