早朝、突然の母からの電話に起こされる


「急いで来て」


悲鳴とも泣き声ともとれる声に事情を聞くと


「ネズミがかかったの」という


慌てていちごの散歩をすませ自転車をとばす


風呂場の裏の勝手口に奴はいた





ことの発端はひと月まえ


ネズミが出るという母の言葉を半信半疑で聞いた私は、これで母の気が済むならと家のいたるところにネズミ捕りを仕掛けた


以来、毎日のようにかかってくる母からの電話は「夜中に出たみたい」


「ガリガリ音がした」…


来年の春で89になる母だ


とうとうボケたか


と呆れ顔の私であったが


母の言ったことは間違ってなかった

明日から本格的にねずみ退治を

始める