駅について、空港の直行列車に乗った。

 

わたしの重すぎるスーツケースをずっと運んでくれるプレム。

「わたし力持ちだから大丈夫だよ、貸してよ」

と言っても、

「いいの。ていうかそっちの荷物も貸して」

とほぼ全て請け負うプレム。

※でもスーツケース持った時「うっ…」って言ってた

 

 

空港についたけど、空港内には実際の搭乗者しか入れない。

外にあるフードコートと喫煙所、それからビジターラウンジで大半の時間を過ごした。

 

「ちょっとトイレ行ってくるね」とプレムに言い、ビジターラウンジからエレベーターを降りてトイレに行く。

 

エレベーターで降りると、トイレに行く前にスペースがあいてて空港の1階に入れるようになってた。

 

ラウンジに戻り、プレムに

「ねぇ、ラウンジから空港の1階に行けるんだけど…」

と言うと

 

なんだと!!行こう!フードコートよりまともなカフェ行きたい」

とプレムは言い、2人で下の階に降りた。

 

 

まともなカフェ発見。

ちゃんとソファもある!!

 

ここでゆっくりしよう、ということになりソファに座る。

 

コーヒーを片手に、残りの時間を過ごす。

写真やビデオを沢山取る。

 

カメラを向けて映像モードにしていると、プレムがふざけてビデオメッセージ風に話しはじめた。

 

「こんにちは!僕の名前はプレム!

僕は、Rukminiのことを愛してる。心の底から。

 

この気持ちはすごくすごく真剣。

 

 

 

Rukminiが帰ったあと、どう過ごしていいのかわからない…」

 

 

カメラを止めて、プレムの手を握った。

 

 

 

 

プレムはぽつりぽつりと話し始めた。

 

彼がどれだけわたしのことを想っているか、あの時会えてよかったか、離れるのが寂しいか、そういうことを伝えてくれていた。

 

でも、詳しくどういうことをどういう言葉で言ってくれたのかを覚えてない。

 

言葉に集中できなかった。

 

プレムが泣いてたから。

 

 

驚いて、何も言えなくて、嫌だ寂しいってわたしも思うのに、

プレムが泣くからわたしは泣けなかった。

 

 

「また会える。インドかもしれないし、日本かもしれないし、違う国かもしれない」

「そうだね、次会うまでにいっぱい電話やメッセージしようね」

 

涙を拭いて笑うプレム。

 

 

 

「そろそろ時間だね」

 

ロビーの真ん中で、わたしは2階へあがるため、プレムは出口へ向かうためここでお別れすることにした。

プレムはわたしをぎゅっと抱きしめ何度もキスをして、

「本当に大好きだ、愛してるよ。

ほら、もう行かなきゃ」

と満面の笑顔で言った。

 

そのあと、出口へ向かう途中で大きな声でもう一度

「愛してるよーーー!!」と笑顔で叫びながら手を振る。

 

 

周りのおっさんたちがわたしたちに大注目。笑

 

 

何度も何度もこっちを振り向きながら、笑顔で手を振ったり謎のダンスをしながら遠ざかっていくプレム。

 

精一杯無理してるのがわかった。

 

 

一人で2階にあがりながら、これまであった出来事を頭の中で何度も思い出す。

 

思い出すけど、何も考えられない。

 

 

ふらふらとチェックインカウンターまで行き、並んでいるとプレムから電話がかかってきた。

「Rukmini、大丈夫?ちゃんとチェックイン済ませて中に入るんだよ!」

「あはは、今並んでるから大丈夫だよ」

「そっか、わかった。中に入ったら連絡してね!」

 

 

チェックインを済ませて中に入る。

「中に入ったよ、免税店楽しい!ウロウロする」

「わかった、飛行機に乗ったら教えて!」

心配性だなぁ。

 

 

 

 

免税店をまわり終えて、ゲートに向かう。

椅子に座っていると、隣に座った男の人が話しかけてきた。

 

「日本に帰るの?僕は香港まで行くんだ」

「そうなんだ。仕事?」

「いや、香港はホームタウン。香港に帰ったあとに、ロスに仕事で行く」

「お~めっちゃいいじゃん。ロス大好き」

「それがね、そうでもないんだよ~。」

 

どうやら彼は、某ネズミークルーズのクルーらしい。

船の上でバーテンをしているという彼は、初対面のわたしに愚痴り始めた。笑

 

酔ったお客さんに何かされても笑顔でニコニコしていなきゃいけないという彼は、

だんだんヒートアップする。

 

「ほんと、時々張り倒してやろうかと思うんだ…!!!」

 

顔、顔!!!

憎悪が滲み出てる!!!笑

 

 

 

 

搭乗が始まり、飛行機の席につく。

 

「今飛行機に乗ったよ、日本についたら連絡するね」とプレムに連絡する。

「わかった、飛行機の中でちゃんと寝るんだよ!」

時々プレムが親みたいに感じる。

 

 

爆睡し、ふと目が覚めると飛行機が到着した。

眠い目をこすり、ボケーとしながら飛行機の外に出ると乗組員が中国語で話していた。

 

「あれ?ここもしかして香港ですか?」と聞くと

「ここは香港ですよ!」

 

寝ぼけて香港で降りるとこだった。

席に戻り、また飛行機が飛ぶ。

 

ついに日本に到着する。

 

 

空気が…風が優しい!!

そして良い匂い。

日本ってすごい、と思った。(何がかはわからないけど)

 

バスを待つ間にプレムに連絡。

バスに乗っている間もずっとメッセージをやり取り。

家について、「やっと家についたよ」とスナチャで連絡。

 

「ベイビー、めちゃめちゃ疲れた顔してるじゃん。今日は寝なさい」

というプレムの言う通り。。。ではなく、

ごそごそと夜更かしして寝た。

 

 

 

 

 

 

国際遠距離恋愛をするのは初めてではない。

でも、これって遠距離恋愛といえるのだろうか?

 

今まで一緒に撮った写真やビデオを見返していると、

自分ってこんな笑顔で笑うんだ、と初めて知った。

その表情はプレムが引き出してくれた。

 

 

彼と一緒にいると、自分がとても強くて綺麗な人間と思える。

彼と一緒にいると、ありのままの飾らない自分を知ることが出来る。

彼がわたしを見る目は、自分が特別でたった一人の女だって思わせてくれる。

 

 

それでも、どれだけ素晴らしい関係だったとしても、いつかは終わらせなきゃいけない。

 

本当に無理に終わらせなきゃいけないんだろうか。

 

無い頭でずっと考えた。

色んな事を考えた。

 

 

 

続く