長男が観たいと言っていたので

TSUTAYAオンラインで借りました。

 

私が知ってることと言えば、アイヒマンの裁判記録

『イエルサレムのアイヒマン-悪の陳腐さについての報告』

を出して大論争になったってことと

ハイデガーと不倫関係にあったことが

あることくらいなんだけど滝汗

 

『イエルサレムのアイヒマン』って

悪の凡庸さを書いたものだとしか

認識してなかったのですが

 

そもそも裁判権があるのか、

この裁判は正しいものなのか

 

ユダヤ評議会の指導者たちも

収容所送りに加担していた証言が

あったこと、が大きかったのですね。

 

そりゃあ、反発大きかろう。

 

学生たちに講義したラストで

こういいます。

 

「ソクラテスやプラトン以来

私たちは“思考”をこう考えます、

自分自身との静かな対話だと。

 

人間であることを拒否したアイヒマンは、

人間の大切な質を放棄しました。

 

それは思考する能力です。

 

その結果、モラルまで判断不能となりました。

思考ができなくなると、平凡な人間が

残虐行為に走るのです。過去に例がないほど

大規模な悪事をね。

 

私は実際、この問題を哲学的に考えました。

“思考の嵐”がもたらすのは、知識ではありません。

善悪を区別する能力であり、美醜を見分ける力です。

 

私が望むのは、考えることで人間が強くなることです。

危機的状況にあっても、考え抜くことで

破滅に至らぬよう。ありがとう」

 

あくまでも哲学的な観点から出来事の

真実に迫ろうとしていたハンナに対して、

それを批判するハンス・ヨナスの言葉にも

うなずけるものがあるんですよ。

 

「ユダヤ人のことを何も分かっていない。

だから裁判も哲学論文にしてしまう」

 

「我々を見下す傲慢なドイツ人と同じだ。

我々は大虐殺(ショアー)の共犯者なのか?」

 

まぁシオニズムは理解できてませんけど。

 

バッシングが起きるなんて思って

なかったというくらいだし

人はもっと理性的なものであると

信じてたんでしょうね。

 

今の私たちはそうではないことを

よく知ってると思いますけど。

 

プライベートでは愛情あふれる女性で

耐えず煙草を吸ってるのが印象的でした。