頭が混乱したまま
入学式が終わり席に着く。
頭を伏せながら
彼…鈴をじっと見て考える。
 

 
……
 
あの頃となんら変わってない
アイツの周りには人が集まって
時折俺のほうを見てニコと笑う
 
「ホント…ムカツク…」
 
ボソリと声が出た。
あどけない仕草も雰囲気も変わってない
変わったと言えば
これで気づかなかった…声
男になった声。低くなった声。
そして
俺のアイツに対する気持ち…
 
アイツがいた場所を見つめていたが
完全に伏せ、誰も見ないようにしたが
下校時間である。
いつまでも伏せていたら迷惑である。
 

 
……
 
「あの…」
 
声が聞こえる。
俺を呼んでいるのか?
 
「あの…真鍋隼さんです…よね?」
 
俺を呼んでいたようだ。
ゆっくりと顔を上げ、相手の顔を見る。
話しかけてきた彼女は鈴の事で忘れていたが
入学式から男子の間で噂になっていた
可愛いと言われていた
 
「私…隣のクラスの詩阿優理と言います」
 
「…詩阿さんが俺に何か用なんですか?」
 
「えっと…」
 
彼女はもごもごした口で言いたくなさそうに
目をキョロキョロしていた
 
「言いたくないなら、別に…」
 
「あの…付き合って下さい!」
 
え…?
今、なんて…?
 
「私、真鍋さんが好きなんですっ」
 
「…っ!!いや、えっと…
俺、君の事…知らないし…」
 
「俺の事好きだもんねっ」
 
!!!
 
鈴がドアの隙間から除きながら
そうニヤニヤしながら言った。
詩阿もビックリして声が出ないようだった。
 
「駄目だよ、隼♪君は俺の婿なんだからっ」
 
む…婿っ
誰が婿だ!!!誰が嫁だ!!!
 
つづく