秋人先輩は俺より背が高くて…
誰でも憧れる兄的な存在だった。

あんな事が起きるなんて思わなかった。

たぶん、自分もどうかしてたと思う。

ただの憧れだった先輩にーー…

「夏季、どうした?
なんで、黙ってんだよ?
同じ部活なのに俺の事忘れたのか?」

夏の大会終わってからも
ちょくちょく部室に遊びに来てた。

別に忘れたわけじゃない。

毎日先輩の事、考えてたくらいだった。

「夏季、あいさつくらいしたら、どうだ?
これから兄となる人だぞ」

“兄”

心の中では分かってたつもりなのに。

相手が先輩という事で何か、動揺してしまう。

先輩の顔なんて見れなかった。

なぜ、学校で避けた理由が知りたかった。

俺はそのまま、無言のまま自室に戻った。

「夏季」

ベットでふてくされて寝転がっていると
ドアが開く共に先輩が声をかけて来た。

無言な俺が寝てるベットに座る音が聞こえ
そのまま先輩は話を続けた。

「夏季、お前さ…もしかして…
俺が連れ子って知らなかったのか?
だから…」

だから…逃げた。

「だとしたら、わるいな…
俺、お前の事…避けただろ?」

先輩は分かってて俺の事を避けていた。

理由は?憧れは憧れでしかないという事?

「…これから、弟になる夏季にさ
どうやって接したらいいか分からなくて」

「先輩…」

俺はそうやって言い体を起こした。

先輩に嫌われたと思ったから。

先輩は俺が相手の子って知ってたんだ。

俺だけ知らなかった。

先輩も両親が片方いないって
聞いてれば予測出来たかも知れない。

「夏季、“先輩”はやめようぜ?
俺とお前は義理でも兄弟になるんだから。
いきなり兄が出来て吃驚するけど、よ?」

「でもっ!!」

俺にとって先輩は憧れの人で
ずっと遠くにいるような手の届かない人で
そんな先輩を

「呼び捨てになんか…出来ません」

「ま、そういう優しい所嫌いじゃねぇけど」

先輩はそう言いながら笑ってくれた。

避けてた事が夢のように
今までと変わらない優しい先輩だった。

「じゃあ、俺1階に戻るから」

先輩は立ち上がり部屋から去ろうとしたとたん
先輩の母が部屋にやってきた。

「秋人、母さんが新しい父と
一緒の部屋になるからって
ソファーで寝ようと考えてない?」

先輩は答えなかった。

まだ、受験受けてない先輩が風邪なんて
引いたら大変だ。

「じゃあ、俺がソファーで寝る!!」

俺はベットから出て2人がいる出入りに
向かおいと歩いてると、先輩に腕を掴まれた。

「お前はバカかっ!
夏季が風邪引いたら、どうするんだっ」

「先輩が風邪引くより、マシだっ!」

「夏季っ」

先輩が追いかけるように声を出す。

俺は階段を駆け降りるように1階へ

「夏、ゆっくり階段下りなさい。
と、もう寝る時間だぞ?部屋戻らないのか?」

「俺…ソファーで寝る…
お客さん用の毛布ちょうだい…」

「うん?母さんが夏の部屋に
秋人君の布団運びに行ったはずだけど?」

え?

つづく