卒業式…好きな人に呼ばれた…
もしかして、告白!?
そんな期待を乗せ、待ち合わせの場所に
歩いて行く。

「あの、好きな人いるの?」

それが第1声だった。
もちろん、目の前にいるが
俺はこう、答える。

「いない…けど。」

「よかったー」

そう言って、彼女は笑顔で答える。
さあ、言え!好きだってーっ!!
と、俺は念じながら彼女を見る。
しかし、次の言葉で俺は唖然とした。

「友達がブルーガ君のこと好きって言ってたの。
付き合ってくれる?」

「うん。もちーー………え?
ちょっと、まてぇい!!」

「ほえ?」

彼女の口から聞かされた言葉。
それはただの友達のキューピッドになる為の
言葉だったのだ。
なのに、俺はとんだ勘違いをしていた。
てっきり、俺は……

「お前から好きって告白されるって
思ったのに。」

「え」

でも、違った。
下を向いていた彼だが、ゆっくりと
彼女を悲しい目で見つめる。
それは、愛おしくてたまらない表情。
そして、つい姓名ではなく、名前を呼んでしまう。

「キル…」

いきなりの名前呼びに彼女はドキッとしたが
彼はすぐさまクルリと周り背中を向ける。

「お前が…俺の事何とも思ってねぇみたいだし
付き合ってやるよ、そいつとさ。」

そして、彼はそう言いながら、ドアを閉める。
その時、呼びとめるかのように彼女の声が響く。

「ブルーガ君っ!!」

そして、彼女が校庭に出ると
噂で持ちきりだった。
勿論、彼とその人のお付き合いな噂。
彼にギュッと腕組みしている女の子は
嬉しそうに彼を見るが彼は無表情のままだった。

その時、女の子がキルに気づく。

「あ、キル。ありがとう。さすが、キルだね。」

2人は目線が合う。が、彼はすぐさま
顔をふいっと避けるように方向転換する。
そんな彼を見た彼女は下を向き、こう言う。

「え、あ…」

彼がちらりと正面を向く頃、彼女は
黙ったまま下を向いていた。
そんな彼女をじっと見つめる彼は心の中で

バイバイ…ギルド…

と叫ぶしかなかった。
けど、彼の隣にいる女の子の言葉で
俺の気持ちが揺らいでしまうのである。

「だってさ、みえみえにケイはキルの事
好きだもんね。そんな彼女から言われれば
何とも思ってないって思えるし…」

「………っ」

自分の気持ちを隠していた、つもりが
こんなにもハッキリとバレていたこそ
俺はまんまと騙されていたのだ。
ギルドへの思いをなくそうとしたのに…

つづく
※妄想短編集なのでケイxキルです