その言葉がどんなに軽いって思っても
えみの命は分かっている。
ーー今度倒れたら。
えんにもそう、言われた。
分かってるけど、分かってるけど
えみの前じゃあ、スマイルでいるしかないんだ。

卒業まで持たない、えみの命。
俺は沢山の思いでいっぱいだった。
一緒に卒業したら、言おう。

好きって

プレゼントする袋をもちながら
歩いていると、目の前にボールが
そしてーー…
車のキーブレーキと共に目の前に広がる光景

それが俺が見た最後の光景だった。

えみは手術しないとドナーなんて
いらないって言ってたけれど
…えみは倒れてしまった。
そして、幸いにも偶然過ぎるほど
きっちり合うドナー相手が見つかったのだ。

「えみ!よかったな。
ドナーのおかげで助かったんだろ?
これからもずっとずっと一緒にいような」

えみは心臓がある胸の部分をギュッと握る

「いらないっていったのに。
でも、実感わかないな。」

「そうだな。他人の心臓だもんな」

その時、しょうの周りに白い羽が
舞い散るのが見えた。
それは、まるで天使の羽のようだった。
えみが声をかけると、それはなくなった。

「えみ、どうかした?」

その時である。えんが病室に入って来た。

「えみー?どう?体の方?」

「しょうと話したら楽になったよ。
本当、元気貰っちゃうな。」

えみはクスリと笑った。
しかし、えんは複雑な気持ちでえみを
見つめていた。

「あのね、えみ。しょうはー」

「何言ってるの?さっきまで、そこに?」

えみが指を差したカーテンの向こうには
誰もいなかった。

つづく