「キルちゃんのチョコがいつもより美味しいのは
愛情こもって作ったからなのよ。
・・・キルちゃん、好きな人でも出来たのかしら?」
「え・・・っ」
再婚したブルーガ君の母、義理の母でも
恋する乙女の気持ちは分かってしまうものなのだろうか?
「ところでキルちゃん、その袋誰にあげるのかしら?」
「その・・・えっと。一緒に住んでるし・・・って思って・・。」
でもブルーガ君はいらないって、
僕は分かってキミの分も作った・・・。
「あぁ、ケイちゃんのね。」
ケイがタイミングよく、帰ってきた。
「たしか、袋につつんだのは3つよね?
1つはナヤ・・・うん。キルちゃんの父親にケイちゃん
あとはーーー・・・。」
ケイの母親は気づかないふりをしてるだけ。
王子のことも姫のことも・・・・
「あら、ケイちゃん。おかえり。」
:なんで、母さん、俺の名前呼ぶの?
「・・・・キル、ちょっと来い!!」
ケイはそう言うと、キルの手を引っ張り、2階へ連れ込んだ。
ケイは自分の机にかばんを下ろし、チャックを開ける。
それから
「お前、先輩にあげねーの?」
キルはつったたまま、コクリと頭を下ろす。
「じゃあ、その・・・今、持ってるのって・・・もとから。」
それから、カバンの中身を取り出す。
そこには昼間クラス中から貰ったチョコが入った
箱がわんさか出てきたのである。
:いらないって・・・そういうことかぁ。ブルーガ君、もてるもんねぇ
無駄なチョコはいらないってことだよね。
全部机の上に取り出した後、彼はキルの方へ向く。
キルは壁に背中を合わせ、体育すわりをし、
自分が持ってた袋の中身を取り出し、チョコをもくもくと食べ始めた。
「・・・自分のなの?・・・・・。」
:もう作ったって、あげないんだから・・・
顔を隠すように、食べてるもんだから、
ケイは気になってしかたがない。
つい、好奇心からなのか?
ケイはすっとキルと同じ目線になり、顔に手を当てた。
「キル・・・。」
眼鏡の奥からでもわかる。彼女は泣いている。
:どんなに届かなくても想いを込めて作ったのに・・・
キュウと胸がしめつけられる。ケイはぎゅっと抱きしめた。
「キル、食べるから・・・・泣くな。」
彼女の涙がポロリと止まった頃をみはかねて、ケイは
残り少ないチョコを1枚1枚取り出し食べ始めた。
「ん・・・っ。どのチョコよりもキルのが一番美味いな。」
いじめられる、僕の過去を知ってるはずなのに
・・・・触ってくるのはキミだけだよ。
たとえ、お世辞でもそんな嬉しい言葉はない。
「僕の世界」
特別編。まれにエロ王子(18禁)です
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