闇を照らす月夜に導かれて-後悔なき君の歌
翌朝

先に目を覚ましたのはキルの方だった。

目を開けたとたん

彼女は驚きでドキドキ、

心臓が飛び出そうなくらい、

彼が目の前に居たのだ。

ケイは彼女を抱きしめるような体制で

眠りについていた。

彼女はいきおいよく彼の体を押し、

すぐさま、ベットから降りた。

「……ん、ん?」

押した事により、彼も目を覚ましたようだ。

「あ、おはよ。ギルド。」

彼は体を起こし、そういった。

やべぇな……

昨日、一睡もしてないから

ねちゃった……

………

寝顔、見られたよな。

アクビをしながら、そう考えていると、

彼女が話かけてきた。

「パンとご飯、どっちがいい?」

朝食のことだろう。

まあ、別に俺は

「どっちでもいいよ、お前が
作りたい方でいいよ?」

「………」

彼女はまた、黙ってしまった。

それからギルドが用意した朝食を食べ、

自分の部屋で身支度をし、

学校に行く準備をする。

俺が玄関に行くまで、彼女は何も言わなかった。

けれど、俺が靴をはいてる、

すぐ後ろには彼女がつったっている。

まるで、それは出迎える新婚さん。

「じゃ、行ってくる。」

俺がそういっても言葉を発しない。

…………

今日が終わったら、もう明日に帰る。

あの日言えなかった後悔が今も

頭に残る………

好きって言えたら、おかえりの一言も出るのだろうか?

結婚とかまだ、考えてないけど、

俺はこいつといたい。

そればかり考えてた。

「………なあ、ギルド」

もし、もしでいい。

もし、俺がお前のこと好きだったらーー

言葉よりも行動が先に出ないように

ーーー

「今日、昼前に帰ってくるから
公園で待ってて、くんない?」

「………え?」

「つまり………」

何度も何度もツバを飲んだ。

けどーーー

その先の言葉が出ない。

「やっぱ、なんでもない!!」

俺はそう言いながら、

家を飛び出して行った。

そのぐらい分かってる。

俺が言わないと、彼女は信じない。

俺の思いを飲み込んでくれない。

後悔はしたくないーーー