
「あのさ、ギルド。」
昨日、母さん達が寝ていた部屋に
帰ろうとする彼女を呼び止めた。
「朝食も作ってくれるのかな?」
俺はそういいながら、
彼女を後ろから抱きしめた。
こんなに触れるのは初めてだった。
「う、うん」
中学じゃ出来なかったこと。
ここじゃ、誰も見てない。
触る事だってできる。
素直になれるーーー……
積極的にできる。
「くるし……」
「あ、わりぃ、わりぃ」
俺は彼女の声に気づき、
はなれた。
抱きしめても逃げない彼女がいて、
つい、ギュっと強く抱きしめて
しまったせいだ。
「俺…何やってんだろ。」
笑い、ごまかすよう言った。
彼女に笑いかける事が出来るなんて、
あの頃とはまったく違う。
俺は彼女が好きだ。
「………っ。じゃ、ぼく寝るよ」
彼女は再び部屋に行こうと、
駆け足で立ち去ろうとした。
「あ、待ってっ。」
俺はその声と共に、
彼女の肩に腕を回し、こう言った。
「あとで、俺の部屋に来てよ」
「え……?」