あの場所にアイツが居るとは思ってなかった。
俺はあいつに教えてもらったことがあったから。
蓮葉が見てるすぐそこで・・・
あの日までは・・・
今日の試合を思い浮かべてみろ、か。
久しぶりに蹴ったボールの感触、
俺のボールが枠に入りそうな瞬間、
初めて入ったボール。
全てがわくわくする。
そんなの顔には見せれないーー・・・
「俺、帰るわ・・・。」
そう言うと、俺はみんなより早く店を出た。
「近江さん!」
蓮葉も追いかける。
「なんだよ?」
蓮葉の声に暗い夜道をポツンと立ち止まった。
「近江さん、本当に帰るんですか?」
「あ、ああ・・・帰るよ。お前も帰るんだろ?蓮葉?」
「僕は・・・。」
じっと俺は蓮葉を見つめた。
「約束は守るたちですよ。」
「・・・そう、かよ。」
蓮葉はやる。俺のトーンが下がった声と共に
俺は方向転換をし、自分の家へ向かった。
「・・・蓮葉のアホ。」
蓮葉はやる。
その言葉だけが残る。
「あ、近江さん!待ってください!!」
「悪い・・・1人にしてくれ。」
俺はそう蓮葉にそう言うと、
1人で夜道を歩いた・・・・。
1日、今日の試合を浮かべて・・・・?
白河はそれしか言わなかった。
やっぱりわかんねーよ、白河も蓮葉も
俺だって本当はーー・・・
転がるボールを見るたびに思い浮かべてしまう
あの頃の父の言葉。
なのにボールを見るとつい蹴りたくなる衝動に駆られる。
俺はどうしたらいい?
俺はまたサッカーするべきなのか?
なあ、蓮葉・・・
蓮葉と一緒にサッカーして楽しかった・・・
楽しかった。
その一言が言葉に出ない自分に腹が立ってる。
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