誰も啓を迎えにこないまま数時間がたっていた。


空は赤く染まりチャイムも鳴る。


・・・俺、寝ちゃったのか。


ゆっくりと眼を開ける。


ゆっくりと体を起こし、とっさに昼間の女の子のことが


頭に浮かんだ。


隣のカーテンを開くと彼女は居なかった。


「帰っちゃったのか。」


もう下校時間まで時が進んでいた。


・・・ジャージに名前ついてたの忘れてたな。


馬鹿だな、俺。またー・・・あいたいな。


そう思いながら保健室を出ると目の前には


「あ、起きたんだ君!心配してきちゃった。」


そんな声が下のほうから聞えた。


30センチ以上の下の目線からそのこは話してきた。


そう、あの啓がキスをしてしまった女の子だった


「ってありゃ?こんなに背が高いとはっ!」


そのこは手をのばしながら言うものの


啓の顔まで届かないちいさな、ちいさな子。


「紅よりもあるのかな~」


その子はそう言いながら笑顔で答えた。


「・・・忍。帰るぞ。学年一緒なんだから

また会えるだろ?」


そこに居たのは啓よりも少し背の高い男だった。


いかつい表情で彼が答えると、ちびな彼女は


「あーい、またね啓っ!」


そういいながら紅と去って行った。


・・・忍って言うんだ。あのこ・・・


ってあれ?


学ラン着てたような・・・?


ま、まさかな


啓は気がついてなかったのだ


あのこは女の子ではなく男の子なのだ。


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