ある日の下校時間、ナナが呼んでいた。
「キル~、ヒロが呼んでたよ?」
ヒロ・シタナルとは小学校同じ学校で同じクラスだった男の子。
茶色髪の両側だけちょっとオレンジ髪をしてる。
「・・・何組だっけ?」
キルはヒロの居る1-4へ行く。
:なんだろう?
「あ、やっと来たかギルド!
体操着に着替えてくんねーか?」
その意味がさっぱりだったキルだが
次の言葉ですぐに分かった。
「3年とサッカーやることになってさ?
俺ら1年のチームにスケットとしてやってくんねーかな?」
グラウンドに行くと、そこには大きな背をした3年生がわんさか。
そんなところに女1人。
「女入れるなんて、馬鹿にしてんのか、ヒロっ!」
「ギルドのプレイ見てからにしろよ!」
グラウンドが騒がしい姿に遠くで観客者が増える。
台の上で座って見えるのは
「・・・な、お前帰るんじゃなかったの?」
「見学してく・・・。」
ヒロと同じクラスの2人の男の子に、別の場所ではセイが見ていた。
「ギルド・・?サッカーやるんだ。取っちゃお。」
そしてキックオフ。
「ギルド、どんどんあがっていいからさ?」
:・・・・・。
「ギルドっていうのわかってねーな。見せてやれよっ」
キルは小学校の時、ちょっとだけサッカーをかじっただけ。
ボールの扱いはいい方に入るだろう・・・。
「ギルドっ!」
ヒロはそう言いながらボールを蹴る。
みごとに彼女の足元につく。
「どんなやつかしらねーけど、止めるぞっ!
女だからって手加減しねーからなっ!!来いっ」
キルは華麗なドリブルをして3年の方へ向かっていく。
見事な足さばきでボールをあつかうがーー・・
いつものように、足をひっかけ、こけてしまう。
「なにやってるんだよ、ギルド。」
:やっぱり・・・
「ほら、やっぱ眼鏡とんねーと駄目じゃんかー?」
眼鏡を何処かに置こうと周りを見渡していると
キルに声をかけたのは、あのヒロと同じクラスの男の子。
さらさらなな黒髪で眼鏡をかけた男の子。
「あずかってやろうか?キル?」
彼はにこりと笑って手を差し伸べた。
:こんな人知らないのに、なんで名前知って・・・・っ!?
「こわさねーから。安心して行って来いよ。な?」
「・・・・・。」
ルルスはそんな彼をじっと見ていた。
キルは黒髪の彼に渡すと再び試合が始まる。
「今度こそ、ちゃんとゴールしろよ?」
ヒロはキルにテクをみせつけたいのだろうか?
再び、キルにボールが渡される。
それは今までとは違う。3年でも奪うことが出来なかった。
「あいつ・・・そういえば小学校の時、
数人しか居ないサッカークラブに入ってたらしいよ?」
「ふーん・・・・それでか。」
そんなキルの姿はセイの眼にも止まり。
キルがボールをあつかう、その姿に惚れ惚れした。
「カッコイイっ!!」
キルのおかげで3年には圧勝。
試合が終わるとすぐに眼鏡をかけた。
「な、君。おれらの練習相手にーー・・・。」
キルは首を振った。
:あんまり眼鏡取ると姫ってバレる。
姫がこんなだったらーー・・・
帰ろうと下駄箱に置いて来たかばんを取りに行こうとしたら
セイを発見した。セイの手元にはカメラがあった。
「・・・・ソレ。」
「あっ!とろーと思ってたのに撮りそこねちったな。
ギルド、すっげぇかっこよかったぜ?」
:え?
そんな2人の姿をじっと見てるのは、やはり・・・・
「仲良しだよな・・・あの2人。
あの先輩が姫の大ファンでギルドが姫似だからかまってるだけ
だと思うけどさ・・・このままじゃ取られちゃうぜ?ケイ。」
ケイーー・・ケイ・ブルーガ。
そう、呼ばれた黒髪の眼鏡の男は無言で苦い表情をする。
「・・・・。」