たまに優しくするキミが分からない。
僕はあの彼の家に居るーー・・
玄関先、彼は荷物を下ろしながらこう言った。
「明日日曜だし・・
それに今日は親も帰ってこないんだ・・・だから・・。」
え・・何言って!?
「俺の部屋でゲームしようぜ?」
げ、ゲーム?
彼はそう言うと、自分の部屋に案内させ
ゲーム機を取り出し、一緒にプレイすることになった。
キミは何を考えているのだろう?
本当は楽しいはずなのに心がそうささやく。
僕は困った顔で続ける。
「・・・次はTV見ようぜっ!」
「じゃ、じゃあ次はっ!」
「次はーー・・」
キミの行動がさっぱり分からなかった。
飽きやすい性格なのだろうか?
僕にいろいろやらせようと、みせようとする。
だけど時間は刻々と進む。
「・・・5時だから帰る。」
「あ、ああ・・。」
部屋は電気の明るさで灯され外は暗闇に落ちていた。
僕は鞄をもち、そう言うけど
内心、彼のことがさっぱり分からない。
なぜ、家に誘ったんだろうーー・・?
「・・・・。」
その時である。外が一瞬光を照らす。
停電だった。部屋の電気は落とされ、真っ暗になった。
薄暗く、彼の姿なんてうっすらしか見えない。
それでも怖くて怖くて堪らなかった。
「ギルドっ!」
そんな僕を見て、彼は僕をぎゅっと抱きしめた。
耳元でこうささやいて、僕を真っ赤にさせる。
「大丈夫だから・・・。俺がついてるから・・・。」
ぽんと頭をたたく。
やだ・・・こんなに近くに居たら僕の気持ちがバレてしまう。
成績優秀で学級委員。僕と正反対の彼。
釣り合わないのは僕が一番分かってるつもりだった。
なのにキミは・・・
「ってかあばれるなよっ!」
はなれたくて彼の胸元を叩きまくる。
「き、嫌いなくせにっ!」
その時、体がぐらつき、なにかにぱふっと倒れこんだ瞬間
電気がついた。
ーーー・・・目の前には彼の姿。
そう、2人は彼のベットであろう所に倒れこんだのである。
「嫌い・・・だったかも知れない。
・・・けど、もう嫌いじゃなくなったんだ・・・。」
え?
「お前の笑顔見たから・・・悲しい顔じゃないって
もう1回見たくなったからーー・・・」
だから
ほほを引っ張ったり、昼間いろいろ試したんだ。
僕を笑顔にさせたくて・・・
「・・・・。」
でも、どうしよう?目の前のキミに耐え切れない。
駄目だ。ドキドキが止まんないよ・・・。
その時、僕はいつのまにか彼にキスをしていた。
気が付いてはなれると彼は吃驚した目で僕を見つめる。
そんな目に耐え切れなかった。
2度目のキスをした。
「え、ギルド?」
僕は彼の上によつんばいになり、髪をほどいた。
「止まんない・・・体が勝手に。止めて、止めてよ」
キミヲ欲シイコノ体ヲ止メテ
彼は少し無言だったがすぐに僕をごろりと反転させ
彼が上になる。
「ブルーガ君?」
そして、上着を脱ぎ、キスをする。
初めて彼の舌が僕の中へ入る。
「ん・・。」
それは味わったことの無い味。感触、ドキドキ・・・
彼はそのまま続け・・・僕を抱いた。
夢にでも見た彼とすること・・・
「ん、ああ!」
「ギルド・・・。」
そして気づいたら・・・朝になっていた。
・・・やっちゃったんだ、僕。
というか!なにしてんだ!?好きなんて言ってないのに
順番間違えたっ!
しかも・・・彼には彼女が居るのに・・・。
自分から誘ったんだ、こりゃ痴女だよっ!!
軽い女って思われてるに違いないっ!!
もうーーー・・無視するしかっ!!
彼の家を出ると、雨が降っていた。もちろん、僕は傘なんてない。
「ギルド、今日は風邪で休みみてぇだな。」
「・・・・。」
風邪が治っても僕は彼を避け続けた。
同じ学校、同じクラスーー・・・やばいほど気まずい。
でもーー・・・
「なに、ギルド・・・俺のこと避けてんの?」
彼は僕に話しかける。
話しかけられたことだけでも嬉しくて涙が出る。
だって・・・あんなことしちゃったのに
ううん・・・
「ちがっ・・・ちがうっ!この前のはっ!」
僕はそう言うと、彼は笑顔で答えてくれた。
「・・・何が違うんだよ?あんな顔して俺のこと欲しがったくせに。
まさか・・・好きじゃねぇって言い張るのかよ?」
「だって引いたんじゃ・・・?」
「喜ぶことはしても、引くことなんてない。
だって、俺ギルドのこと好きになっちゃったんだからよ。」
「・・・好き?」
僕が?
「・・・彼女居るくせに?」
「彼女?マイのこと?アイツは彼女じゃねぇけど。
・・・・・ギルド、俺と付き合ってくれるわけ?」
ブルーガ君の彼女に?
そんなの嬉しくて言葉が出ないけど
もう、悲しくなんてない、笑顔でこう言える。
「う、うんっ!」
「な、なあ!もう1回笑って!!」
キミが笑顔を見たいから僕の笑顔を見たいから
それは悲しみに隠されたあなたへの笑顔。
おわり


