それでもここは俺の家ーー・・・
俺が帰る場所ーー・・
そんな思いで部屋の前に立ち、深くため息をする。
ドアをゆっくりと開けると
足元にキルが体育座りで座っていた。
ドアが開いたのに気づいたのかキルは頭をふせていたが
顔をあげ、俺の方へ向く。
「・・・・・。」
だけど、俺はすぐさま目線をそらし
ふいっと自分の机の方へ無言で向かおうとした瞬間
キルは立ち上がり、こう言ってきた。
「む、無視しないでよっ」
・・・
「一緒に暮らしてるのにどうすればいいんだよ。」
俺がお前のこと無視するぐらい分かってるくせに
どうして、そんなこと聞くんだ?
あーー・・・そっか、キルは
俺はキルの方へ向き、怒鳴った。
「どうすれば忘れられるんだよ!どんかん、あほ!!」
どんな思いでお前を追いかけてきたのか
どんな思いで俺のヒメにさせたか分かってないーー・・
いや、そんなの自分勝手って分かってる。
それでも・・・
「お前なんか、姫にしなきゃよかった!!」
辛くて辛くてたまらないんだよ。
俺はそう言って、下を向く。
「ブルーガ君・・・。」
キルの声にちらりと彼女の方へ向くと
彼女はぽろりと涙を流していた。
「・・・なんで、泣くんだよ。
泣きたいのは・・・俺の方だよ・・・・。」
顔を隠すようにかかえるしかなかった。
俺はお前の涙にはすげぇ弱いからな・・・・
だから、泣いてる理由聞きたくなる。
「だって・・・無視されるのも目線合わせてくれないのも
辛くてしょうがないのーーー」
ぽろぽろとキルは涙を流しながらそう言った。
俺の方が辛いーー・・
「--俺にそんなことさせて欲しくねーなら
セイとキスすんな!セイの前だけ嬉しく笑顔になるなっ!
俺はーー・・それだけで辛いんだよ。」
このキルへの思いは10年以上思ってたんだから
なのに、キルはーー・・・
好きだって知ってるから・・・セイのことばかり見てるから・・・
「あ、ひめっ!」
先輩は今から撮影の姫を発見した。
しかし、キルは反応が薄かった
「・・・姫?」
「・・・セイ君。僕はどうすればいい?」
僕はセイ君のこと大好きだよ・・・でも
ブルーガ君の思いも分かってるから。
姫になれたのもセイ君に会えたのも王子のおかげ・・
だけど・・・もっと大事なもの失う気がするの
「姫・・・」
キルはセイの胸に飛び込んだ。
考えても考えても、気持ちの整理がつかない。
「姫ーーー・・・。」
そんな姫が自分に抱きついてることに
先輩はなにかを察してしまったのだろう・・・・
先輩も王子の気持ちは分かってる。
それでも、ケイはキルの気持ちを大事にしたい。
俺の言葉よりもセイの言葉を取る。
「あいつがあんなこと言っても俺は・・もうこの家に居たくない。」
それが自分で決めた事。
あいつの人形があったときはびっくりして嬉しかったけど
「守るって言っても俺じゃ駄目なんだ。どっか泊まろうー。」
ゆっくりと足を進め、部屋のドアを開けると
そこにはキルが立っていた。先ほど帰って来たのだろう。
「・・・・・キル、どけよ。」
でも、彼女は動こうとはしなかった。
「あのね、失いたくないの。ブルーガ君のこと。」
!!
それって・・・俺のこと・・・?!
「でも、好きかわかんない・・。」
「・・・・。」
「だから、考えさせてーー・・・どこにも行っちゃ駄目だよ?」
何処にも行くなって・・
「ね?」
キルはそう笑顔で言う。
俺はキルの笑顔にはめっぽう弱い。
その笑顔で言われたら、今はこういうしかない。
「わ、分かったよ。」