その時である。
外野から声が聞える。そりゃあ、そうである。
姫と王子が同じ学校に通ってる黒猫中。
ケイの周りにはいつのまにかファンがたかり、連れ去ってしまう。
姫よりも王子の方がファンが多いのが一目瞭然である。
キルの周りには誰もたからない。遠くでシャッターを切る音が
聞えるだけだった。
「・・・俺らいらなかったかな?」
「王子いるもんな。」
これが芸暦の差。
数日前、キルが理科室にアラタとバヴがいたのは
そういうことらしい・・・
ファンから姫を守ろうとしたみたいだ。
「・・・ケイ。明日キビしいんじゃねーかな。」
ルルスは笑って答えた。
ケイは姫と同じ方向を回れず1日が終わった。
姫というと・・・・
「僕も撮ろうっと・・!」
写真部のキルだって撮られるばかりではありません。
撮るのが趣味なのです。
「そーだよね、姫だって普通の学生だもん。
たのしまなきゃね。」
歩きながら撮ってると、いつものごとく
キルは頭からこける。
「へぶっ!」
すぐに顔をあげてこう言った
「い・・いつものことだから・・・。」
と言ったものの・・・・カメラを見てみると
「レンズ割れた~っ!」
「え!そのカメラって・・!」
「姫をやるまえから使ってたカメラだぞ?
よびってないのか?」
キルは立ち上がり、ひざをぱんぱんと叩いた。
「ないよー。」
「これを気に新しいの買ったら?」
新しいの?
小学校から使っていた愛用のカメラ。
王子だってセイだって知ってる。
このカメラの思い出ーー・・・まるで、今までの思い出が壊れたように
カメラのレンズは割れてしまった。